日中戦争中に起きた「南京事件」を取材した日本テレビのドキュメンタリー番組をめぐり、産経新聞社が掲載した番組の検証記事の内容が事実と異なるとして、日本テレビが同社に対して文書で抗議した。抗議について26日にホームページで告知し、「産経新聞の記事は客観性を著しく欠く恣意(しい)的なもので、厳重に抗議する」としている。 番組は昨年10月に日本テレビ系で放送された「南京事件 兵士たちの遺言」。日本兵の日記や証言などをもとに、中国で捕虜や住民を殺害したとされる事件を検証する内容で、優れた放送作品などに贈られる昨年度のギャラクシー賞(優秀賞)を受賞した。 この番組に対し、産経新聞は今年10月16日付朝刊で「『虐殺』写真に裏付けなし」という見出しの記事を掲載。川岸に多くの人が倒れている写真の取り上げ方について、逃れようとする中国兵同士の撃ち合いや多くの溺死(できし)があったという記録に触れていないと批判