今や火だるま状態の舛添都知事だが、上昌広氏が厚労相としての彼の業績についてコメントしているので、私も舛添氏を擁護する気はないが、彼の政治手腕について書いておく。 彼が752日間の(閣僚としては比較的長い)厚労相時代に何をしたかは、いろいろな著書で自画自賛している。特に医師不足を是正するために医学部の定員を増やすなど医療の改革に努力したことは、上氏の書いている通りだ。また批判の強かった後期高齢者医療制度の改善に努力したことなど、医療サービスについては功績がある。 しかし厚労省の最大の懸案である公的年金については、彼は「消えた年金」の話しかしない。医療にかけたあれほどの情熱があれば、完全に破綻している年金会計の赤字を減らす努力ぐらいしてもよさそうだが、そういう形跡はない。医療にしても年金にしても、厚労省の予算を増やす省益にそった意思決定しかしていないのだ。 東京都知事としての彼の実績も同じだ。