サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
55096962.seesaa.net
考古学の「再現実験」と称するものには、それなりに妥当性のあるものから、参考にはなるけど再現とまでは言えないもの、そもそも論外のものなど様々なレベルのものがある。有名な学者のやってるものが妥当な内容なわけではなく、テレビや雑誌で宣伝されるからといってやり方が正しいわけでもない。ここでは、実験の妥当性がどこで見分けられるのか、という手がかりを案内する。 ************* まず「ある結果」は、「環境」+「条件」によって発生する。 再現したいのは通常「結果」であるから、結果をもたらす「環境」と「条件」が分かっていれば、結果を再現することは出来るはずだ。 たとえば、実際に行われた「グリーンランド北部に定住したヴァイキングの航路を再現する」という航海実験をこれに当て嵌めてみよう。 濃いオレンジ色=条件が全く違う 薄いオレンジ色=やや条件が違う で記載した。 ヴァイキングシップでグリーンランド
伝説は、いつまでも変わらず伝説で在り続けるわけではない。 科学技術の進歩によって幻から現身へと変わったものもある。ダマスカス剣の製法もその一つである。 というわけで前置きとかメンドクサイのでさくっと概要からいこう。 ダマスカス鋼の成分は既に判明していて、ダマスカス剣は現代技術だとだいたい再現可能です。 分からないのは、"それが以前と全く同じ技法であるかどうか"という部分。これは時間を遡るわけにもいかないので、証明出来ない。ただ、ほぼ同じものが再現出来ているからには、おそらくロジックの部分では合っているだろう。 その方法を紹介しているのがこちらのサイト Mystery of Damascus Steel Swords Unveiled https://www.mse.iastate.edu/news/john-verhoeven/ 日本語で読みたければ、別冊日経サイエンスのNo.210「古代
最近、個人サイトやブログのサービス終了が相次いでいる。HTMLぺちぺちして作るサイトだけでなく、ブログ系サービスも片っ端から終了していっている。 理由は判る。限界集落だからだ。 新規が増えるわけでもなく、何年も更新されていないような「死んだ」ページばかりになって、広告収入や有料オプションサービスでの売り上げも落ちる一方、ということでサービスを続けられなくなっている。何しろサーバを立てておいておくだけで、保守費用に電気代に管理者の人件費にとひたすらコストがかさむ。それも数十万や数百万ではなく。商売でやってる以上、赤字が見えているならサービス終了も致し方ない。 だが、それによって、結構大事な情報が失われようとしている。 個人サイトなんて大した情報はないだろうと思うかもしれないが、実はWikipediaなんかよりよっぽど正確で重要な情報が載ってるサイトもあったりする。辺鄙なところに行った旅行記と
発掘されたアクセサリーの復元写真とかはわりとよく見るけど、発掘現場自体の写真はあんま見ねーなってことでちょっと探してきた。ウルはメソポタミアの、シュメル人の作った都市国家の一つ。その王家の墳墓がこれ。時代は紀元前2600-2500年と推定されている。 写真で見ると判るけど、けっこう掘ってんなーってかんじ。 そしていかにも当時らしく、イギリス貴族様が現地民いっぱいやとって人海戦術で土砂掘り出してる…。 発掘開始は1926年。発掘者はレオナルド・ウーリー、イギリス人。なので今は発掘されたコレクションはイギリスのPennsylvania Museumにある。 https://www.penn.museum/ 発掘されたアクセの復元こちら。 墓からは他にも殉死させられたと思われる侍女とその装飾品も見つかっていているようだが、ここには女王自身のものしか載ってない様だ。髪の量もだが、乗せてる金細工もか
暗澹たる気持ちで本を置いた。 旧石器捏造事件なんてあったけど、日本でも前期旧石器は出るんだ、と胸を張って公表された、砂原遺跡についての本である。この本を読んだあとに確信を持って言えることがある。 考古学会がこのままの方向性ならば、旧石器捏造事件は確実に、もう一度起きる。 この「遺跡」は出雲にある。十二万年前の地層から石器が出たので前期旧石器であり日本最古だ、という主張がなされている。発見者の記事などは以下。 日本列島における「人類史の起源」を追い求めて。【文学部文化史学科 松藤和人 教授】 https://www.doshisha.ac.jp/news/2016/0923/news-detail-3692.html また、論文も以下にある。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ejgeo/4/2/4_2_47/_pdf …しかし、どうしてもこれが石器に
クラウドファンディングで2千6百万を越える資金を集めて華々しく開始されたこのプロジェクトですが、開始前から予想していた以上の迷走っぷりを見せ、もはや何やってんのかよくわかんない状態になってます。 これは募金詐欺と同じだと思います。 というわけで、この件を将来語り継ぐためにまとめておくことにしました。 ●このプロジェクトは何? 詳細はリンク先のクラウドファンディングのページをご確認ください。 https://readyfor.jp/projects/koukai 三万年ほど前に台湾方面から与那国島に現在の日本人に繋がる人々が移住してきた、という前提のもと、現代の海を航海して検証しようというものです。 国立科学博物館の現役の学者が発起して開始され、様々な専門家が参加しています。 プロジェクトリーダーの本も出ています。 …が、内容がとっても酷い、残念なプロジェクトになっています。。。科学的な手法
こないだ、新世界に最初に持ち込まれた犬の遺伝子が現代ではほぼ残っておらず、ヨーロッパからの移住者たちが連れ込んだ犬の遺伝子で上書きされてる…的なニュースがあった。 新世界、失われた最初の「イヌ」の遺伝子。~海を渡った幻の犬たちの物語 https://55096962.seesaa.net/article/201807article_17.html んで、そんなに犬連れ込んだ奴いたんだっけ? と思ってちょっと調べてみたのだが…。 近代のヨーロッパからの移住者の波が想像以上の規模だった。 こちらを見てほしい。 1830年~1930年のおよそ100年にヨーロッパから北米に移住した人は2618万人。 ラテン・アメリカへの移住は600万人。 ラテン・アメリカ以外への移住もあわせると、トータルで3,500万人くらいか。今のヨーロッパに流れ込んでる難民・移民が100万規模で大騒ぎしているのと見比べると、
巨石の輪、といえばイギリスにあるストーンヘンジが有名だが、同じようなものはスコットランドにも、アイルランドにも大小様々に沢山ある。そして、それらはみな、鉄器が使われだす以前の、石器時代~青銅器時代の遺跡である。 そんなストーンサークルの一つが、つい最近、畑の中にわずかに残っていた痕跡から発見された。 畑の中なので、表面に使われていた石は残っていない。植生の違いに寄って、遺構がうっすらと浮かび上がってきたのをドローンから撮影して見つけた・・・ということのようだ。 https://www.livescience.com/63097-ireland-newgrange-henge-uncovered.html 場所はニューグレンジの近く。 ニューグレンジには、5.000年前の有名な遺跡、日本でいう古墳のような大きな墳墓がある。ときどき、「あのエジプトのピラミッドより古い!」などとドヤ顔で語られる
前回の続き。 先史時代のアナトリアに関する権威だった故ジェームズ・メラート(James Mellaart)氏による遺物捏造疑惑について、ちょろっと調べてみただけでも闇が深くてドン引きするやつだったので、深入りしない程度にメモしておきたい。 まずキーワードとなるのが「トロイ(トロイア)」である。 メラート氏がトロイア戦争にハマっており、生涯かけて証明しようとしたのがトロイア戦争の歴史的な実在とイーリアス神話の証明であることを念頭に置いてもらいたい。いま分かっている/嫌疑のかけられている捏造の多くは、トロイ絡みのものだからだ。 ●そもそも彼がトルコの遺跡からシャットアウトされた理由とは 表向きの理由は「遺物を密売したかもしれない」という疑惑をかけられたからだが、調べてみると実際はもっと複雑な話である。彼は1965年、電車の中で知り合ったという女性に見せられたという遺物コレクションのスケッチを発
チャタル・ホユック(Çatalhöyük)は2012年に世界遺産に登録された遺跡で、約9,000年前からの居住の跡が知られる重要な遺跡。その遺跡の発見者で、先史時代のアナトリア考古学の第一人者の一人だったジェームズ・メラート氏(2012年死去)の遺品の中から、生前手がけた遺跡での発見物を捏造していた証拠が出てきたという、とんでもないニュースが流れてきた。 Famed Archaeologist 'Discovered' His Own Fakes at 9,000-Year-Old Settlement https://www.livescience.com/61989-famed-archaeologist-created-fakes.html >>日本語記事 有名考古学者が遺跡からの出土品を偽造した証拠が死後に発見される https://gigazine.net/news/201803
最近流れていた、「最後の野生馬とされる馬が実はかつて家畜だった馬の子孫で、野生馬はもう絶滅していた」という話が微妙によくわからんかったので、ちょっと調べてみた。 結論から言ってしまうと、 ・家畜馬とわずかに混血しているため純血の野生種ではないが、ほぼ野生種 ・祖先の馬は飼育の試みはあったものの家畜化されていたとは言えない。よって家畜の子孫とは言いがたい まあこれ多分、論文の著者自身、ボタイの遺跡から出てる馬が家畜馬でなかったことを認めたくないっぽいニュアンスで書いてるので判りづらくなってるんだと思う。今までは、ボタイから出土している約5,000年前の馬の骨が飼育化の試みの第一歩で、現在の家畜馬の直接の祖先だと考えていたけれど、DNA調べてみたら直接的な繋がりは無く、「家畜馬の祖先と飼育化の開始を別の場所に求めなくてはならなくなった」という結論になっている。 つまり話題のプルツワルスキーとい
つうか今でも水不足ぎみなんですが、それがさらに悪化して農作地が減る可能性もあるという。 国際河川であるナイルを巡る"水戦争"の緊張が日増しに高まっており、最下流のエジプトさんは文字通り「干上がる」可能性が出てきた、という話。 The 'water war' brewing over the new River Nile dam http://www.bbc.com/news/world-africa-43170408 ナイル川は青ナイルと白ナイルの二本がスーダンで合流してエジプトを経て地中海へと注ぎ込む川だ。しかし、流量の大半はエチオピアを水源とする青ナイルから来ている。その青ナイルを横切る、巨大なダムの建設が進行しているのだ。ダムの高さは約170m、長さは1.8km。完成するとロンドンと同じくらいの土地が水没するという巨大なもので、5年後には2/3が完成している予定だという。 インフラの
異世界ファンタジーでは、とかく村が焼かれやすい。とくに魔王とか帝国軍とかはやたらと村を燃やす。燃やすのはいいが、そのあとのことをちゃんと考えているのかと疑問に思うケースも多々見かける。焼き畑農業は大地を疲弊させ、場合によっては将来その土地での収穫を見込めなくしてしまう農耕法である。何でもかんでも焼けばいいというものではない。 そこで、将来村を焼きたいアナタのために、村の正しい焼き方をここにしたためておくこととした。 まず考えて欲しいのは、「その村を焼くことによりどのような効果を狙うのか」である。 ◆殲滅 「村を焼く」場合に最も多いと思われるのは、この理由である。敵対部族の村や敵国領土、反逆的な地方豪族の領地など、とにかくボッコボコにしたいといった理由ならば、迷い無く範囲内の村を全て、跡形も無く焼くべきだ。さらに住民は皆殺しにしておく。一人も逃がしてはならない。だいたい逃げた一人が反乱軍を率
2000年代に入ってから、エジプトではしばしば「降雨による洪水」が発生している。 以前記事にしたこともあるが―― エジプト・アレクサンドリアに大雨→町が水浸しに。実は時々豪雨に見舞われるエジプトさんの話 https://55096962.seesaa.net/article/201510article_26.html これ、日本の基準でいうと全然雨降ってないんですよ。 エジプトの中ではそれなりに雨の降るアレクサンドリアでもこんなもん。 https://weather-and-climate.com/average-monthly-Rainfall-Temperature-Sunshine,Alexandria,Egypt しかもこれは1日で降った雨ではない。 洪水のよく起きている冬季の「雨の日」は10日くらいある。10日で50mmの雨なら1回あたりの平均は5mm。そんなもんで道路が水びたし
この話の何がニュースかって、専門家が骨の年代鑑定で間違えてた理由が驚くべきものだからなんですよ。 そんな理由で…数百年の誤差が出るんだ…。 Mystery Behind Mass Grave of Viking Warriors Finally Solved https://www.livescience.com/61646-viking-warriors-grave.html 問題の遺跡は、1980年代に発見されたイギリス中部、ダービーシャー州のレプトンのサイト。 墓には264人が埋葬されており20%は女性。年代は18-45歳で、男性は死亡前に多数の傷を負っていたこと、スカンジナヴィアの(つまりヴァイキングの)武器や遺物が発見されていることから、大規模なヴァイキング時代の墓所だと考えられていたのだが、なんだか一部はそれより古い骨があったりして、遺物、その土地の歴史、骨の年代鑑定がどうも一
まずは本編を読む前に、「ケルト歴史地図」という本の冒頭に載っている、以下の部分を一度読んでみてもらいたい。 初見だとほとんど意味が分からないと思う。というか自分も、この本は何度も読んでいたのに、ここの部分の意味を理解出来たのは最近だ。この記事は、この不可思議な記述の意味するところの裏側について書いている。 内容を説明したあとに、最後でもう一度、この記述の内容に触れることにしたい。 ************************************* <<前段>> 「島のケルト」は「大陸のケルト」とは別モノだった。というかケルトじゃなかったという話 https://55096962.seesaa.net/article/201705article_21.html 「島のケルトは実はケルトじゃなかった」から派生する諸問題~"ケルト神話"がケルト神話じゃなくなります https://550
こないだナマズ神の話があったのだが、なんとサーバルも神になっていた、かもしれない。 というかいつも見ていた。ただ気がついていなかっただけで―― 死者の書17章で邪悪な蛇アポピス(アペプ)を倒している、太陽神ラーの化身である「太陽の雄猫」の正体、実は飼育化されたネコではなくサーバルの可能性がある、という説を見て「ファッ」となったので一応メモっておく。 ・一般的な飼育化されたイエネコより耳が長い ・しっぽも長い ・ヒョウ柄の特徴的な模様 ・ヘビと戦って食べる習性あり 言われてから写真見比べると「あーあーあー!」ってなるやつ。そうだよこれサーバルじゃん。サーバルちゃん古代エジプト神話にも出てたんだ…すっごーい! 原文ではとくにサーバルキャットに対する専門用語はなく「猫」という単語が使われていること、普通の飼い猫とサーバルが別扱いでミイラ化されてるわけでもないことから完全に立証するのは難しいが、サ
これは久々にやらかした系の論文捏造事件かもしれない。 人類が北ヨーロッパに進出した年代を書き換えようとしていた論文が疑わしいという話から、なんと証拠に使われた骨が盗難品だったことが判明して論文捏造だけじゃなく窃盗事件になってきた。 *一枚目が盗難前、2枚目が盗難後 =================================== 【事件のあらすじ】 既存説では人類(現生人類ではない)が北ヨーロッパに出現するのは50万年前以降で、いたとしてもごく稀で、まとまって定住はしていなかったはず、とされていた。 しかし、100万年前ごろから北ヨーロッパに人類(ホミニン)が進出していたはず、という論文も何本か出されていた。内容としては、古い人骨が出てきたわけではなく、人為的に傷つけられた動物の骨が発見されたというもので、「人間が道具を使ってエモノを捕らえていた証拠」とされてきた。それらの論文で骨に
前からよく聞く「長年海苔ばっか食ってきたせいで、日本人の腸だけに海藻を消化できる酵素をもつ菌がいる」という話がうさんくせーなと思っていたので、ちょっと調べてたみたら案の定 これガセビアじゃねぇかぁー! ってなったので話をまとめておく。 ×日本人だけが消化出来る ○日本人の一部からは発見されている ◎そもそもサンプル人数が少ないので「日本人はたまに持ってる」と判るが、ほかの地域/国がどうなってるのかは分からない 日本人「だけ」というならば世界中のあちこちから幅広くサンプルを集めて検証しなければならないが、話の出所になったと思われる論文では、そんな検証は成されていない。実際に検証されてるのは日本人と北米人だけ。そしてそもそも、元になった調査は海草を分解できる腸内細菌の機能がどこから来たのかという考察と、異なる文化間での腸内細菌の種類の違いについてが主題となっている。 日本人の腸の中でしばしばみ
まとめとけって知り合いに言われたから、えーめんどくさーい とか言いつつ一応まとめとく。 たぶん公式資料集とかに載ってんじゃない? このテの資料は。と思いつつ。 ●意外といるぞ実在人物 メインキャスト以外で、イベントに絡んでくるNPCにも実はけっこう実在人物がいる。メンフィスで出会うタイムホテプさんもその一人。 この人は実際にクレオパトラ7世の時代に生きていた、プタハ大神官の奥さん。14歳で夫パシェレンプタと結婚、3人の娘を産み、30歳目前にしてようやく望んでいた息子を授かるも4年後に死亡。彼女の人生が刻まれた、死を悼む碑文は、現在大英博物館に収蔵されている。 https://en.wikipedia.org/wiki/Taimhotep そう、描かれなかったあのイベントの結末は…そういうことなのです… でもきっとお子は、その後バエク兄貴が大事に見守ってくれるに違いないっ。 ●地名のヒエログ
アクエンアテンとは、エジプト史上でも最も有名な王の一人。宗教改革を行った「異端の王」として知られ、ツタンカーメンの父か異母兄弟あたりの関係だと考えられている。(※10年ほど前に行われた遺伝子調査では父とされたが、この研究には嫌疑があり結論とは言えない) 従来の主神であるアメン神を否定し、アテンという別の太陽神を崇め始めたまではいいのだが、「元の首都テーベはアメン神の都だからやーめち! アテンのための都作るzee」と言い出して、僻地に新たな都を建設してしまうのである。それが「アマルナ」と呼ばれている都。古代名はアケト・アテン、「アテン神の地平線」という意味である。 そのアマルナの都に隣接する庶民の墓地を発掘してみたら、出てくる骨がどれも異常な死に方をしていたり、拷問を受けた跡があったりで、えっ何これヤバくね? となっているのが、ここ数年の状況である。 <過去にまとめた記事> ●エジプト:アマ
前々から気になっている、「ケルト人はほんとに、現代でいうところの”ケルト語”を話していたのか」という話のつづき。 [>前段 「島のケルト」は「大陸のケルト」とは別モノだった。というかケルトじゃなかったという話 https://55096962.seesaa.net/article/201705article_21.html 現代一般人が持っている「ケルト」のイメージって、アイルランドとかスコットランドとか、コーンウォールとかウェールズとか、あとフランスでブルターニュとか ”ヨーロッパの端っこに追いやられた人々” のイメージだと思う。アイルランドやブリテン島の端っこの人々と、海を隔てたブルターニュの人々との言語は類似している。これはローマに追いやられた人々が大陸から島に渡っていく過程で昔の言語が残された場所だ…という感じでイメージされている。 が、そもそも現在「ケルト語系」と言われているもの
現代エジプトはもちろん、シリアやトルコにもあったりする鳩小屋である。 それがゲーム内の仮想の古代エジプトの風景として採用されている。鳩小屋の形式はともかく古代エジプト人も鳩は食ったはずだから、これはアリだと思うのだが、ちょっと気になったのが、「鳩っていつから飼育されるようになったんだっけ?」ということである。 …そう、鳩、飼育動物だよね。 しかも「飼育」という概念が誕生した、かなり初期の頃から人間に飼われているよね? そのわりに…起源とか家畜化の歴史とかが…畜産の本なんかでも全く見た覚えがないんですけどね…! ニワトリとガチョウは見たことあるんだけど、鳩なんでこんなにスルーされまくっとるんや。 というわけでこれから資料を探しにいくのだが、よくよく考えてみると鳩ってめちゃくちゃ飼育化しやすい生き物だなと思った。 ・鳩は家に帰ってくる(帰巣)本能がとても強いので、人間の管理しやすい場所に巣を作
だーいぶ時期を外してしまったのだが、前々から気になっていた「結局ハロウィンってどっからきたのよ」という話。 世間一般的には「古代ケルトの祭りサウィンが起源」ということになっているが、ケルト人が歴史から姿を消したのなんて2,000年も前の話である。その祭りが現代に残っているわけがない。現在の形になったのは19世紀アメリカだからアメリカの祭りと考えればいいじゃん、という話なのだが、それも単純化しすぎてなんだかつまらない。 起源や由来かはっきりしないのは納得がいかないんである。 なのに、どの資料を見ても「~と信じられている」などという歯切れの悪い論調であり、具体的な話を書いてくれない。 しょうがないので、自分であれこれ調べてみることにした。 ----------------- 【結論】 ハロウィンとケルトの祭りはほぼ無関係。 具体的な証拠が乏しいが、声のデカい人たちが宣伝しているので「~と信じら
むかし見ていたサイトが懐かしくなって、ふと探してみても大抵はなくなっている。 2000年代初頭くらいに流行っていた無料ホームページサービスの大半はサービス終了し、その後サービス開始されたブログなども消えていった。インターネットが一般的になってから20年近くも経てば、そんなもんである。 …まぁ、何故かまだあるサイトはあるんだけど。 うちとかな まあそれはともかくとして、サイトもブログもわりと昔から運営してるせいで、むかし外部に対して貼ったリンクがことごとく切れている。 それどころか、5年くらい前に貼ったニュース記事へのリンクや、つい数年前に貼った日本語論文検索サイトへのリンクとかも切れまくっている…。 タイトルや内容をメモしていればもう一度別のリンクを探し出すことも出来る場合があるが、完全にWeb上から消えてしまっていて読めなくなっているテキストも少なくない。論文や雑誌のバックナンバーなどは
こないだからネタにしている、古代エジプト(プトレマイオス朝)が舞台のゲーム、「アサシンクリード・オリジンズ」。 とても良く出来ているゲームなのだが、それはあくまで「ゲームとしては」という話。細かいところを厳密に見ていくと、わりと「…ん?」な点はある。 たとえば、メインストーリーにもでてくるメンフィスの神殿の外観。 ここで入り口に立っている巨大な像は、トリノ・エジプト博物館が所蔵する、実在するプタハ像である。 元ネタが判るとニヤリとさせられるエジプトマニアがにやりとする仕込みである。…が、この像が実在するものを模しているからとしって、決して「リアリティがある」わけではない。 そもそも、冥界神の像をこんな太陽の光がサンサンとあたるところに置いてはいけない(笑) そして、神殿の外側に主神の神像を置いちゃいけない。神像は、神殿の中の聖なる場所に大切に安置して神官の奉仕を受けるものだ。 ちょっと想像
探してみたっていうか前から無いなー無いなーってずっと思いながらなんとなく探してた。ええ、結論。ありました。 じゃなくて… 見つからないということが判りました。 第一と第二があると想定して「第三」と呼んでたのに 第二王朝の存在が不明 わりと「あるある」なパターンなんですが、どうしてこうなったのかというと。 ・「シュメール王名表」を元に都市国家ウルの王朝を想定 ・しかし第二の部分は実在したという証拠のある王様が今のところでてきてない ・ウルの場合、確実な歴史記録のあるのは「第三王朝」として知られる王様たちから ・第一の何人かは実在の証拠があるが、第二のあたりの時代はそもそもウルに単独の王がいない 年表だとこういうこと。(出展元「初期メソポタミア史の研究」) 第一王朝のあとはウルクの支配を受け、その後ルガルザゲシ以降はアッカド王朝の支配下に入るので、ここに果たして王朝が入るのかどうか今は微妙なカ
日本語記事が例によって何がどうなってるんだか判らんことになっていたので、読み解くのが面倒になって元になってるソースを探しにいってきた。 古代エジプトの新たな謎「去勢されたミイラ」が示す驚愕の事実 http://news.livedoor.com/article/detail/13723851/ 今回は、誤訳というよりも ロシア語→フランス語→英語(?)→日本語 と多段翻訳しつつ伝聞や推測を付け足していった結果、疑問譜がいっぱい湧いてくる内容になってしまったというもののようだ。 まずこの記事の中で「アロンマ寺院」と呼ばれているものの正体は Amon-re temple のことだった。つまり アメン=ラー神殿 である。アメン=ラー神は古代エジプト宗教の最高神(厳密には時代/都市ごとに神のポジションは変わるが)。 元記事見て「あー…」って理解したけど、せめてそのままローマ字読みしてくれ。何がどう
まずこの本を読む上で前提として知っておくこと。 ・現在のトルコはオスマン帝国が解体されて出来た国のうちの一つ。"アナトリア"は現在のトルコの中で大きな面積を占めている地域だが、帝国時代にはむしろ辺境だった。なお、現代の国家であるギリシャもシリアも、かつては「オスマン帝国」というひとつの国だった。 ・現在のトルコの領域内には、古代の帝国であるヒッタイトやアッシリア、ギリシャ文化の遺跡や、アルメニアのキリスト教徒の残した遺跡など異なる文化の遺跡・文化財が重層的に存在する。 ・現代でいう「トルコ人」という概念は、新しく「トルコ」という国が出来るにあたり創出された概念であり、それ以前に存在した「トルコ人」の概念とは異なる。トルコは単一国家の国ではなく、アジア系遊牧民テュルクも確かに入っているだろうがむしろ少数派。実際の人種についても、国土内に存在する遺跡と同じく、各時代ごとに様々な人が流入し混在し
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『現在位置を確認します。【移転後】』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く