元TBSの女性アナウンサーが練炭自殺で亡くなったことは私たちの記憶に新しい。本年6月に警視庁が発表した統計資料によると、平成10年以降自殺者の数は毎年3万人を上回っているそうだ。周囲を見渡すと心療内科へ通っている友人、知人が増えているようでもある。 私たちはたしかに「生きづらい時代」を生きている。そうした危機感は、さまざまな癒しグッズをもてはやし、「スピリチャル」といわれる、いわゆる内面の豊かさを求める風潮を生んだ。そしてそれと呼応するようにマスコミなどで脚光を浴びているのが「癒しの島としての沖縄」である。一部では精神疾患を沖縄で治そうという動きもあるようだが、果たしてそのような時代的要求に対し「ナマの沖縄」は応えうるのであろうか。いや、そもそも「沖縄」はそれに応える必要があるのだろうか。 一説によれば、年間25000人もの人が沖縄に移住してくるとも言われている。しかし、そのうちの2000