全線開業に合わせて設置された青い森鉄道筒井駅。新駅は利用者の一時増加につながったが、効果は薄れており厳しい運営を強いられている=青森市 車両運行と鉄道施設の保有などを分けた「上下分離方式」は欧州の鉄道経営で主流となっている。国内でも増えつつあり、岐阜県の養老鉄道や、神戸市の地下を走る神戸高速鉄道、JR路線で初となる長崎線など各地のローカル線が生き残りを懸け、採用している。 岩手県境に近い青森県三戸町の目時駅から青森市の青森駅まで121.9キロを結ぶ青い森鉄道は「上下分離方式」を採用して開業してから20年以上が経過した。運行は青森県や沿線市町が出資する第三セクター「青い森鉄道」が担い、レールや駅舎など鉄道設備の保守管理を青森県が手がけるが、鉄路の維持に多額の公費負担がのしかかっている。 青い森鉄道は2002年に一部区間(目時―八戸間)で先行開業し、10年に全線で運転が始まった。元々はJR東北