いちどプライベートモードで書いたのだが、考え直してネタバレ警告をしたうえで全ユーザに公開することにした。わざわざDMでパスワードを聞いていただいた方には申し訳ないのだが。あといろいろ書き足りなかった部分を追記しました。 さて、以下のエントリには『天冥の標』の物語の根幹にかかわる重大なネタバレが含まれています。最新刊まで読了していない方はここで引き返すことを強く推奨します。 ここに叙述トリックを紛れ込ます余地があることについてはⅥ(『宿怨』)ぐらいから考えてはいた。ひとつにはⅤ(『羊と猿と百掬の銀河』)の断章で描かれる実に生真面目で愛すべきノルルスカインの姿と、Ⅰ(『メニー・メニー・シープ』)で見せた、どこか冷笑的で享楽的、全身(全存在か?)から胡散臭さを発するトリックスターとしてのノルルスカインに違和感を感じたという理由もある。「断章」のノルルスカインと本編のノルルスカインの同一性を保証し