この本のもう一つの特徴は、女性について多く書かれているところだろう。 筆者は、米国人の女性で、調査先の女性たちの噂話に加わることが出来たために、こういう結果になったのだろう。 この本の中には使われていないが、「重男軽女」(男を重んじ、女を軽くする)という言葉がある。 リン家のあった1960年代の台北近くの村では、どうやら当たり前のことだったらしい。 女の子が生まれると、どうせ後で結婚して外に出てしまうというので、うとまれる。 それで、すぐ養子に出してしまう。 反対に、男の子がいると、将来の結婚のために、女の子を養子にもらってくる。 女の子の養子は、半分下女の役割で、大きくなって息子と結婚してからようやく認められる。 あちこちの家族で、女の子が出入りしている(養女に出したり、養女に取ったりで)。 もう一つよく出てくる女性は、「売春婦」だ。 リン家は、村では名家だったようだが、その中にも「売春