ゲティア問題というやつは、その解決の難しさのせいか、近年論じられることはほとんどない。僕は最近あることで再びこの問題の重要性に気付いたのだが、それが発表できるのはもう少し先になりそうだ。 まあしかし、この発案者であるのゲティアは実にうらやましい哲学者である。なにしろゲティア問題を提唱したわずか3ページの論文以外に、彼の論文にお目にかかったことがないのだ。最近指導教官から聞いた話では、彼の就職のときに、大学側があまりにも彼の業績が少ないのを問題視したところ、哲学科の方からこの論文を参照した文献のリストが提出され、それが2百以上の膨大なものだったため、彼は面接に合格したという。本当かどうか解らないが、とにかく面白い話である。 ゲティア反例と呼ばれる古典的知識分析への反例は、彼が提示した2つ以外に、それはもう沢山あって、それら全てが同一の仕方で反例を構成するわけではない。最近その辺りを調べ始めた