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ブックマーク / wedge.ismedia.jp (6)

  • 「女が勉強してどうなるのか」の時代から『キム・ジヨン』まで

    『82年生まれ、キム・ジヨン』(チョ・ナムジュ/筑摩書房)の日でのヒットや、異例の3刷となり単行化も決まった「韓国フェミニズム・日」特集の『文藝2019年秋季号』。人気の土台となっているのは、ここ数年の韓国でのフェミニズムの盛り上がりに対する興味・関心だろう。 ジェンダーギャップ指数は日よりさらに下位の韓国。しかし、ひとたび事件が起これば、ジェンダー不平等に声を上げる数万人規模のデモが起きる国でもある。『キム・ジヨン』を始めとする最近の韓国小説は、理想へ手を伸ばし現場で声を上げることを後押しするような作品が多いようにも感じる。 『キム・ジヨン』で翻訳、『文藝2019年秋季号』の単行では監修を務める翻訳家の斎藤真理子さんにインタビューを申し込んだところ、「ウーマンリブや雇用機会均等法の女子の就職事情など、若い世代に伝わっていないことも多い。そのあたりもお話できるなら」と、ご返信を

    「女が勉強してどうなるのか」の時代から『キム・ジヨン』まで
  • 韓国映画『タクシー運転手』の大ヒットで浮上した歴史論争

    韓国映画『タクシー運転手』が、韓国国内で注目を集めている。1980年5月に起きた「光州事件」を背景とした、実話に基づいて作られた映画だ。9月18日現在、1215万名の観客を動員し、今年最大のヒット作となった。 光州事件とは朴正煕元大統領が暗殺(1979年10月26日)された後の混乱期に韓国南西部に位置する光州というところで起きた事件だ。市民デモ隊と軍が衝突し、市民164人、軍人23人、警察4人が死亡した悲劇的な事件だ。韓国内ではこの事件を軍事政権下であった80年代には市民たちが起こした「暴動」として取り扱ってきたが、民主化後には事件に対する評価が見直され、現在は「光州民主化運動」と呼ばれている。さらに事件の犠牲者たちとその遺族たちは民主化の功労者として認められ、国家から補償金の給付、医療費、交通費、光熱費の補助、税金免除、就職や就学時の加算点の付与など、厚遇を受けている。 映画『タクシー運

    韓国映画『タクシー運転手』の大ヒットで浮上した歴史論争
  • 「息子介護」に問題が多い理由

    「介護殺人」という言葉が聞かれるほど、介護問題は深刻化している。中でも、息子による被介護者への虐待は顕著な現象だ。夫婦間や、親と娘よりも息子が介護者となる場合に、問題が起きるのはなぜなのか。『介護する息子たち』(勁草書房)を上梓した平山亮・東京都健康長寿医療センター研究所 福祉と生活ケア研究チーム研究員に、息子としての男性、息子介護の実態、そして男性学への違和感などについて話を聞いた。 ――息子介護についてのですが、序章で「男性が息子としての経験を語らない」ことを指摘されています。これは親の介護とどう関係しているのでしょうか? 平山:母娘関係が話題に上っているように、多くの女性は、娘としての経験を率直に語れるのに対し、多くの男性は、息子としての自分については、口ごもる、もしくは美談しか語りません。父親や、夫として男がどうあるべきかについては、饒舌に語ることがあるにもかかわらず、です。 家

    「息子介護」に問題が多い理由
  • 「認知症の人を地域で」 厚労省が本腰 精神科病院の抵抗

    厚生労働省が画期的な報告書を出した。 「認知症になっても人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会」の実現を目指す、とある。 誰しもが家族の介護や自身の老後で認知症を意識する時代になった。 しかし、症状が悪化すれば、精神科病院に長期入院することになるのが現在の体制だ。 経営に直結する病床削減に精神科病院は抵抗している。国民の意思が問われる。 夫を入院させた女性の後悔 「この2つの写真、表情がまったく違うでしょう?」。カメラに向けた人懐こい笑顔と、眉間に皺を寄せ今にも怒り出しそうな面持ち。東京都内に住むAさんは、精神科病院に入院したアルツハイマー病の夫が、入院の前後で見せたあまりの変化に心を痛めた。ショートステイで利用した介護施設で、「もう、うちでは面倒みられません」と言われた末の入院だった。近くの利用者に手を上げたり、夜中にベランダに出てズボンを

    「認知症の人を地域で」 厚労省が本腰 精神科病院の抵抗
  • あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか

    「いずれもこの年齢の少女たちによく見られる症例ですね」 ある冊子に記載された患者たちの症状や経過だけを見た場合、どういう考えを持つかという質問に対し、複数の小児科医・神経内科医・精神科医から寄せられた回答である。ひとつひとつの症例についてコメントや解説をつけてくれた医師もいた。 この冊子は全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会・薬害対策弁護士連絡会・薬害オンブズパースン会議の3団体が昨年5月末に出版した「子宮頸がんワクチン副反応被害報告集」。弁護士が“被害者”人およびその保護者に聴取した内容を記したものだ。 今年に入ってから“被害者”に関するいくつかの書籍も出版されている。“被害者”の少女たちの症状は実に多彩だが、特に神経疾患を思わせる症状についての記述はどれも強烈だ。繰り返し起きる手足や全身のけいれん、「自分の意志とは無関係に起きる」という不随意運動、歩けない、階段が登れない、時計が読めな

    あの激しいけいれんは本当に子宮頸がんワクチンの副反応なのか
  • 米国のトランス脂肪酸“禁止” 日本が振り回される必要はない

    「米、トランス脂肪酸禁止」「トランス脂肪酸を含む品添加物の3年以内の全廃を通達」……。こんなふうに大手メディアに報道された後、さっそくネットメディアでは「マーガリン、マヨネーズは使わない!」「ワースト5の品は……」などの情報があふれ始めました。 メディアは「○○は危ない」というコンテンツを流したがります。それは、やっぱりそんな情報が耳目を集めるから。ネットメディアはとりわけそう。アクセス数が稼げますもん。そんなわけで今、心配した人たちからの問い合わせや苦情が、品企業に相次いでいるそうです。 でも、報道には間違いが目立ちます。そもそも、トランス脂肪酸は品添加物ではありません。それに、トランス脂肪酸対策は、単純思考ではダメ。この話、けっこう複雑です。 私は2012年に欄で、「科学無視のトランス脂肪酸批判 思わぬ弊害が表面化」という記事を書きました。アメリカでは“危険”でも、日の状況

    米国のトランス脂肪酸“禁止” 日本が振り回される必要はない
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