良い標準規定を作成しても、現場の開発者がその必要性や効果に納得できなければ、従来の慣れた開発方法を守り続けるに違いない。標準化の取り組みにおいて、この「納得感」の醸成は極めて重要だ。しかし、標準化担当者たちの目は「どういう標準規定にするか?」という点にばかり向けられている。典型的な失敗パターンである。 皆さんは、標準化の取り組みにおける「成功」とは、どんな状態を示すとお考えだろうか。それは標準規程を整備することではないし、成果物フォーマットの品質を向上させることでもない。これらの整備はあくまで標準化の過程で取り組むことであって、整備自体を目的としてはいけない。 しかし、標準化プロジェクトを立ち上げるという企業に話をうかがうと、「何の規程を整備すればよいのか」「同業他社ではどういったプロセスで業務を行っているのか」「参考となる方法論はないか」、ひいては「サンプルを持ってきてくれないか」という