トップ > 静岡 > 6月2日の記事一覧 > 記事 【静岡】 裁く重み 人生翻弄 袴田事件裁判官・熊本さんの半生 2010年6月2日 酒におぼれ 生活保護、自殺も 孫の写真を眺める熊本さん。長女に連れられて今年3月、初めて会った=福岡市東区で 静岡市で1966年、一家4人が殺害された袴田事件で、一審の死刑判決を書いた熊本典道元裁判官(72)。2007年、「無罪の心証」を公表し関心を集めたが健康面の不調で、再審支援の表舞台から退きつつある。その半生は判決を境に暗転、人を裁く重みに翻弄(ほんろう)されたようにも見える。裁判員制度の導入から1年を機にたどった。 (中部報道部・森本智之) 一昨年、前立腺がんと診断された。歩行は困難になり、ろれつも回りにくくなった。 熊本さんは福岡市東区で、知人の女性(69)の支援を受けながら暮らしている。月約10万円の生活保護が収入のすべてだ。「認知症のような症状