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増田文学に関するsuekuniのブックマーク (10)

  • モスのエビカツ

    数年前、世界的なエビ不漁だかなんだかでモスバーガーからはエビカツバーガーというメニューが消え、そして復活した。 当時高校生だった私は、それまでも何度か二人で学校帰りモスに寄ることがあった先輩に「エビカツが復活したんですよ!絶対べに行かなきゃ!一緒に行きましょう!」と鼻息荒く詰め寄り、了承をもぎ取った、が、その約束が果たされることはなかった。 先輩と私の友達が付き合っているという事実を知った私が一気に距離を置いたためである。 先輩たちはその交際を周囲に秘密にしていたため「彼女に悪いから」などという理由で私の誘いをかわすことができなかった、ということまでは想像がつくものの、だったらたかがモスとはいえ彼女持ちが他の女とサシで飯なんか行くなや!というか付き合ってんならそうと言わんかい!私が道化やないか!!という気持ちでいっぱいになった私は世の理不尽をかこち、涙を流し、エビカツを貪りった。 今日

    モスのエビカツ
  • 教師との恋愛という罪の告白

    先生と出会ったのは、わたしが中学生の時です。彼は大学院を卒業後、国語の非常勤講師として赴任してきました。わたしと1周りほど年が離れていて、身長は10cm程度高く、かわいい顔立ちをした、少し年齢不詳気味の人でした。 当時のわたしは、授業中は寝ているか、教科書の隅に落書きをしていて、学年下位をふらふらと彷徨っている、やる気のない生徒でした。そんなわたしに「やればできるから」と声をかけ、必死に授業に参加させようとする先生は、いかにも「教師になりたて」で。その熱い眼差しで見られる度に、わたしは居心地の悪い思いをしていました。どれだけ無視をしても「おはよう」と笑顔で手を振る先生、「わからないことがあればいつでも聞いてね」と教室を去る間際、席までわざわざ歩いてきて声をかけてくる先生。わたしは、彼の笑顔がどうしても嘘くさく見えて、大嫌いでした。 気持ちが変わったのは、制服のシャツが半袖に変わり始めた頃で

    教師との恋愛という罪の告白
  • おやつ箱を漁る上司は殺せない

    多くの職場にはおやつを入れておく箱があると思う。 まれに取引先からもらった高い菓子が入っていることもあるが 多くはコンビニもしくはスーパーで買える袋菓子、 歌舞伎揚げ、アルフォート、ルマンドなどがつっこまれている。 私は、あの箱を漁るおっさんが大好きである。 殺したいほど憎い上司でさえ おやつを漁るおっさんの背中は、最高に色っぽい。 あれだけ厳密にタイムマネジメントして 朝四時起きして出社する部長が、 彼が勝ち取ってきた椅子を離れ、取りにくるのだ。一袋298円の菓子を。 なんて無防備な背中。 高いところまで昇りつめてきた男の疲労と孤独と弱さ。 それを見ると、この男も私と同じ人間で、 私と同じように菓子をべて育ち、 そしてうまくいけば私より先に死ぬんだなあと思える。 そう考えるとすっとして、 他に開封されている菓子がいろいろあるのに 未開封の菓子をワイルドに開けていくデリカシーの無さも含め

    おやつ箱を漁る上司は殺せない
  • ゴリラとドライブ

    ゴリラとドライブしたら楽しいだろうな。 行くなら海岸沿いの景色の綺麗な道がいいだろうな。 海なんかほとんど見たことないからウホウホ無邪気に喜ぶんだろうな。 で、一緒にバナナなんかべたりして。 いつもより美味しいねなんて言ったりして。 だけど、そのあとバナナの皮をポイポイと投げ捨てたのはいけなかった。 びっくりしたんだろうね。後ろの車が「車からバナナを投げてるゴリラがいます」って警察に通報しちゃって。 警察もびっくりしたのか、たくさんのパトカーでやってきて俺たちを取り囲んで、「手を上げて今すぐ車から出てきなさい」って。銃まで取り出して言うんだ。 仕方がないから車から降りるんだけど、警察は俺に向かって「危ないからそこから離れなさい」って言うんだ。きっとゴリラを撃つつもりなんだろう。 だから俺は、「ここでおとなしく撃たれるよりは、いっそ逃げよう」ってゴリラに言ったんだ。 そしたらゴリラは俺を片

    ゴリラとドライブ
  • 綾香とつきあっていたのはいつのことか、と思い返してみると、もう20年も前..

    綾香とつきあっていたのはいつのことか、と思い返してみると、もう20年も前だった。普通の奴なら大学を出て就職し、結婚して子供が生まれ、何なら出世街道を歩み始めていてもおかしくない時間が経っていることに愕然とする。俺はと言えば、綾香と別れた時点、つまり大学を中退した時点からこっち、何も変わっていないのだ。 綾香は高飛車な女だった。無理やり参加させられたインカレサークルの新歓コンパで、女王様のように君臨していたのが綾香だった。細い眉毛にシャギーの入った茶髪。ミニスカートにブーツ。田舎から出てきた俺には、テレビの中のタレントがそのまま飛び出したかのように思えた。とても手が届かない女性だと遠巻きに見ていたが、何が気に入ったのか、綾香は俺をからかうようになった。慶應のボンボンとつきあっていたんだか広告代理店のおっさんと不倫していたんだか知らないが、こっちが一生懸命に選んだ店やプレゼントをけらけら笑いな

    綾香とつきあっていたのはいつのことか、と思い返してみると、もう20年も前..
  • エビフライ

    この前まで嫁と口を聞かない仲になっていた。浮気不倫ではなかったが、原因はいろいろあった。喧嘩も多かった。 嫁は夕を作ってくれなくなった。それから、嫁は嫁の夕を作り、俺は俺の夕を作っていた。そしてべる時間も全然違う。寝る時間も違う。一緒に住んでいながら別居している状態だった。 最初はとても腹が立ったが、時間が経てば人間は順応していくのか、自分で自分の分だけ料理を作ることに何の疑問も持ってなかった。調理棚も、明確に俺のスペースと嫁のスペースが分かれ、お互いのスペースに侵した調味料や器具はお互い何も言うこと無く捨てていた。 俺は俺で料理趣味になりつつあった。だが昔、結婚してすぐは料理なんか作らなかった、というか作れなかった。少なくとも嫁みたいにレパートリーに富んで、手早く美味しい料理をつくることは夢のまた夢だった。だが自分のために料理をするとなって自分の料理の腕に辟易し、レシピ

    エビフライ
  • 五人衆謀反次第

    「我ら五人衆、この通りお館様にご忠誠をお誓い申し奉りまする」 武勇で名高い五人衆は、揃って喜多川右府に対し、地面に這いつくばるように平伏した。 しかし、その言葉に反して、五人衆の筆頭である中居弾正は、怒りと絶望に覆われていた。 (彼奴の裏切りさえ無ければ・・・) 中居は、まるでその怒りを抑えこむように、いつしか自分の手をつねっていた。 事の発端は、半年ほど前のことである。 彼ら五人衆を見出し、股肱の臣として、ここまで育て上げた飯島摂津守が、突如、その主君、喜多川右府に反旗を翻したのだ。 原因は、主君による飯島摂津守への嫌がらせである。家中の諸将たちが見守る中、何を思ったか喜多川右府は、刀に刺したを飯島摂津守に突き出すと、「え!」と屈辱的な命令を発したのだった。 もし、これを断れば謀反者として一族郎党滅せられる・・・飯島摂津守は、武功を立てお家を支えてきたという自らのプライドをぐっと飲み

    五人衆謀反次第
  • 母さん、私デートします。

    母さん、 私デートに行きます。 行っちゃいます、初デートです。 齢二十四にして、記念すべき 初の、デートです。 母さん、 あなたは二十四年ものあいだ、 私には、ひとっことも、 そろそろ彼氏のひとりくらい、 とか サークルにかっこいい男子いないの、 とか 口にしませんでしたよね。 その代わり、 あんた、 子どもだけは作りなさいよ、 と。 旦那は必要ないから 子どもだけは作りなさいよ、 と 何度も言いましたね。 子どもにシングルマザーになるよう勧める親が 一体どこにいるんだ、 と頭を抱えた私が、 今度、 デートに行きます。 母さん、 あなたの娘はKIRINです。 つまり彼氏いない歴=年齢です。 中学も、 高校も、 大学も、 彼氏がいないどころか、 男友達もろくにいない、 パッサパサの、 パッサパサのサバンナで、 青春時代を過ごしたキリンの私ですが、 そろそろ、 そろそろ慎ましいオアシスに、 た

    母さん、私デートします。
  • 「寒い」という理由でやりまくっていた

    高校生の頃の話。 推薦入学を早々に決め、受験をしなくなって良くなった私。 もう一人、クラスのAという男子も推薦入学を決め、二人ともが暇になった。 そのうち、いざセンター試験!という学年全体の雰囲気に居心地が悪くなり、 それまであまり話さなかったAと、同類意識というのか、急速に距離が縮まっていった。 Aとは漫画映画趣味が妙に合っていた。 「エヴァのDVDうちで観ない?」とか、「最終兵器彼女買ったけど読む?」とか言われ、 Aが私の好みど真ん中の作品を沢山持っていたので、それを口実にAの家に遊びに行った。 今思えばそれは家に呼ぶための口実で、貸して貰うだけで十分事足りたのだけど。 三回目、家に行ったとき、漫画を読んでいるとAから急に後ろから「寒いね」と言って抱き寄せられた。 あーさみぃ。あったまりてぇ。と言ってAはくっついてきた。見え見えの誘いはなんだかおかしかった。 特に付き合っていなかっ

    「寒い」という理由でやりまくっていた
  • スーパーのレジ打ち女子高生のEOL

    たとえば君が上司に怒鳴られ営業になじられ同期にさげすまれ残業して組んだコードすら思い通りに動かず打ちひしがれて家路につくとする。この時間の東横線は相変わらず酒臭い。やっとの思いで最寄の駅につき重い足を引きずってエスカレーターを上る。駅ナカの東急ストアは24時まで営業していて、カゴを手にした君はいつものルートをたどる。野菜売り場、海鮮類、乳製品売り場をやりすごし足をとめる。惣菜売り場。割引ラベルが何枚も重ねられそれでも売れ残っているふにゃふにゃの餃子やどぎつい色のエビチリが目につく。適当に選んだ惣菜を2個、ポテチ、麦とホップをカゴに入れた君はレジに向かいスマホから顔をあげてビックリする。 まるで天使だった。化粧っけもなく、素朴な感じにも関わらず明らかに美少女の部類。どう見ても女子高生。でもこんな時間にレジ打ちしているなんて家庭の事情か何かだろうか?名札の下の丸いバッジには『研修中』の文字。値

    スーパーのレジ打ち女子高生のEOL
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