
はじめに 書物を指示する名称は、典籍・書籍・書物・図書・冊子など少なからず存在する。また、その形態で分ければ、大本・半紙本・中本・小本・横本・巻子本などがあり、その内容で分類すれば、儒書・仏書・神書・史書・医書・歌書・軍書・好色本・草子などと細分化できる。一方同様に書物を扱う店を指示する呼称も多く、書林・書肆・書房・書鋪・物の本屋・書籍所・書物屋・浄瑠璃本屋・謡本屋・草紙屋・絵双紙屋・草紙問屋・地本問屋などという具合に、板元と流通業者とが明確に区別されずに使われてきた。このほか本屋に関連する業種としては、板木屋・表紙屋・糶本屋・古本屋・せどり・行商本屋・貸本屋などもある。これら書物と本屋とをめぐる物の呼称が著しく多いのは、区別して認識する必要があるほど、本を取り巻く文化的環境が多様化し成熟していたことを示すものと思われる。 さて、近世初頭の活字印刷技術の伝来によって古活字本がうまれ、さらに
【貸本屋】より …1703年(元禄16)刊の雑俳集《すかたなそ》に〈借り本の書出しか来ル年堺イ〉とあり,江戸中期以後は全国的に広がり,小説類,浄瑠璃本,歌舞伎脚本,軍談,実録などは貸本屋を通じて読まれるのが一般的になった。1802年(享和2)刊《小栗忠孝記》序文に〈つれづれなぐさむるものは やまともろこしの書 むかし今の物がたりの類なり これを小書肆の輩 背に汗し足を空にして竪横(じゆうおう)にはしり 町小路在郷までも 日数を限りて貸ありく 見るものはつかの見料をもて慰む事 当世のならはしとなりぬ〉とあるように,当時の貸本屋は背丈にあまるほどの本を笈箱(おいばこ)やふろしきで背負って得意先を回ったが,後期になると江戸の長門屋(ながとや)や名古屋の大惣(だいそう)(大野屋惣八)のように店を構えて営業するものも現れた。貸本屋は08年(文化5)江戸で656軒(《画入読本外題作者画工書肆名目集》)
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(このテンプレートの使い方) 出典検索?: "貸本" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL (2016年7月) 貸本(かしほん)は、貸本屋(貸本店・レンタルブック店など)が貸し出す書籍および雑誌の総称である。また、そのような業種自体を指すこともある。本項では主に業種としての意味合いで「貸本」を解説する。 戦後にできた貸本屋はほとんどが廃業した。写真は東京・根津2丁目にあった「なかよし文庫」。 江戸時代、出版技術の発展による刊行物の増加や写本の流通量の増加によって、一般大衆にも読書の習慣が広まった。江戸時代の庶民にとっては、本を買い求めて読むよりも、貸本屋や行商人から見料を払
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