中絶手術の2つの法的根拠 中絶手術の法的根拠とはなにか。妊娠中絶手術について、2つの例を検討してみよう。 まず、結婚している女性が妊娠したが病気になり、このまま妊娠を継続するとお母さんの命に関わるケース。このような場合、病院は、次の同意書に、妊婦本人と配偶者の署名をもらって、中絶手術をする。 法的根拠を説明すると、母体保護法14条1項1号「妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」に当たるから、「本人及び配偶者の同意」を得て、妊娠中絶手術をすることができるのである。 母体保護法14条1項1号に基づいて手術する場合の、同意書のモデル(筆者提供) では、道を歩いていたら見知らぬ人にレイプされた場合はどうか。母体保護法14条1項2号「暴行若しくは脅迫によつて又は抵抗若しくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの」なので、やはり妊娠中絶手術を