酒は、日本酒を一番よく飲む。 やはり日本流の食事には、日本酒が合うのである。 酒はこの頃は、もっぱら「月桂冠上撰」酒パック と決めていて、もう迷うところなく、こればかり買う。 月桂冠は京都を代表する酒で、よく古い居酒屋などがこれを出したり、花見やお祭りなどになると、月桂冠の提灯が会場に並ぶのを見たりするから、なんとなく大衆的なイメージがあるけれども、どうしてどうして、いかにも京都らしい、はんなりとした味がする。 ただしぼくが月桂冠ばかり飲むのは、「これが一番うまい」と思っているからでもない。 紙パックは値段も手頃で、スーパーでも手に入り、家で飲むには「総合的に見てこれがいい」というのが理由である。 京都は酒所だから、他にもうまい酒はたくさんある。その中で、佐々木酒造「古都」 は、自分で買って時々飲む。 佐々木酒造は、俳優佐々木蔵之介の生家で、今は弟さんが跡を継いでいるらしい。「古都」は、川