東京・日比谷公園のホームレスは比較的こぎれいなのに、米ニューヨーク・マンハッタンの教会で見掛けるホームレスはみすぼらしい。それはなぜか。明治学院大学のトム・ギル教授(社会人類学)がユーチューブ上の動画で、日米の路上生活者の違いを説明している。 ギル氏によれば、米国では精神病患者を施設から追い出したことが大きいという。データを確かめると、ギル氏の説が正しいことがわかる。ある推計では、全米50万人の路上生活者の2〜3人に1人が深刻な精神疾患を抱えている。 米国の路上生活者の薬物問題 米国でホームレスが急増したのは1980年代初頭、レーガン政権で精神病患者のための助成金が3割超削減されたときのことだ。OECD(経済協力開発機構)によると、人口10万人当たりの精神科病床数は現在、日本が293なのに対して、米国は57まで落ち込んでいる。 薬物の問題もある。ヘロインのようなハードドラッグは日本では入手
文藝春秋の松井清人社長が全国図書館大会の東京大会で、図書館側に異例の訴えをしたことが話題になっています。図書館に文庫の貸出をやめてくれないかというのです。 文庫といえば図書館の利用者にとっても読みたいコンテンツが揃っている人気コーナーなのですが、なぜ今、大手出版社の社長がそのような訴えをするのでしょうか。背景には縮小する書籍マーケットという業界の苦境があります。今、何が起きているのか、状況を探ってみましょう。 「文庫本の貸出をやめてください」の背景とは? 10月13日に開催された「全国図書館大会 東京大会」で文藝春秋社の松井清人社長が「どうか文庫の貸出しをやめてください」という訴えを行ったことがニュースになりました。背景には減少する一途の書籍市場という難しい問題があります。 書籍市場の中で文庫も年々市場が縮小しています。2014年から今年にかけての数字で見ると、金額ベースで毎年文庫市場は6
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