母は猫を飼いだした。俺の一人暮らしをきっかけに。 そいつは人懐っこい性格なのか、たまの帰省でやってくる見知らぬ俺にも触らせてくれるいいやつだった。 猫を挟んだ母との会話も自然、その子の話が中心となり、母は楽しそうで。俺の代わりというよりはもはやかつての俺以上に猫中心で暮らしているんじゃないかと羨ましかったり、母を頼んだぞといった気持ちでいた。 そんな愛の独占者からはじめてプレゼントをもらったのは数年前のお盆だった。 まだ暑い季節。築50年は超えてると思うボロい実家。猫類から人類への贈り物はGだった。Gの死体だった。 フィクションだけの話だと思っていたが、まさか本当にGを咥える猫がいるとは! 俺はGが大嫌いで、ボロ屋で毎年Gが出ても一目散に逃げて母に退治を依頼する軟弱ボーイだった。視界から外れることの方が恐いがそれでも目視も耐え難いので丸投げ一択。依頼して外出だ。一人暮らしをするときも何が一