「自分で会社登記を試したのですが、何だか複雑で分からなくなってしまって…」 中国進出を目指していた日本の中堅大手企業の中国担当の役員の弁である。彼は、日本企業の中国担当役員としてもう15年も中国大陸で仕事をしてきた、いわば中国通。そんな彼でも、中国で会社登記をする際の複雑さに困難を極めるという。 「中国人名義を借りて内資企業(中国資本の企業)として登記してはどうでしょう」 中国人パートナーに相談すると、よく勧められるやり方だ。中国人パートナーは、自分で中国企業を登記したことはあっても、外国企業の登記に関してはほとんどの場合、経験がない。だから、よく知っているやり方がそのまま利用できる、内資企業の登記を勧めるわけである。結局は、そのアドバイスに従い、「では内資企業でお願いします」と中国人パートナーに全てを委ねてしまったのである。 スムーズに企業設立が進み、ビジネスも順調に進んでいった。これま
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