本記事は Wantedly 21新卒 Advent Calendar の17日目の記事です。本記事では、いくつかの言語の型システムに実装されている様々な機能を紹介するとともに、それが型推論の実現性に与える影響について述べます。 最近静的型付き言語が盛り上がりを見せ、動的型付き言語の筆頭格だった Ruby もバージョン 3.0 で型解析ツールを導入するまでに至った一因には、きっと型推論の有用性が知られるようになったことが挙げられることでしょう。C言語で、関数ポインタを含んだ複雑なプロトタイプ宣言を書いている時ほどストレスを感じる時間はないし、かと言って Ruby on Rails で書かれたバックエンドを弄っている時に、型チェッカがあれば自明に発見できたであろうエラーでインシデントを起こすほど悲しいことはありません。プログラマが型を書かなくても静的な型チェックの恩恵を受けられる型推論の、何と
この記事は言語実装 Advent Calendar 2020 の5日目の記事です. 一度でも型推論器を書いたことがあれば,そのあまりの邪悪さ,あるいはその複雑さに恐れ慄いたことでしょう. 参照を用いて単一化を実現しようものなら構文木は参照に汚染され,純粋関数型に実装しようものなら大量の型代入をどのような順序で適用したものか悩まされる. これは Hindley-Milner 型推論器を実装する上での宿命のようなものです. 本記事では,MLのサブセット——型付きλ計算をletと参照で拡張した,let多相をサポートする言語——の型推論器を Coq で実装し,その正当性を証明します. Coq で検証を行うことで我々は型推論器のバグへの恐怖とデバッグの労力から真に解放され,枕を高くして眠ることができることでしょう. もっとも、型付きλ計算を let 多相で拡張した言語の型推論器の正当性は実はすでに証
SecHack365 2019 Advent Calendar 14日目の記事です(大遅刻). what is this きっかけ 実装したもの 型と型推論について 型? 型付け規則はこわくない 型環境 型付け規則を読む 整数 変数 ラムダ抽象 関数適用 let式 let rec式 型推論? Hindley-Milner Type System Hindley-Milner型推論 型の連立方程式 多相性 実装 感想 参照したリンクとか what is this 型理論とか全く知らない人がHindley-Milner型推論器(+ REPL)をCで実装したお話. 記事に誤謬などを発見したらコメントとかDM,リプライください(@cmpl_error). きっかけ 今年の4月からHindley-Milner型推論という型推論アルゴリズムがあるのはなんとなく知っていて,実装してみたいなーという気持ち
ML系言語は型推論が得意なので基本的には型を書かなくてもコードを書けますが、状況によっては型注釈が必要になります。代表的なML系言語3つ(SML, OCaml, Haskell)について、それぞれ型注釈が必要になる(型注釈がないとコンパイルが通らない)ケースを挙げてみます。 なお、ここでは型システムのみに注目し、評価戦略はどうでもいいので、Haskellも「ML系言語」に含めています。 また、MLのモジュール/ファンクター周りは扱いません。コア言語のみを対象にします。 SML SMLで型注釈をなくすとコンパイルが通らなくなるのは、例えば以下の例です: 組み込み演算子やリテラルのアドホックなオーバーロード レコードを受け取る関数 リテラルの例: val x: IntInf.int = 12345678901234567890123; (* 型注釈を剥ぐとダメ: val x = 1234567
(I've been editing this post on and off for almost a year. I'm not really happy with it, but I suspect I never will be.) Several months ago I gave a talk at work about Hindley-Milner type inference. When I agreed to give the talk I didn't know much about the subject, so I learned about it. And now I'm writing about it, based on the contents of my talk but more fleshed out and hopefully better expl
TypeScriptはJavaScriptに静的型を追加した言語で、コンパイルエラーを検出することでJavaScript開発をさらに快適・効率的にしてくれるものです。 型システムを備えている言語は、多かれ少なかれ何らかの形で型推論を備えています。大ざっぱに言えば、これは型を明示的に書かなくてもコンパイラがいい感じに型を推測して理解してくれる機能です。型推論は静的型付き言語における花型機能のひとつと言ってもよく、色々な言語がそれぞれの特色を持っています。 この記事ではTypeScriptにおける型推論について詳説します。この記事に書いてあることは、TypeScriptを普段から書いている方ならなんとなく理解している内容が多いと思います。しかし、これらの内容がちゃんと言語化されている記事がいまいち見当たらなかったので今回記事を書くことにしました。 ※ この記事の内容は執筆時点の最新版のType
Note that partial application of type constructors have limitations. For example, the kind of [Either Int] is nonsensical, and Haskell gives the following error: Expecting one more argument to ‘Either Int’. Expected a type, but ‘Either Int’ has kind ‘* -> *’. The kind of the type constructors that we write are determined by the number of type variables on the left side of the type declaration. For
追記: この記事を書いてから早2年弱。今は数式のほうがわかりやすいなあと思うようになりました。 これは何? この記事は、最近 Hindley Milner (Algorithm W) 型推論を理解したばかりの私が、型推論のことをなるべくわかりやすく解説するものです。 簡略化したOCamlのようなコードが登場します。 わかりやすさ重視で書いていくつもりなので、専門用語(自由変数とか)はあまり出てきません。 間違いなどあったらコメントしていただけると幸いです。 まずは単相から ここからは図を使って説明していきます。(ビジュアルなほうがわかりやすいハズ) とても簡単な例 以下にとても簡単なコードを示します。 見ればわかりますが、xの型はintですね。 ですが、どのようにしてintだとわかったのでしょうか。 すでにわかっていることを書き出しだしてみました。リテラルの右肩を見てください。 1の型は当
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く