過剰診断の語について、2021年の『日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌』において、その用法を問う特別寄稿が病理方面の専門家から出された事が以前話題になりました。 www.jstage.jst.go.jp その寄稿で提言されたのは、次のような内容です(私が以前書いた後述の記事より採録)。 病理医は過剰診断を誤診の意味で用いてきた その定義にしたがい、病理診断コンセンサス会議のメンバーは、過剰診断と過剰治療の症例は無かったと報告した 福島における検診を過剰診断と指摘する主張がある その主張は疫学的な意味における過剰診断を強調するものである 病理医の立場から、これを過剰診断と呼ぶのは不適切であり、過剰検査と呼ぶべきである つまり、病理医が以前よりおこなってきた、過剰診断は誤診の意味として用いるのを踏襲し、いま疫学方面で用いているような概念については、過剰診断では無く過剰検査等の語を充てるべきだ、とい