飲み会の席で隣に座っていた人が、聞いてみるとゲームのデバッガーをやっているらしい。でも開発プロジェクトの一員という訳ではなくて、コードそのものは見られない立場にいるらしい。なんだそりゃ、と思ったが、そういえばテストプレイヤーの募集を見たことがある。そういうものなのかもしれない、と思ってそのまま話を続けることにした。 ところが彼はただのテストプレイヤーではなかった。彼はバイナリハッカーだったのである。というのも、彼はデバッグするに当たって、愚直に色々な状況を作って試すのではなく、自分でバイナリを解析するようになったらしいのだ。チートをするプレイヤーが出ないように、チートが可能になりそうな箇所を先んじて見つけることもあるという。 彼には酒とその場の勢いで色々なハックを教えてもらった。彼はプレイの最中にそのプロセスが使っているメモリの内容をダンプしたものと、逆アセンブラを主に使っているらしい。