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ブックレビュー
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相変わらず政局と関係のないことを書こうと思います。東京電力は昨日、福島第1原発事故を受けた社内事故調査委員会の最終報告書を公表しましたが、予想通り、新聞各紙の報道ぶりは厳しいものでした。見出しをざっと拾うと、以下のような感じです。 産経 東電 自己弁護に終始 朝日 東電、責任逃れに終始 毎日 責任逃れの姿勢露呈 読売 東電 自己弁護に終始 東京 東電 責任逃れ記述多く 見事に似たようなトーンの見出しが並びました。まあそれはそうでしょう。で、今回は、その上で私の関心事項である当時の首相官邸の対応についてどう書いてあるかに着目したいと思います。これまでの政府事故調、民間事故調、国会事故調の報告にはなく、ほとんど知られていなかっただろう興味深いものもありました。 例えばその点に関して一番詳しく書いた東京は、東電側に皮肉な視線を向けつつも、東電報告書の内容についてこう紹介しています。 《初期の対応
明日発売の週刊文春に、ジャーナリストの松田賢弥氏のスクープ記事「小沢一郎 妻からの『離縁状』」という記事が掲載されています。和子夫人が支援者に宛てた手紙を紹介する内容ですが、これはとても衝撃的でした。 東日本大震災発生後しばらく、音信が途絶え、メディアからは「行方不明」扱いされていた小沢氏については当時、同僚記者らと「世田谷・深沢の豪邸の地下には核シェルターがあって、そこに閉じこもっているんじゃないか」と冗談を言い合っていた記憶がありますが、この記事によると真相は……。 私自身がこの和子夫人の手紙について裏をとったわけではないので、ここでそのまま引用することは控えますが、ほんの触りの部分だけ紹介すると松田氏の記事にはこうあります。 《このような未曾有の大災害にあって本来、政治家が真っ先に立ち上がらなければならない筈ですが、実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げ出しました。岩手で長年お世話
さて、中国が堂々と内政干渉を働いて日本側にやめさせようとした世界ウイグル会議の代表大会をめぐってのできごとです。14日から始まったこの大会には、日本の国会議員5人が参加しましたが、その人たちに駐日中国大使さまから、厳しい「ゲンメイ」のお手紙が届きました。 チベットとウイグルをめぐり「後ろ向き」で「中日関係の妨げ」となる動きがあるとして釘を刺した上で、中国政府が作成したチベットとウイグルに関する資料を送付してきたとのことです。そこでせっかくなので、そのコピーを写真で紹介することにしました。 チベットに関する資料には、チベット亡命政府について次のように書いてあります。日本の国会議員はこれを読んで勉強して、そのまま鵜呑みにして素直に言うことを聞きなさい、というわけですね。 「組織的に、綱領を掲げて『チベット独立』の実現を目指し、中国の分裂を企む政治組織で、中国の憲法と法律に完全に違反しており、世
昨日の産経正論欄で、政府が現在進めている「女性宮家」創設に向けた皇室典範見直しの動きに関連して、日大の百地章教授が次のように書いているのを読み、「わが意を得たり」の思いがしました。 《女系推進派はいろいろ口実を設けて、これらの方々(※旧皇族)をあくまで排除しようとしている。しかし、一般民間人なら誰でも良いが、皇統に繋がる由緒正しき方々が皇族となられることは認めないなどといった主張がいかに異常か、なぜ気が付かないのだろうか。》 連合国軍総司令部(GHQ)が皇室弱体化の意図を持って戦後、11宮家を皇籍離脱させたのは明白です。これら旧皇族の方々の復帰については、天皇陛下のお考えもあろうし、旧皇族自身の事情もあるでしょうから、ここで結論めいたことを言うつもりはありませんが、私にはずっと不思議だったことがあります。 それは、小泉内閣の皇室典範有識者会議の議論もそうでしたが、現在の野田内閣でも、政府(
鳩山由紀夫元首相は昨夜、東京・渋谷で講演し、菅直人前首相についてあれこれ批判していました。どちらも五十歩百歩、というより目くそ鼻くその類だと思いますが、わが国の最高指導者経験者が何を思い、過去についてどう証言しているかを記録に残すことは意味があると考えるので、ここに掲載しておきます。 まあ、ルーピーのペテン師に関する発言など読むだけで目が汚れ、頭がどうにかなるという方は避けてください。 【マニフェストはだれがボロボロに】 私が(一昨年6月に)辞めたので、本当はこのマニフェストも頭(表紙)を菅さんに変えて、このままやってもらいたいと思ったが、菅さんは少なくとも鳩山の方向は踏襲せずということで全部切られてしまって、寂しい思いをしたが、ここでグチをいってもしょうがない。 天下り根絶、(ガソリン)暫定税率廃止……。マニフェストを国民に訴えて支持を得た以上、どこまでできてできなかったかを国民にきちん
本日、野田佳彦首相は初めての施政方針演説を行いました。野田首相は「行政改革に不退転の覚悟で臨む」と主張し、独立行政法人や特別会計、公務員制度などの改革に意欲を示しましたが、私が気になったのは「天下り」という言葉を一切使わなかったことです。 そういえば最近、政治家や官僚と話していても「天下り」云々という言葉を聞かなくなりました。一時はあれほど国政の中心課題のように毎日、目から耳から飛び込んできたものなのに、民主党政権が発足すると、だんだん天下り根絶を求める声はフェードアウトしていき、「官僚を最大限に使う」と主張する3代目の野田首相の登場とともに完全に忘れ去られてしまったかのようです。 あんなに国民の注目を集め、新聞は当然としてテレビニュースでも毎日のように取り上げられていたのに、隔日の感がありますね。最近はむしろ鳩山、菅両内閣が官僚を使いこなせず、それどころか敵視してかえって行き詰まったとい
さて、産経新聞は元日の紙面から、「ザ・リーダー」というベタなタイトルの連載を始めました。で、それに先立ちマクロミル社の協力を得て、インターネットを通じ国民の「リーダー観」をリサーチしたのですが、紙面で既報のように、その結果は実に納得すべきものでした。 歴史上の人物か同時代の人物かを問わず、「あなたがリーダーにしたくない人を1人挙げ、その理由を書いてください」という質問に、 一位、鳩山由紀夫元首相 二位、菅直人前首相 三位、民主党の小沢一郎元代表 と、民主党のトロイカ3人衆が選ばれたのでした。リサーチを依頼したこっちも、ここまで明確な結果が出るとは正直、想像もしていませんでした。また、戦後の日本の首相33人の名前を挙げて、「リーダーとして最も評価できない人を1人選んでください」という設問でも 一位、鳩山由紀夫氏 二位、菅直人氏 三位、宇野宗佑氏 という結果が出て、ハトカンのぶっちぎりの実力の
今朝の産経は2面で、「菅前首相 あきれた言動」「池田前経産副大臣 震災発生5日間の記録」という見出しの記事を掲載しています。これは、当時現地対策本部長だった池田元久氏が現場で自ら見聞きしたことを整理し、今月19日に「福島原子力発電所事故3月11日~15日/2011年 メモランダム=覚え書」という10枚のペーパーにまとめたものです。 池田氏は事故発生から数ヶ月間は取材を断ってきましたが、9カ月がたったのでそろそろありのままを伝えたいと考えたのだそうです。その内容は、本日の紙面でもそれなりに詳しく書いているのですが、よりそのときの雰囲気を正確に生々しく伝え、参考にしてもらうため、菅直人前首相が福島第1原発を視察した12日の部分を、そのままここに書き写してみようと思います(※は阿比留の注)。以下は池田氏の文です。 【3月12日(土)】 現地には、保安院の福島第1原発と第2原発の原子力保安検査官事
さて本日は、参院の「沖縄及び北方問題に関する特別委員会」が来年1月に予定している沖縄視察をめぐり、当初予定されていた自衛隊機による尖閣諸島の上空視察が、民主党の理事による強硬な反対で取りやめになりそうだという問題について書きます。 これは、同委員会に所属するみんなの党の江口克彦最高顧問が明かした怒りの告発です。江口氏によると、視察は1月17日から19日までの予定で、二日目に那覇から宮古島へと向かう際に、尖閣諸島の上空視察が組まれていたそうです。 ところが、同委員会の民主党理事である相原久美子氏(自治労議員)が先日、江口氏を訪ねてきて、「こういう視察日程にしたい」と新しい視察スケジュールを提示してきました。それには、当初あった尖閣諸島の上空視察が抜け落ちていたため、江口氏がなぜかと尋ねると、相原氏はこう言い放ったそうです。 「中国を刺激するからやめる!!」 これに激怒した江口氏でしたが、新日
自称・安全保障は素人大臣こと一川保夫防衛相が16日夜、民主党の高橋千秋参院議員の政治資金パーティーへの参加を優先し、ブータンのジグメ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王夫妻を歓迎する宮中晩餐会に欠席していたことが17日の参院予算委員会での自民党の宇都隆史氏の質問で取り上げられました。 一川氏は一応、「軽率だった。申し訳なく思い、反省している」と陳謝したわけですが、いかにも言葉だけですね。このパーティーでの一川氏の発言を、坂本一之記者がメモで送ってくれたので紹介します。 「実は今日は大事なブータンの国王が日本に来ておられて、それが今宮中で催し物があるんですけれども、他の大臣はみんなそちら行きましたけども、私はこちらの方が大事だと…(拍手)」 拍手をするパーティーの客たちもどうかと思いますが、国賓を招いての宮中晩餐会に国務大臣として正式に呼ばれているにもかかわらず、同僚のパーティーの方が優先だと
昨日の衆院予算委員会での山岡賢次国家公安委員長・消費者問題担当相の質疑を見ていて、この人は「もうアウトだろう」と感じました。もちろん、例のもう何年も前から指摘されてきた「マルチ疑惑」の件です。自民党はこの日、論理的に相手を追い詰めることでは天下一品の石破茂氏が前日の平沢勝栄氏に続いてこの問題を追及したのですが、山岡氏はしどろもどろで、かつマルチ業界をかばうような場面も見られ、ノックアウト寸前でした。 そこで、昨日の予算委のやりとりを後輩記者の力武崇樹記者がテープ起こししてくれたものを元に、少し補足を加えて再現しようと思います。ちなみに、竹内昭夫東大教授は昭和52年の物価問題に関する特別委員会で 「少なくとも、公正なマルチというものはあり得ないであろう。公正なマルチというのは、あたかも安全なペスト、無害なコレラというように概念矛盾ではないか」 また、平成18年には三重県伊賀市の社会協議会が会
さて、今回は韓国が不法占拠している島根県隠岐の島町竹島に関する問題と、政治家の言葉についてです。 ご存知の通り、民主党政権は岡田克也元外相も枝野幸男前官房長官も現在の藤村修官房長官もみんな、この「不法占拠」という言葉を使いません。韓国が竹島を不法占拠していることは事実であり、外務省のホームページもそう記している正式な政府見解であるにもかかわらず、韓国を刺激することを過剰に恐れていつも 「竹島は法的根拠のない形で支配されている」 という、言葉の置き換えで逃げています。この姑息な置き換えにどれほどの意味があるのかも疑問ですが、私はこれまで、とにかくそれが民主党政権のやり方なのだと理解していました。 ところが今朝、自民党の「領土に関する特命委員会」を取材(フルオープン)していたところ、稲田朋美衆院議員が興味深い発言をしていたのが引っかかりました。稲田氏は野田内閣のあり方についてこう証言したのです
本日は、いわゆる「記者ぶらさがり取材」について、思うところを記します。野田佳彦首相は、菅直人前首相のやり方を真似て、毎日の記者ぶらさがり取材を「受けない」としています。主に失言を避けるためとされ、ネットなどの反応をみると「マスゴミのぶらざかり取材など受ける必要はない」という肯定的な見方と、「記者ぶらぐらいさばけないで逃げてどうする」という否定的な見解の双方があるようです。 私自身は、国民がときの首相と政府の考え方を知る機会を確保する意味で記者ぶらさがり取材は継続した方がいいと考えています。ただ、ここで長年(計8年余)、官邸担当記者をやっていたものとして「本音」を語ろうと思います。 マスコミ各社がほぼ一致して継続を求めているこのぶらさがり取材ですが、正直なところ、われわれ記者にとってない方が楽で有り難い部分もあるのです。 例えば夜のぶらさがり取材は首相のキャラクターやそのときの政治状況、日程
民主党の前原誠司政調会長は11日、韓国政府が賠償請求権交渉を求める慰安婦問題について、平成19年に解散した「女性のためのアジア平和国民基金」(アジア女性基金)を参考にした新たな基金創設を構想していることを明らかにしました。ソウル市内で記者団の質問に答えたものです。 前原氏は「自民党政権の時もアジア女性基金が行われたことを考えた場合、何らかの人道的な仕組みを検討する余地があるのではないか」と述べました。また、同日の記者会見でも「韓国政府側は(かつてアジア女性基金に)否定的な考え方をしたが、それは以前の話であり李明博政権ではない」と語り、韓国側も正式賠償とは異なる基金形式を受け入れる可能性があるとの見通しを示しました。 さて、前原氏は、というべきなのか野田政権は、というべきなのか、どちらにしろ民主党政権は相変わらずナイーブで逆効果な譲歩外交を続けているようです。ソウルの日本大使館前に慰安婦の記
このたび、官邸キャップ業務から外れることになりました。1998年7月に社会部から政治部に異動して以降、出たり入ったりで官邸には延べ8年間以上勤務しましたが、今後はもうここに常駐することはないと思います。 ここでは、政権末期の橋本龍太郎氏に始まり、小渕恵三氏、森喜朗氏、小泉純一郎氏、安倍晋三氏と、2人飛んで(福田康夫政権と麻生太郎政権のときは官邸を担当しませんでした)、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、そして現在の野田佳彦氏とそのときどきの首相を間近でじっくり観察できました。 たまたま仕事の巡り合わせでそうなったとは言うものの、貴重な経験と見聞を積めたと思っています。たくさんの人との出会いがあり、あるいは別れもありました。人の世の諸行無常、栄枯盛衰を身にしみて実感できる場でもありました。 また、その結果は悲惨なものでしたが、政権交代の現場に立ち会えたことも、その内実をいやというほど、もう勘弁してくれと
さて、いよいよ野田内閣が発足したわけですが、その布陣を見ると、正直なところ「なんだかなあ……」という思いを禁じえません。単に地味であるとか、実務的でサプライズがないというだけではなく、「おいおい、大丈夫か」「これ、本気なの?」と突っ込みたくなる陣容でした。 野田佳彦首相は著書でも「自衛官の倅」を強調していたのに、安全保障のずぶの素人の一川保夫氏を防衛相に任命したセンスが理解できません。中国、ロシアなどが日本に繰り返し挑発行為を行っているこの時期に、同盟国である米国も情報共有をしたくなくなるような人物を置いてどうするのか。前任者の北沢俊美氏も、もともと安保に疎い人でしたし、民主党の安保観のお里が知れようというものです。 で、防衛相を素人に任せたのであれば、せめて外相は外交に詳しい人を……と普通は考えるものですが、ここで玄葉光一郎氏をあてるとは。玄葉氏は民主党の将来を背負うホープであるかもしれ
どうも夏バテ気味であります。国会もお盆で開店休業状況で、民主党も日本の首相を選ぶ重要な党代表戦を控えているとは思えないほど静かというか、閑散としていますし、アレも官邸に午後になって出てきたものの、特にやることがない状況のようなので、私も少しのんべんだらりとしています。 で、空き時間に書店に立ち寄って中央公論9月号を立ち読みしていたら、そこに御厨貴東大教授と牧原出東北大大学院教授の対談記事が載っていました。まあ、さして興味も覚えないまま字を目で追っていたところ、次のような箇所(54ページ)に引っかかりました。御厨氏がいけしゃあしゃあと語った言葉にカチンときたのです。 牧原氏 民主党のフラットな組織に、危険があるとしたらどこですか? 御厨氏 安全保障上の危機が発生したときには、今の民主党政権では対応不能でしょうね。尖閣や米軍基地の問題で頭をのぞかせたように、外国を巻き込んだ案件は、内向き学級会
えー、実は昨日の毎日新聞夕刊文化面のコラムで、私は名指しで批判されてしまいました。文芸評論家の加藤典洋氏の「疑問だらけの菅降ろし 反対派の『凸』が見えない」という記事でのことです。うーん、まあこういう批判というか受け止め方をする人もいるだろうな、これも一種のステレオタイプ的な反応だなと思ったのですが、この際だから少し感想と意見を述べておきます。 要約すると加藤氏は、アレの人品や政治手法の陋劣さをあげつらうのは「床屋談義」に過ぎず、アレの批判派はアレの主張する脱原発に対する対抗価値(凸)を明示せず、私の書いた産経コラム(6月4日付政論「居座り首相『誠意ゼロ』証明 死して屍拾う者なし」)は「ためにする議論」だという主張のようです。 さらに、批判派はアレに対して「表だって反対すれば、自らの価値イコール凸(原発推進)が明らかになる。すると国民の信を失う。そのため、『人心』、手続き等の問題をもちだし
本日はふと思い立ったので、悪夢の政権交代前にアレが偉そうに語ってきた言葉を紹介しようと思います。それを通じ、クマムシも真っ青の耐久力と、プラナリアも裸足で逃げ出す再生力を誇るクリーチャーであるアレの「現在」のあり方、本当の心境がより鮮明に浮かび上がるのではないかと考えたからです。(エントリの都合と、ブーメラン投げの名手といわれたアレの実態をわかりやすく紹介するため、便宜上、アレとの対話という形をとりたいと思います。) 私 あなたは3月11日の東日本大震災以降、ぶらさがり取材を拒否していますね。そういえば、福田康夫元首相も政権末期、ぶらさがりを拒否していました。 アレ まさにそれは福田総理の、普通なら「立つ鳥跡を濁さず」ということわざもあるが、責任放棄そのものの姿勢が象徴的に表れたのではないか。立つ鳥は「後は野となれ山となれ」という姿勢が、そうした行動にも表れているのではないか。(2008年
今度は、今朝のフジテレビの新報道2001で公表された7日に実施された世論調査の結果についてです。もともと世論調査自体、どこまで信用できるかというとあてにできないといわれますし、新報道2001の調査は対象が首都圏限定で、サンプル数も500と少ないので、精度が高いとは言えません。 でも、毎週地域限定で行っている定点観測調査は、特に首都圏の国会議員にとっては「かなり正しい」(閣僚の一人)と映るようで、多くの議員が参考にしているのも事実です。ともあれ、この調査がどこまで正確かはともかく、ある傾向を読み取る分には十分参考になるはずなので、政権の断末魔の様子がいかにうかがえるか記してみます。 まず、7日の調査では、アレの内閣支持率は16.4%と2割を割り込みました。実は、新報道2001の調査は、他の世論調査に比べて支持率が高めに出る傾向が続いていたので、これはけっこう画期的な数字です。 内閣支持率に関
歴史は自分を評価すると信じている例のアレは今、どのような心理状態にあるのでしょう。おそらく、支持率が低迷・下落し、与野党双方から批判され、一分一秒でも早く辞任すべきだと迫られている現状について、次のように考えているのではないでしょうか。 「こんなはずはない。普通なら、このオレの理想と政治手腕はもっと高くみんなに評価、称賛されるはずだ。それなのに、官僚どもはサボタージュを決め込んで動こうとしないし、自民党だけでなく公明党、民主党執行部までオレのことを悪く言う。これはきっと、電力複合体とでもいうべき裏の組織があって、脱原発を進めようとするオレをつぶしにかかっているんだ。負けてたまるか!」 実際、アレは5月の中部電力浜岡原発の停止要請を行って以降、さまざまな圧力が強まったと周囲に語っていますが、どうなんでしょうね。実際はそれ以前からいろいろな批判というか、忠言・諫言・助言も含めてさまざまな声は寄
口にするのも汚らわしい、見ただけで食欲が減退しやる気がなくなり、前向きに生きようという気力すら失われる例の「アレ」の件ですが、「アレ」は本日の衆院本会議で、自民、公明両党にも東電福島第1原発事故の責任があると強調した上で、こんなことを口走りました。 「すべての失政の責任を押し付けて責任を免れようとすることこそ、恥の文化に反する行動だ」 …ああ。「アレ」はまた考えなしに思いついた言葉をそのまま口に出し、すべてをぶち壊す行為に出ました。ここまで野党を強烈に批判すれば、いよいよ国会は進まない。世紀の恥知らずにここまで挑発されたら、もう歩み寄ることなんて考えられません。「アレ」は間違いなく、被災者のことなんか1ミリも頭の中にはないのでしょう。あるのは被害妄想と自己愛と原生動物にも似た生存本能だけなのだと思います。 あるいは、「アレ」の狂気と妄想の中では勝つ気でいる衆院解散・総選挙に向けて、対決姿勢
本日はもともと、目には見えないながらも日本社会に強く広く根を張り、さまざまな場面でその存在をはっきりと意識させられてきた「空気」について、であります。私は「KY」(空気を読めない)という言葉が大嫌いで、従って「空気」という言葉もあまり記事その他では使用したくないのですが、とはいっても「空気」としか言い表しようのないその場を支配する何かがあるのは事実で、抵抗を覚えつつも何度か使ってきました。 そして、特に東日本大震災の発生とそれに伴う原発事故以来、この「空気」が顕在化してきたというか、非常に物理的圧迫感を持って体感できる気がするのです。私はこれまでの記者生活を通じ、慰安婦問題、沖縄集団自決問題、在日外国人問題…などを取材・執筆する過程で、常にこの「空気」の問題を実感してきましたし、政権交代時にも、抗い難い、逆らってもムダな「空気」の圧倒的な大波を体験もしました。 そこで、山本七平氏の名著「『
今回はきょう閣議決定された政府答弁書について報告します。本日、政府は自民党の山谷えり子参院議員の質問主意書に対して、「『外務省発表集第10号』にある情報の内容等については、現時点では、その詳細について確認することができないため、お答えすることは困難である」という回答を決めました。 この外務省発表集第10号とは、「在日朝鮮人の渡来および引揚げに関する経緯、とくに戦時中の徴用労務者について」のことで、私が昨年3月11日のエントリ「昭和34年外務省発表『戦時徴用で来日し、残っているのは245人だけ』」(http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/1497665/)で紹介したもののことです。 詳しくは、上のエントリをぜひ参照していただきたいのですが、要は巷間、まことしやかに語られている在日朝鮮・韓国人は日本に強制連行された人たちの子孫であるいうストーリーを、真っ向から反駁
今朝の毎日新聞政治面に、とても興味深い囲み記事が載っていました。民主党国対の役員室に、「感動した。菅どうした」「百害あって一利なし」「宰相不幸社会」と書かれた「書」が貼られたという内容です。今回の浜田和幸参院議員の一本釣りをはじめとする菅直人首相の政治手法に、政権内部にもいかに不平不満が鬱屈しているかを示すエピソードですね。 自分の党の代表である現職首相を、ここまで悪し様に言わざるを得ない心中はいかばかりかとも思いますが、さっさと辞表をたたきつけろとも言いたくなります。 で、その菅首相は昨夜、自分のせいで国会が1週間以上も空転していることなどどこ吹く風と、首相官邸を4時間も離れて寿司屋→焼き肉店→イタ飯屋と3軒はしごし、いい気分になっていました。同席者によると、1軒目ではビールと焼酎を飲んでいたそうですが、店を見るとこのほかマッコリだとかワインだとかも飲んでいそうですね。いい気なものです。
さて、国民を愚弄し、嘘をついても恬として恥じない稀代のペテン師、菅直人首相についてであります。およそ形容し難いほど愚かなルーピー鳩山氏を手玉にとり、近々辞めるふりしてまんまと延命に利用し、同じ党の仲間も国民も裏切ったこの菅首相の立ち居振る舞いの卑しさは、もう正視に耐えないレベルに達しています。 ご本人が周囲に「俺は歴史に名前を残したいんだ」と漏らしている通り、その人間性の低劣さは、国民の記憶から消そうとしても消えないという前人未踏で孤高の(孤低の)極北まで到達しているのではないでしょうか。この卑怯・姑息・未練を絵に描いたような人モドキを支持している国民の気持ちが理解できません。したくもありません。 私はこれまで、この人のことを「無能」と呼んできましたが改めます。首相として無能であることは疑いをはさむ余地もありませんが、自己保身と延命にだけは長けている。その意味で、決して能力がないわけではな
「敵に回すと怖い」という人物がいますが、西岡武夫参院議長はその典型例ではないでしょうか。産経新聞のインタビュー、読売新聞への投稿と連日、菅直人首相に即時辞任を迫り、昨日の記者会見でも菅政権のこれまでを「全否定」してみせました。 三権の長にここまでいわれて平気で居座る菅首相もたいしたものですが、西岡氏の舌鋒も確信と鋭さに満ちています。昨日の記者会見でのやりとりを、原川貴郎記者がテープ起こししてくれているので、ここで紹介します。あれこれ付け加える必要がないほど面白い。深い共感を覚えます。 記者:参議院の長が総理の進退に言及するのは極めて異例だが、(読売への)寄稿の真意は 西岡氏:まあ、あそこに書いてある通りですね。 記者:この寄稿は参院議長西岡武夫として? 西岡氏:そうです 記者:政治家西岡武夫ではなくて参院議長? 西岡氏:よく、事柄は違いますけども、総理大臣がたとえば、靖国神社に参拝するとき
さて、菅直人首相は14日夜、東京・赤坂の日本料理屋でソフトバンクの孫正義社長と会食をしましたね。孫氏については、今回の東日本大震災に当たって私財100億円を寄付するという義挙を行った人なので、あれこれ言いたくないのですが、この会食の際に菅首相を元気づけるという愚挙に出ました。 同席していた福山哲郎官房副長官の説明によると、孫氏はこう語ったそうです。 「嵐のど真ん中で船長を代えると言われても困る。そんなことはありえない。とことん頑張ってください。」 震災発生以来、この一見良識のように見えて、実は的外れで根拠のない言説のなんと多いことか。朝日新聞や毎日新聞は一生懸命「今は総理を代えるべきときではない」とお題目を唱え、有害無益の菅首相を支えようとしていますが、それは国家国民に対する犯罪行為だとすら感じます。 西岡武夫参院議長は、孫氏とは逆にこう指摘しています。 「『急流で馬を乗り換えるな』という
昨日、民主党のある会合を取材し、その模様を「壁耳」(会合場所のドアの隙間などから漏れ聞こえる声を拾うこと)をしていた後輩記者によると、同党のある保守系議員が菅直人首相について「その心底にあるのは卑怯だ!」と強調していたそうです。見事に本質を喝破していますね。ぜひ菅首相ご本人にもそう言ってほしいものです。 ところで、われわれは紙面をつくる際、特に連載記事や企画記事などでは、登場人物のカギカッコを重視します。ある問題の当事者たちが思わず漏らす一言は生々しく、ときにこっちの予想をはるかに超えた独創性を持ち、心に響いてくるものだからです。こればっかりは、現場で一つひとつ丁寧に拾うしかなく、いいカギカッコを聞き出し、見つけ出してこれる記者が評価されます。 菅直人首相が21日に福島県郡山市を視察した際には、産経の福島支局の記者が実にしびれるカギカッコをとってきました。富岡町と川内村からの避難者の一人が
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