数ある古典・名著の中から、現代に生きる私たちの課題解決に役立つだろう本を選び、論じた「日経BOOKプラス」の連載「滝田洋一の古典に学ぶ現代世界」。このたび大幅加筆のうえ、『 古典に学ぶ現代世界 』(日経プレミアシリーズ)として刊行された。双日総合研究所チーフエコノミストで、ニューズレター「溜池通信」の筆者かんべえとしても知られる吉崎達彦氏が本書を解説する。 名著と呼ばれる古典は、およそ3通りに分類することができる。まず、若いときに読んだけれども、中身をほとんど忘れてしまっているもの。次に評判だけを聞いて、「読んだつもり」になっているもの。最後に「自分には縁がない」と、最初から敬して遠ざけてしまっているもの、である。 上は評者だけに当てはまることではあるまい。古典をわが身の血肉にすることは、そう簡単なことではない。そして、今からでもそれができれば…と思っている人は、けっして少なくはないはずだ
