北京から北へ約180キロ。スノーボード男子ハーフパイプ予選が行われる張家口・雲頂スノーパークに向かう早朝の高速鉄道には、北京五輪が始まってから最多と見られる人数が乗車していた。報道陣用のシャトルバスも満員。たどりついたメディアセンターは超満員。机を確保できないメディアが続出していた。 これまで予選ではフリーパスだったミックスゾーンでの取材にも特別チケットが必要。耳を澄ませば英語、中国語、韓国語、ドイツ語など、いくつもの言語での会話の中で「ヒラノ」「ジャパン」という固有名詞が聞こえてきた。 「ショーン・ホワイト」「スコッティ・ジェームズ」という名前も聞こえる。 “驚愕のエア”に会場がどよめいた 狂想曲が始まろうとしていた。 長さ220m、幅22m、斜度18度、パイプの壁の高さ7.2m、パイプの縁から下への角度82度。パイプを見上げる招待客や関係者、報道陣、誰もがワクワク感にあふれる表情をして