ロシアで初めて開催された「雪と氷の祭典」はさまざまな懸念や障害を乗り越えて閉幕を迎えた。締めくくるのは冬季五輪で恒例のアイスホッケー男子決勝。カナダとスウェーデンの対決は見応えがあっても、かつて覇権を争った米国とロシアの姿はない。ロシアは地元でもあるが、これも世界情勢の変化を象徴しているのだろうか。 ロシアでの五輪といえば、ソ連時代の1980年のモスクワ五輪を思い出す。ソ連のアフガニスタン軍事侵攻に反発して当時の西側諸国の米国と日本、西ドイツ、韓国などがボイコットした。選手の強い意向で政府のボイコット指示に反して出場した英国とは対照的に、日本スポーツ界は大きな打撃を受けた。 英国は当時の信念もそのままに2012年のロンドン五輪を成功させる。20年に東京五輪が決まった日本はかつての苦い経験をどう乗り越えていくのか。ロシアでの五輪はこれまでになく注目されたと思う。