【目的】 靴踵部の補強であるヒールカウンター(HC)が,前後方向の立位バランス制御に与える影響を検討する こと。 【方法】 健常若年者27名を対象とした。HCなし,またはHCを入れた上靴を履いた条件間で,直立肢位に対しつま先側あるいは踵側へ最大に重心移動した際の足圧中心(COP)の前後方向の移動距離を上靴のサイズで正 規化し比較した。 【結果】 前方へのCOP移動距離は,HCなし条件が26.10±0.91%(平均±標準偏差),HCあり条件が23.9±0.94% であった。後方へのCOP移動距離は,HCなし条件が15.88±1.36%,HCあり条件が17.34±1.38%であった。 バランス制御方向とHCの有無との交互作用を認め,後方へのCOP移動距離はHCあり条件がHCなし条件よりも長い傾向を認めた(p=0.062)。 【考察】 HCあり条件における後方へのCOP移動距離の増大は,HCが壁