新型コロナウイルスに感染した嗅覚上皮細胞のエンドソーム内にあるウイルス粒子(金色)の透過型電子顕微鏡写真(着色)。(MICROGRAPH BY NATIONAL INSTITUTE OF ALLERGY AND INFECTIOUS DISEASES/NATIONAL INSTITUTES OF HEALTH/SCIENCE PHOTO LIBRARY) がんの治療をしても、一部のがん細胞は死滅せずに休眠状態に入り、寛解(症状が軽くなったり消えたりした状態)後も肺や肝臓や脳などの臓器に静かにとどまっていることがある。科学者たちは長年、これらの「眠れる」がん細胞を目覚めさせて転移や再発を引き起こすきっかけは何なのか、頭を悩ませてきた。2025年7月30日付けで学術誌「ネイチャー」に掲載された論文は、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症のようなありふれた呼吸器感染症が、「目覚め」のきっかけ
