サッカーのイングランド代表が06年W杯予選で北アイルランドとの英国対決のため、18年ぶりにベルファストに乗り込んだ。一見、北アイルランド和平に進展が見える街だが、宗教による分断は厳然と残っていた。 7日、試合前の国歌斉唱。アウエーの国の時はブーイングが起きるのが常だが、「ゴッド・セーブ・ザ・クイーン」が流れるとスタジアム全体が大合唱。同胞対決なのが改めて実感できた。 英国からの分離、アイルランドへの併合を求めるカトリック系の過激派組織アイルランド共和軍(IRA)のテロが活発だった70〜80年代は、イングランドの試合は厳戒態勢が敷かれた。しかし、98年の和平合意を経て、この7月にIRAが武装闘争の終結を宣言。今回、スタジアム周辺に物々しさはなかった。 ただ、政治レベルで和解への道を歩み始めても、双方で3000人以上の犠牲者をだした憎しみは消えない。車で街を走ると、カトリックとプロテスタント地