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ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 数土直志の「月刊アニメビジネス」 > 【数土直志の「月刊アニメビジネス」】「すずめの戸締まり」「ONE PIECE」大ヒットとアニメ映画興行の変化 2022年のアニメ映画が大変なことになっている。超大型ヒットが相次いでいるのだ。昨年末21年12月25日公開した「劇場版 呪術廻戦 0」が年をまたいで興行収入138億円の大ヒット、今年になって8月6日公開の「ONE PIECE FILM RED」がまた大きなヒットになった。11月20日の段階で興行収入が183.9億円と国内歴代9位となったのだが、現在も上映が続き記録更新中だ。 さらに11月11日に公開された新海誠監督の最新作「すずめの戸締まり」が公開10日間で41.5億円、最終的な100億円突破はほぼ間違いないとみられる。100億円の大台には届かなかったが、「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」も、9
高橋留美子氏の連載デビュー作を再アニメ化した「うる星やつら」が10月13日から放送中だ。主人公・諸星あたる役を神谷浩史、ラム役を上坂すみれが務め、アニメ化発表直後から大きな注目を集めていた本作だが、そういった反響をキャストはどう受け止めていたのか。 第1話の放送を間近に控えていた10月上旬、アフレコ真っただ中の神谷に話を聞くと、「最高に楽しい時間」「これが一生続いてほしい」というポジティブな思いにあふれていた。そして、1981年のテレビアニメ版であたるを演じ、令和版「うる星やつら」では“あたる父”を演じている古川登志夫との不思議な縁も教えてくれた。(取材・文・写真/編集部) ■厳戒態勢で進んだ再アニメ化「自分以外のキャストが誰なのかも知りませんでした」 ――間もなく放送開始となりますが、現在の心境はいかがですか。 「うる星やつら」をもう一度アニメ化しますという噂を聞き、オーディションに合格
テレビアニメ「チェンソーマン」が10月11日にスタートしました。 アニメ化発表直後から大きな反響を呼び、第1話が放送されるとTwitterのトレンド上位をほぼ独占。今期最注目タイトルのひとつといえる本作ですが、なぜこんなにも話題になっているのか? 本記事では、「チェンソーマンに期待せずにはいられない」理由を、原作・スタッフ・キャスト・音楽の4要素にわけてご紹介します。 ■そもそも原作漫画がすごい! 気鋭の漫画家・藤本タツキの話題作 原作者の藤本タツキさんは、1992年生まれの若手漫画家。2016年4月に連載デビュー作「ファイアパンチ」が「少年ジャンプ+」でスタートすると、衝撃的な設定などがネット上で反響を呼びました。 連載第2作となった「チェンソーマン」は、「週刊少年ジャンプ」19年1号~21年2号に第1部が連載され、22年7月からは「少年ジャンプ+」で第2部が連載中。「このマンガがすごい
一時期は興収10億円割れが続いた劇場版 2022年8月6日に全国公開した「ONE PIECE FILM RED」が快進撃を続けている。公開から38日目を迎えた9月13日には観客動員1000万人を突破。興行収入は149.4億円を超え、国内映画興行で史上13位という大記録となった(9月19日時点)。劇場への客足はいまだ衰えを見せず、さらに大きく記録を更新するのは確実だ。 シリーズ映画のこれまで最高は「ONE PIECE FILM Z」(2012)の68.7億円、ここからさらに軽く2倍以上の数字だ。 今回は「FILM RED」が、なぜこんな爆発的なヒットになっているのか紐解いてみたい。そして「FILM RED」の作品づくりの源をたどると、大ヒットは突然起きたのでなく過去10年間の劇場版シリーズの積み重ねにより準備されてきたことが見えてくる。そもそもの始まりは09年に公開の「ONE PIECE F
富野由悠季原作・脚本・総監督による劇場版「Gのレコンギスタ」(「Gレコ」と略)が完結した。2016年に放送されたテレビアニメ全26話を全5部作としてまとめ直したもので、「IV 激闘に叫ぶ愛」「V 死線を越えて」とクライマックスの最終2部は一挙公開である。 テレビ版ブルーレイソフト各巻の解説書に寄稿し、締めくくりの富野由悠季監督インタビューも担当したから一度終わっている気になって油断していた。ところが今回の連続公開で、「実は何にも分かっていなかった」と気づかされてしまった。題名の「レコンギスタ」の元になった「レコンキスタ」、つまり8世紀から800年にも及ぶイベリア半島再征服活動についても、調べてみたくなった。つまり「刺激を受けたら、自分で疑問を持ち、積極的に調べて考えてみることが肝要だ」と思わされたのである。これは富野監督が「子どもに向けた」と語った真意でもあろう。 もともとテレビ全話の脚本
(C)Go Nagai/Dynamic Planning (C)Dynamic Planning・TOEI ANIMATION イメージを拡大 1975~77年にメディアミックス展開された、永井豪氏原作の巨大ロボット漫画「UFOロボ グレンダイザー」の新コンテンツを2023年に公開する「プロジェクトG」の始動が発表された。企画の全容は明らかにされていないが、原作者である永井氏自ら製作総指揮を務めることが決定している。 原作「UFOロボ グレンダイザー」は、永井氏が手がけた「マジンガーZ」「グレートマジンガー」に続く「マジンガー」シリーズの第3弾。恐星大王ベガ率いるベガ星連合軍によって、故郷であるフリード星を滅ぼされた王子デューク・フリードは、地球へと逃げ延び宇門大介と名を変えて平和な日々を送っていた。そんなある日、ベガ星連合軍がついに地球へとその魔の手を伸ばす。デュークはフリード星の守護神
いま海外でもっとも注目されている日本のアニメ監督は、誰だろう? その筆頭に湯浅政明の名前が挙がるのでないだろうか。もちろん日本アニメの強さは才能豊かな監督が次々に現れるところにあるのだが、そのなかでも湯浅政明の立ち位置は少し違って見える。特にアニメーションの作り手に近い人たちのなかでの熱狂ぶりが際立つからだ。 そんな湯浅フィーバーの一端が、6月に訪れたフランスのアヌシー国際アニメーション映画祭(以下、アヌシー映画祭)で垣間見えた。今回はアヌシー映画祭で見た湯浅ブームの現状を伝え、その理由にも触れてみたい。 アヌシー映画祭は世界で最も歴史が長いアニメーション映画祭で、上映本数も最大だ。昨今その存在感はますます大きくなり、他の映画祭を引き離しつつある。もうひとつの特徴は1万3000人余りの登録参加者のほとんどが、世界各国のアニメーション制作・製作にかかわる人たちであることだ。映画祭で実施される
ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 前Qの「いいアニメを見に行こう」 > 【前Qの「いいアニメを見にいこう」】第43回 2回転ひねり、でもストレートな女子高生ガンアクション「リコリス・リコイル」 日本の暗部は女子高生が一手に担う。犯罪を引き起こしそうな存在を事前に闇組織が察知し、その指示に基づいて市中に潜んだ女子高生殺し屋たちが速やかに排除。かくして、市民は誰も知らないうちに、日本の治安は守られている……。 そんな現在放送中のオリジナルテレビアニメ「リコリス・リコイル」のヤバい世界観は、「美少女」という表象に何気ない日常の喜びから世界の危機まですべてを背負わせ、描き続けている日本のオタク系サブカルチャーのグロテスクな側面を戯画的に設定化したものだといえまいか。それでいて、フィルムそのものはオタク系サブカルチャーの快感原則をスタイリッシュに、丁寧に拾い上げており、深読みせずにただ
ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 阪口くんと釘宮さんのブックトラベラー > 釘宮理恵、森博嗣「S&M」シリーズの魅力を熱く語る!「阪口くんと釘宮さんのブックトラベラー」コラム第4回 声優の阪口大助さん、釘宮理恵さんをパーソナリティに迎え、ラジオ大阪、アニメハック公式YouTube、ニコニコチャンネルプラスで、毎週日曜深夜12時(24時)から放送&配信中のラジオ番組「阪口くんと釘宮さんのブックトラベラー」。番組内では、読書好きという共通の趣味をもつ2人が「本」をメインテーマに、さまざまな話題について語り合っており、月1回ペースでの生配信(次回放送は7月16日21時から )も行われている。 番組内で語り尽くせなかった“こぼれ話”を中心にお届けする本コラム第4回では、7月の課題図書「すべてがFになる」や、8月の課題図書「しずかな日々」の魅力について、2人に語ってもらった。 ――本日
アニメ化もされた久米田康治氏の漫画「さよなら絶望先生」に「原作通り」というネタがある。原作のある映画がつまらないと叩かれている監督が、「原作通りだから!」と言い訳しながら「原作通り」という名前の路地に逃げこむというものだ。センシティブなところを突いていく「絶望先生」らしいエピソードで、「原作通りから大きくはずれると大批判を浴びる事が多いのです!」という発言もでてくる。そうしたネタになるぐらい、原作物の映像化が原作にどれぐらい忠実であるかを作り手も受け手も気にするようになってきた。 劇場アニメやテレビアニメの分野で筆者が見てきた範囲で言うと、原作に忠実と言われるかどうかは尺の問題が大きいように思う。劇場アニメであれば2時間前後、テレビアニメであれば1話30分×1クールないし数クールという限られた時間で、原作のどこまでを描くのか。酷評される作品の多くはその配分に無理があって、原作のストーリーを
「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」(6月11日公開) (C) バード・スタジオ/集英社 (C) 「2022 ドラゴンボール超」製作委員会 イメージを拡大 好調続く大手アニメ会社の業績 この5月に上場企業各社の3月期末決算が発表された。2021年4月から22年3月までの1年間の業績をまとめたものである。このタイミングで直近のビジネス面での動向が明らかになるアニメ関係会社も多いが、新型コロナ禍での対応も進むなかで、各社のアニメ関連事業の業績はおおむね好調だ。 テレビ東京や東宝といった大手企業のアニメ事業部門は過去最高の売上げを更新しているし、ソニーグループ、バンダイナムコグループのアニメ事業部門も高い利益を維持している。 なかでも驚いたのは、東映アニメーションの業績だ。アニメーション専業の会社としては国内最大、「ドラゴンボール」や「ワンピース」、「プリキュア」などの人気作を長年制作し続ける
ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 明田川進の「音物語」 > 【明田川進の「音物語」】第61回 東映動画と虫プロの関係、大塚康生さんがジープで草野球にきた記憶 「鉄腕アトム」の放送がはじまった1963年に僕が虫プロに入社した話を以前しました(https://anime.eiga.com/news/column/aketagawa_oto/106621/ )。そんなこともあって、虫プロと東映動画の歴史には昔から興味があります。 虫プロは、手塚治虫さんが「西遊記」で東映動画に呼ばれたことをきっかけにつくられましたが、そのときに付き合いがあった人が多く参加しています。坂本勇作さん、紺野修司さん、ギッちゃん(杉井ギサブロー氏の愛称)、りんたろう監督、石井元明さん――昨年亡くなった山本暎一さんのようにおとぎプロでアニメーションをやっていて虫プロにきた方もいましたが、ほとんどが東映動画の人
アイヌ民族の知られざる祭祀を記録したドキュメンタリー「チロンヌプカムイ イオマンテ」の予告編が公開された(※タイトル「チロンヌプ」の「プ」は小文字が正式表記)。 1986年、屈斜路湖を望む美幌峠で、75年ぶりに「チロンヌプカムイ イオマンテ」が行われた。狩猟民族であるアイヌの教えでは、動物は自らの肉や毛皮を土産にして人間の国へやって来るとされる。彼らはキタキツネを我が子のように育てると、そのキタキツネに祈りを捧げて歌や踊りで喜ばせ、土産を背負わせて神の国へ送る「イオマンテ」を執り行う。祭祀を司るアイヌ長老・日川善次郎エカシは、祈りの言葉の一言一句に魂を込める。60年代から日本とアジアの民族文化を撮り続けてきた北村皆雄監督が、86年当時の映像に2Kレストアを施し、貴重な祭祀の様子をよみがえらせた。漫画「ゴールデンカムイ」のアイヌ語監修者・中川裕がアイヌ語の現代日本語訳を担当した。 予告編では
Disney+「スター」が導入した日本のアニメ アニメファンに作品を届けるメディアとして、動画配信の存在はますます大きくなっている。その最新の巨大プレイヤーがディズニーグループの「Disney+」だ。とりわけ昨年10月にスタートした6番目のブランド「スター」が台風の目だ。 “ディズニーだけじゃない”をコンセプトに「スター」は、アニメからも「僕のヒーローアカデミア」や「進撃の巨人」など幅広い作品をラインナップする。さらにスタート時には「ブラック★★ロックシューターDAWN FALL」「四畳半タイムマシンブルース」「サマータイムレンダ」の世界独占配信を発表した。 実は歴史が長いディズニーと日本アニメの関係 「ディズニーも日本アニメに進出か!」と、驚きがあるかもしれない。日本の深夜アニメは、しばしばファミリー向けのディズニーやピクサーのカウンターカルチャーと捉えられる。米国産作品に飽き足らない層
物語の主人公は徳子だった。 今作の主人公は、琵琶法師のびわだ。避けられぬ未来と、死者の霊という過去の両方をその瞳に映すことのできる、ある年齢から肉体の成長を知らない永遠の少女。たしかに彼女は今作の語り手であり、作品の始まりから終わりまで、すべてのできごとを目撃する存在だ。しかし、であるがゆえに、彼女は物語を生きることはない。目撃し、語るだけだ。 物語を生きる、すなわち、その身で平家の栄枯盛衰を味わうのは、徳子である。権力の絶頂にあった時期に平家の娘として生まれ、何不自由なく育つものの、代わりに政略結婚の道具として扱われる。望まぬ結婚ではあったものの、やがてはその相手を愛し、子をもうける。しかし愛した男は、徳子が疎ましい平家の生まれであるという、どうにもできない理由で、別の女に安らぎを求める。徳子はその不貞に対して、怒り、哀しみ、嫉妬を覚えながらも、静かに受け入れ、許し、そして愛した男が病で
去る年1月24日、元アニメック編集長として知られる小牧雅伸さんが急逝された。前ぶれのない第一報で、心底激しい衝撃を受けた。享年67歳、早すぎる。実を言うといまだ気持ちの整理はできていない。 アニメックと言えば「機動戦士ガンダム」の1979年本放送時に富野由悠季監督直撃インタビューや、型式番号RX-78など設定の裏づけを出版面で支えて初期の人気拡大に貢献した。その方針を決めた編集長であり、2019年にはKADOKAWAから「アニメック ガンダム40周年記念号」も出ている。それは井上伸一郎さんを筆頭に同編集部からの人材を輩出したからで、歴史的な流れは追って整理されるであろう。 自分にとってはいろんなことを教えていただいた先達であり、師匠的存在で恩人でもある。今回は心よりご冥福をお祈りしつつ、私的に故人を追悼してみたい。 まずWikipediaを開いてみたら、いきなり大間違いが書いてあって驚いた
ホーム > ニュース総合 > 磯光雄と吉田健一の宇宙の旅(後編) 井上俊之の戦車のような仕事ぶり、見た人の景色を変える磯監督 劇場上映版後編が2月11日から上映中、劇場公開限定版ブルーレイ&DVDが発売中で、Netflixにて全6話が配信中のオリジナルアニメ「地球外少年少女」。磯光雄(原作・監督・脚本)と吉田健一(キャラクターデザイン)のインタビュー後編では、磯監督が師とあおぐ井上俊之(メインアニメーター)の驚異的な仕事ぶり、早い時期から撮影こみで作画の仕事をしてきた磯監督が考える「blender作画」、作品をとおして吉田氏が感じた監督・アニメーターとしての磯光雄像を聞いた。 物語の核心にふれる本作の“謎”についても、今話せる範囲のことを答えてもらった。最後のパートは、作品を最後まで鑑賞したうえで読んでいただきたい。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部) ――本作は全6話・約3時間
磯光雄が「電脳コイル」(2007)から15年ぶりに発表する原作・脚本・監督作品「地球外少年少女」は、日本の民間宇宙ステーションを舞台に、地球から宇宙旅行にやってきた子どもたちと月生まれの少年たちが紡ぐ冒険物語。1月28日から前編「地球外からの使者」が2週間限定上映、劇場公開限定版ブルーレイ&DVDが2月11日に発売され、劇場上映と同日からNetflixで劇場上映版の前後編にあたる全6話が全世界同時配信される。 本作をつくる最初のきっかけが「明るくて面白い宇宙や未来をアニメの舞台として描きたい」だった磯監督と、「だったら宇宙に行ってみよう」と意気投合したのは、「エウレカセブン」シリーズや「ガンダム Gのレコンギスタ」で知られるキャラクターデザイナーの吉田健一。作品をとおして2人はどんな“宇宙の旅”をしたのだろうか。お互いへの信頼をベースにした忌憚のない意見がとびかい、終始笑いのたえない取材と
アニメビジネスの気になるニュースが年初から伝わってきた。TBSホールディングス(以下、TBS)の社長が新年挨拶でアニメ事業を3つの主要プロジェクトのひとつに挙げ、このなかでアニメ制作子会社Seven Arcsに25億円の人材・デジタル投資をすると発言したのだ。 Seven Arcsは最近では「ブルーピリオド」や「トニカクカワイイ」を制作する中堅のアニメ制作会社である。セブンアークスグループがTBSの完全子会社になったのは2017年12月、年間売上高は数億円だった。現在も番組制作は年数本ペースと規模はあまり変わりないから、年間売上高の数倍規模が投資されることになる。 昨今、テレビ局のアニメ事業進出がトレンドとなっている。アニメ事業部門の設立や拡張が相次ぐし、製作出資の強化も目立つ。映像視聴がテレビから配信に広がるなかで、生き残りを求めた多角化戦略の一環である。 このなかでアニメが注目されるの
待望の新作アニメ「地球外少年少女」が2022年1月28日からネット配信(全6話)、劇場公開(前後編)と同時にスタートする。磯光雄原作・監督・脚本による完全オリジナルアニメである。パッケージ販売も並走するため、氷川は全話を見たうえで、磯監督とキャラクターデザイン・作画監督を担当する吉田健一によるオーディオコメンタリーにおいて、進行役をつとめた。 その磯光雄監督の前作「電脳コイル」(07)は、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞、第29回日本SF大賞、第39回星雲賞メディア部門など数々の受賞歴があり、今作も大きな話題となるに違いない。「電脳コイル」はインターネット文化が大衆に開かれて子どもにとって「所与の環境」となった世界を描いて新鮮であった。 「地球外少年少女」も「カジュアル化した宇宙」を未来ある子どもの視点中心に描いていて、そこに共通性がある。AIの急速進化で宇宙開発、宇宙旅行が一
「映画大好きポンポさん」のアニメーション制作を担ったCLAPは、「この世界の片隅に」制作プロデューサーの松尾亮一郎氏が立ち上げた新進スタジオ。マッドハウス出身の松尾氏は在籍中に片渕須直監督とテレビシリーズ「BLACK LAGOON」、劇場アニメ「マイマイ新子と千年の魔法」なども手がけている。なお「ポンポさん」は、アニメ界のアカデミー賞と言われる第49回アニー賞の最優秀長編インディ映画賞にノミネート、第94回アカデミー賞長編アニメ映画部門にエントリーされている。 松尾氏が「この世界の片隅に」完成後に自身で新たなスタジオCLAPを立ち上げた経緯、制作プロデューサー視点で語る「ポンポさん」制作の舞台裏、CLAPの今後の展望についてじっくり話を聞いた。(取材・構成:五所光太郎/アニメハック編集部) ――「映画大好きポンポさん」の制作後記コラム(https://anime.eiga.com/news
いまだ沈静とはいかないが、2021年のアニメ業界ではコロナ禍を前提にした対応が進んでいる。先頃、日本動画協会が発表をした20年の世界の日本アニメ市場は11年ぶりにマイナスとなったが、21年はより明るい1年になったのでないだろうか。 しかし明るさを感じる分野や企業がある一方で、依然厳しい状況にあるところも多い。それは国内・海外のアニメ業界が“激動”の真っただ中にいるためだ。変化自体は10年代にはじまっているのだが、コロナ禍がそれを加速化した。激動が追い風だったか逆風なのかは、立たされた場所によって違ってみえる。様々な景況感の違いも、ここから生まれる。 そんな業界の状況を背景に、21年にアニメ業界に何があったのか、ベスト10形式でまとめてみた。1年の終わりに振り返ってみたい。 【2021年アニメビジネス10大ニュース】 1. 世界の日本アニメ市場11年ぶりにマイナス 2. 新型コロナ感染症の影
アニメ界のアカデミー賞と言われる第49回アニー賞のノミネートが発表され、細田守監督の「竜とそばかすの姫」、直木賞作家西加奈子原作、明石家さんまの企画兼プロデュースの「漁港の肉子ちゃん」、平尾隆之監督の「映画大好きポンポさん」の3作が最優秀長編インディ映画賞にノミネートされた。 最優秀長編インディ映画賞部門では、前述の日本作品に加え、夢枕獏作、谷口ジロー作画による漫画「神々の山嶺」を、「とてもいじわるなキツネと仲間たち」のパトリック・インバート監督が映像化した「The Summit of the Gods(英題)」(Netflix)もノミネート。選出された5作品中、4作品が日本に関連する作品となった。 最優秀長編映画賞部門は、「ミラベルと魔法だらけの家」「あの夏のルカ」「ラーヤと龍の王国」がノミネートされ、ディズニー作品が席巻。同賞の受賞作はアカデミー賞をそのまま制する確率が高いことで知られ
「フラ・フラダンス」は、福島県いわき市にあるスパリゾートハワイアンズのダンシングチーム(いわゆる“フラガール”)を題材にした作品だ。主人公は新人のフラガール、夏凪日羽(なつなぎ・ひわ)。彼女は、東日本大震災で亡くなったフラガールの姉の後を追うように、フラガールの道を選んだ。映画は彼女と彼女の同期である4人の個性的メンバーの、新人ならではの奮戦を描いていく。 映画には、免許をとったばかりの日羽の運転で、同期たちとドライブに出かけるシーンが出てくる。彼女たちにとってはなんてことない「休日の一コマ」だ。このシーンを見た時、自分が社会人1年生だったころの記憶が強烈に蘇ってきた。 僕も入社1年目に(男ばかりで)同期で連れ立ってドライブに出かけたことがあった。まだ学生気分という“タマゴの殻”がひっついたまま、それでも一人前の職業人になろうとしてウロウロしていた時期のこと。今になってわかるのは、学生時代
「電脳コイル」を手がけた磯光雄が、15年ぶりに原作・脚本・監督を務めるオリジナルアニメ「地球外少年少女」が2022年1月28日に前編、2月11日から後編の前後編で劇場上映されることが決まった。あわせて、特報映像も公開されている。 前編および後編は各2週間限定上映。全6話を3話ずつまとめた内容となり、上映初日からは、各映画館で劇場公開版ブルーレイとDVDが先行販売される。 「電脳コイル」の映像から始まる特報では、AIの発達により誰もが宇宙空間に行けるようになった2045年を舞台に、日本製の宇宙ステーション「あんしん」で出会う、月生まれの子供たちと地球から宇宙旅行へやってきた子どもたちの姿が声付きで描かれる。宇宙空間でのSNS動画配信画面や、コミカルな外観の宇宙ステーション、ステーション内を飛び回るドローンも登場し、「未来はセブンポエムで決まっている」という謎めいたセリフも飛び出す。キャストの
ホーム > ニュース総合 > 特集・コラム > 第34回東京国際映画祭(TIFF2021)公式アニメ特集 > 藤津亮太氏に聞く、東京国際映画祭「ジャパニーズ・アニメーション」部門の狙いと作品選択の経緯 10月30日からスタートする第34回東京国際映画祭のジャパニーズ・アニメーション部門では、アニメーター大塚康生さんの回顧特集、新作劇場アニメ「犬王」「グッバイ、ドン・グリーズ!」「フラ・フラダンス」の3作と今年公開された「漁港の肉子ちゃん」の上映、特撮「仮面ライダー」特集がラインナップされている。あわせて、特集・上映とリンクした3つのマスタークラス(シンポジウム)も開催される。昨年から続いてプログラミング・アドバイザーとして企画に携わったアニメ評論家の藤津亮太氏に、特集の狙いや作品選択の経緯を聞いた。 なお、10月22日には藤津氏がアニメ部門について話す模様が東京国際映画祭のYouTubeチ
「ルパン三世」のアニメ化50周年を記念した新作テレビアニメ「ルパン三世 PART6」が、10月9日から放送開始となる。アニメハックと映画.com(https://eiga.com/)によるキャスト5人のリレーインタビュー、第3弾は峰不二子役の沢城みゆきが登場! 2011年に不二子、五ェ門、銭形のキャスト3人が交代となり、シリーズ出演歴は今年で10年目。沢城が考える峰不二子像、役を引き継ぐというプレッシャーのなかで抱いた“不二子を演じる際のスローガン”とは。そして、その目に焼きつけたという、次元大介役の前キャスト・小林清志の現場での戦いを明かしてくれた。(取材・文・写真/編集部) ■リレーインタビュー第1弾:栗田貫一はこちら ■リレーインタビュー第2弾:浪川大輔はこちら ■リレーインタビュー第4弾:山寺宏一はこちら ■リレーインタビュー第5弾:大塚明夫はこちら 「認め合い、意見をぶつけ合うよ
瑞穂派です。というわけで、今回は「Sonny Boy」の話をするわけ。今期のテレビアニメはなかなか豊作だなと感じているんですが、とがり具合ではこれが頭ひとつ抜けているのではないでしょうか。 とある高校の1クラスがまるっと校舎ごと異次元に転移するという、楳図かずおの「漂流教室」を想起させる状況からスタートし(第1話の作中で、生徒間のグループチャットのルーム名としてタイトルが登場し、オマージュであることを明示しています)、転移とともに超能力に目覚めた生徒間での権力闘争劇へと状況が展開していくのかと思いきや、物語の背景となる舞台が毎話、(監督である夏目真悟の初監督作品である「スペース☆ダンディ」よろしく)目まぐるしく変化。登場人物たちが世界の秘密を捕まえようとしても、謎はするりと腕の中をすり抜けていきます。猫のように。 シリーズ中盤では、元の世界に帰還するという登場人物たちの目標が不可能であるこ
クリエイターやパートナー支援のための拠点とするが、その機能はあまり多く語られていない。そこで先頃オープンした「アニメ・クリエイターズ・ベース」を訪れて、Netflixアニメ チーフ・プロデューサー 櫻井大樹氏にお話を伺った。新拠点の様子と機能、そしてプロジェクトの目的を考えたい。 3つのエリアから構成される広大なスペース プロジェクトの規模を理解するには、まず「クリエイターズ・ベース」の大きさを知る必要がある。新オフィスの最初の感想は「でかい!」の一言。南青山の旧オフィスは中規模ビルワンフロアであったが大型ビル2フロアに広がって数倍の表現では控えめ過ぎぐらいだ。
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