情報漏えいは県警不祥事隠蔽への反乱だったのか 「警察官として信じる道を突き通した」と動機を語る前生活安全部長 正義感か後付けか、現場に広がる共感と懐疑 鹿児島県警の不祥事隠蔽(いんぺい)を訴えたかった-。国家公務員法(守秘義務)違反疑いで逮捕、送検された県警の前生活安全部長で無職の男(60)は、5日の勾留理由開示手続きで「多くの人に迷惑をかけたが、警察官として信じる道を突き通した」と意見陳述した。終始伏し目がちに、事前に用意した書面を淡々と読み上げた。 上下黒色スーツにノーネクタイ姿で現れた容疑者。背筋を丸め、少し前かがみになりながら小さな歩幅で入廷した。着席すると床のどこか一点を見つめた。裁判官から証言台に移動するよう促されても反応は鈍く、動き出すまで数秒の間があった。つい先日まで県警幹部を務めていた機敏さは感じられなかった。 「野川明輝本部長が不祥事を隠蔽しようとする姿にがく然とした」