文化庁が後援する書道中心の公募美術展「全日展」の知事賞受賞者が架空人物だった問題で、主催者の全日展書法会の前会長である書家(73)が27日、架空人物の受賞作品を自ら作ったことを朝日新聞の取材に明らかにした。28日にも文化庁に報告するという。 前会長は今月15日に問題が発覚した後、「社会に迷惑をかけた」と会長職を辞任する一方、各県には「作品を受賞者に返そうとしたが、宛先不明で返送されてきた」と説明し、受賞作品の捏造(ねつぞう)を否定していた。 関係者によると、前会長は18日の全日展書法会役員会で、架空人物の受賞作品を「私が書いた」と打ち明け、「こういう事態になり申し訳ない」と謝罪。「受賞者がいないと翌年から知事賞をもらえなくなる」「知事賞があればみんなの励みになる」などと釈明したという。27日の取材では「私利私欲のためにやったことではない。全日展のためにやった。28日に文化庁には本当のことを