2005年06月29日 カレー事件高裁判決 カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 昨日、大阪高裁は1進の死刑判決を支持し、被告人側の控訴を退けた。 この事件は、不特定多数の人物が食べるカレーに強力な毒物を入れるという日本の犯罪史上に残るといっても過言ではない事件である。亡くなられた犠牲者の方々には謹んでご冥福をお祈り申し上げたい。 だが、法曹を目指す者として極めて困った事に映る現象もこの事件では起こった。 それは、この事件を巡って沸き起こった「黙秘権批判」である。 控訴審では被告人は黙秘をやめたが、1審では捜査段階から公判に至るまで完全黙秘を貫き通した。法律上黙秘権があるのは当然だから、被告人の黙秘は単なる権利行使である。それなら検察が他証拠で粛々と立証をしていくのが法律上ごく普通に予定されていることであってあえて黙秘を話題にする必要は法律上はなかった。 だが、黙秘は世論によりものすごい