本特集では様々な商品の値付けの妙に迫ってきたが、世の中には価格設定の根拠が一般人からは分かりにくいものがある。その1つが山林の価格だろう。 そこで、山林売買を専門とする「山林バンク」の代表、辰己昌樹氏に山林売買の相場や購入者たちの実態について聞いた。 まず、気になるのはどんな人たちが山林を買うのかだ。辰己氏によるとメーンは杉、ヒノキの植林や伐採を目的とした林業を営む業者だ。「新たに林業へ新規参入するために異業種の企業などが購入するケースも増えている」という。そのほかでは、アウトドアを楽しむためや医療施設を作るといった目的で購入するケースもある。また、「田舎暮らしを目的として、都会に住む人が購入する場合も増えている」(同氏)。 価格はピークの10分の1 肝心の山林の価格だが、取引事例が少なくケース・バイ・ケースにならざるを得ない。それでもあえて目安を示すなら「1ha(約3000坪)で30万円