国民の生活を守るための「全国民月7万円支給」――それだけとれば、聞こえはいいかもしれない。だが新政権のリーダーは、その財源を確保するためにこれまで積み立ててきた「年金」をまるごと吹き飛ばそうとしているのだ。しかも医療費、介護費などの負担が増してしまい、これまで以上に家計が苦しくなりかねないのだ。 “準備”は進んでいる 「我々が目指す社会像は、自助、共助、公助、そして絆です」。そう掲げた菅義偉首相は「縦割り110番」の開設やデジタル庁の新設など、思いつきで政策を次々に打ち上げているように見える。コロナで苦しむ日本社会をどこに向かわせようとしているのか。菅行革の恐ろしい最終着地点が見えてきた。 「ベーシックインカム」(BI。最低限所得保障)の導入をテコに従来の日本の社会保障制度を根本的に変えてしまおうという狙いだ。改革のメインターゲットは年金制度の廃止。高齢者は社会保険という“共助”も、国の支