<宇井 宙(ういひろし):ちきゅう座会員> 福島第一原発事故の事態収拾のめどが全く立たず、放射性物質を放出し続けている現状では、この事故による健康被害の予測をするのは時期尚早の感もあるが、欧州の放射線リスク委員会は早くも、この事故による癌発症リスクの増大予測を発表した。 http://www.llrc.org/ 放射線リスクに関する欧州委員会(ECRR)のクリス・バズビー科学部長は3月30日、福島第一原発事故による癌発症の予測を発表した。この予測は、国際原子力機関(IAEA)と日本の公式サイトの発表したデータに基づき、2つのモデルを使用して計算したものである。 第1の「トンデル」モデルは、チェルノブイリ事故から10年間のスウェーデン北部における癌の発症率を検証したマーティン・トンデルの慎重な研究に基づいている。このモデルによれば、今後も人々が避難せず住み続けたと仮定すれば、福島第一原発か