[東京 16日 ロイター] 白川方明日銀総裁は16日、都内で講演し、米国の利下げ効果について、米国は対外純債務国のため、自国に有利な所得移転が発生し、この面ではバランスシート調整の進ちょくには有利な立場にある、との見方を示した。 ただ、低金利の継続には潜在的リスクもあるとも指摘。低金利の継続で先行きの予想物価上昇率が高まったり、ドル安予想が生まれたりして、長期金利が大きく上昇するようなことがあると、財政負担が増加し、政府のバランスシート調整という別の問題が生じる可能性がある、と警戒感を示した。 パリ・ユーロプラス・フィナンシャルフォーラムで述べた。 <バランスシート調整の間は下押し圧力> 白川総裁は「バランスシート調整と世界経済」と題した講演で、現在の世界経済の持ち直しは、1)流動性危機というパニックの解消、2)在庫調整の進ちょく、3)各国の大規模な景気刺激策の実施──に支えられていると指