ひとつめは、6月、25歳の女性が乳児の遺体をコインロッカーに遺棄したとして逮捕された事件。女性は漫画喫茶の個室で出産し、赤ちゃんが声を出したため、周囲にバレると思って殺害したという。 逮捕された女性は、1年にわたって漫画喫茶で寝泊まりしているという「ホームレス状態」だった。この10年を振り返っても「ネットカフェ・漫画喫茶での孤独な出産」事件は何件も起きていて、乳児が殺害されたケースもあれば、母子ともに無事で保護されたケースもある。 住む場所もなく、どんどん大きくなっていくお腹を抱え、誰にも相談できずに一人、漫画喫茶の個室で激痛に耐えながら出産した女性の胸の内を思うと、ただただ言葉を失う。彼女を救えていれば、赤ちゃんの命が奪われることはなかった。例えば「飛び込み出産」などでネット検索すれば、母子支援施設や妊娠SOSの相談窓口など、多くの情報がヒットする。女性に情報が届かなかったのか、届いたと