欲望の植物誌 人をあやつる4つの植物 マイケル・ポーラン 八坂書房 2003・2012(新装版) Michael Pollan The Botany of Desire 2001 [訳]西田佐知子 編集:八尾睦巳 この本には4つの植物が登場する。リンゴ、チューリップ、マリファナ、ジャガイモだ。作物といってもいいけれど、植物学的には栽培種というものだ。 これらは、わがホモサピエンスの慎重な歴史よりもずっと以前から地球という庭のどこかで光合成によって勝手気儘に野生してきたものたちであるが、いつしかわれわれの社会と文化と生活の歴史とともに変質するようになった。21世紀の今日、この4つの作物はかつての姿をしているとはかぎらない。変質が過ぎたのだ。何がおこったのか。人間は何をおこしてきたのか。 リンゴは知恵の実だったはずだが、いつしか「甘さ」が求められた。チューリップはその「美しさ」ゆえにオランダで
![1609夜 『欲望の植物誌』 マイケル・ポーラン − 松岡正剛の千夜千冊](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/39ad5543297a977ad82d75592e643a7104ec59fd/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2F1000ya.isis.ne.jp%2Ffile_path%2Fsenya_card.png)