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大谷翔平
blog.goo.ne.jp/tabibito12
フィリピンのデングワクチン集団接種、責任なすりあいの場外乱闘戦の様相です。 もともとデング熱は1回目の感染で不完全な免疫ができたところに2回目の感染が起こると重症化という話が以前からあったところに、ごく最近、そのメカニズムが明らかになりました。 だから、感染経験のない(Dengue Naiveな)人に接種したら、かえって重症化してしまうかもしれない・・・という説が本当になってしまい、フィリピンの集団接種も中止に。 そして場外乱闘戦。サノフィが、「だからあの時言ったじゃないの・・」と後出しじゃんけん的な主張、ロイターが取り上げCIDRAPが報じ、騒ぎが広がりそうです。 サノフィの主張は、 まだデングワクチンの安全性を証明する長期データはない。 だから大量集団接種ではなく、小バッジでと主張した。 しかしフィリピン政府は小児集団接種に走ってしまった・・・と。 なんだか後出しじゃんけん的な、これが
ナイジェリアで先日来問題となっていた「ナゾの奇病で子供20人連続死事件」、原因は麻疹と判明しました。その原因が悲惨な環境からくる複合要因。 ナイジェリア・ラゴスのOtodo Gbame community in Eto-Osa Local Government Area 原因不明の感染症で小児20例が死亡していた。検査の結果、血液サンプルから麻疹IgM抗体検出、最近の感染が確認された。いくつかのサンプルでPCRも。 その原因として、環境的要因が指摘されている。現地は水道がなく、飲み水から複数種類の病原体が検出された。井戸水は人間の飲用には適さないと。 麻疹の予防接種からも漏れていた。 現地は埋め立て地で、スラムを形成している。今回の件をうけて、政府はスラムの人口調査を命じた。現在、人口調査とリストつくりをおこなっており、感染症流行にあたり素早く反応できるようにと。 また、低栄養も事態をやや
本家ディズニーランドを核に麻疹感染が拡がる米カルフォルニア、LAの小児科医が「麻疹ワクチンうけてないケースはお断り」と掲示し、賛同の声があがっているという報道。 Dr. Charles Goodman。診察室およびフェイスブックに明示。子供にワクチン接種させない親の子供は診ませんと。 その子供のリスクはもちろん、待合室で接触する他の子供のリスクも考慮した措置。 これに対して他の医師も追随する動き。 米国では、「ワクチン打ったら自閉症」デマの影響もあり、接種率が低下してきている。 これは、過去15年間で最悪の麻疹流行を受けたもので、先月から少なくとも98例の報告がある。その多くはディズニーランドがらみ。 ディズニーランドのインパクトもこれあり、米国の麻疹騒動はヒートアップしています。ワクチンと自閉症の関連の論文はもちろん取り下げになっていますが、いまだに反ワクチン運動に利用されています。そし
EVD感染の注目はこれからマリに移ってゆくのではないか・・・ そんな気になる(おそらくは本当にそうなる)出来事のかずかず。 マリの最初のケース(ギニアからバスで連れて来られた2歳児)関連の抑え込みは成功したが、第二のケースはすでにクラスタ発生。 インデックスケースは、ギニアで発症したイマーム(イスラム教の聖職者。以下聖職者)で、よりよい治療を求めてマリの首都バマコにやってきた。 マリではパスツールクリニック(注:仏のパスツール研とは無関係)を受診したが、この聖職者の基礎疾患である腎障害に気をとられてEVD感染を見落とした。検査もしなかった。そして、看護にあたった看護師が亡くなってはじめて、EVD感染が明るみにでた。医師も死亡。 聖職者はその後10月27日にパスツールクリニックで亡くなったが、その性格上(注:その時点ではEVD感染死と認識されていなかったことも加わり)、大規模モスクで遺体が洗
「EVDがオオコウモリからヒトに入ってきたと言われています」とは、管理人含め、あらゆる方々がメディアで解説しているところです。そのメカニズム解明、”言われています”の部分が取れるような知見。 コウモリからヒトにジャンプ!というほど単純なものではなく、もう少し複雑、なパターンがある。 まず最初に、コウモリとウイルスが両方存在する必要がある。コウモリ特有の免疫システムによって、ウイルス排出には大きな波がある。そしてウイルス感染が自然になおる前に、周囲のほとんどの個体が感染する。 そしてコウモリのユニークな免疫システムゆえに、感染していても症状をださずに飛び回ることが出来る。それゆえ、遠く離れた群にも感染を拡げることが出来る。コウモリの群と群とが混ざり合えば混ざり合うほど、ウイルスも伝わる確率もあがってゆく。 感染したコウモリは、大量のウイルスを排出して哺乳類を感染させる。ヒトは他の動物を介して
昨日紹介した、リベリアでエボラ感染者隔離施設が襲撃された件は、本日の日本語報道にも載ってきております。 この件に世界が震撼する理由のひとつは、 感染者がエスケープした⇒所在不明のなかで歩き回り、感染拡大する ということですが、もうひとつあります。 襲撃が略奪に発展してしまい、感染者の所有物、明らかに血液が付着したものを含めて持ち出されてしまう ということもあります。略奪ですから、当然、どこの誰が強奪してその物品がどこにあるのか(現地の警察捜査力では)迷宮入りになります。結果、 血液の染みた医療機器やマットレスやシーツを略奪し、略奪した”戦果物”が家々にゆきわたっている。Westpointの街中が感染してしまうのではと恐れている・・・ということになっています。 West Point residents went on a "looting spree," stealing items fro
エボラ出血熱の流行で、リベリアの病院から潮が引くように人がいなくなりゴーストタウン化しているとの報道。 リベリアの首都モンロビア郊外の国立Redemption Hospital。ここはリベリアで第二の病院で、普段は毎日数百人の患者に無料ベースで医療を提供している。 しかしエボラ出血熱のアウトブレイク以来、人々が病院に行くことに恐怖を感じるようになり、誰も入院を望まなくなった。また、以前から入院していた患者たちも帰宅してしまった。 結果、記者が午前10時45分に訪ねたときには、産科病棟と救急病棟にそれぞれ一人づつ(!)しか入院していなかった。 看護師たちは手持ち無沙汰で、静かに座っているか、勉強しているかだった。また、インタビューに対して、エボラ出血熱に対する恐怖を語った。 一般住民たちのpエボラに対する偏見は根強く、看護師たちがバスで(村を)通りがかっただけでも、「エボラ!エボラ!」の言葉
エボラ出血熱対策を阻む強固な壁、”文化の違い”です。シエラレオーネの人々が、医薬品(西洋薬)を拒絶して、伝統的治療師の薬草を好む(固執)するという難題に直面しています。 シエラレオーネでは、人々が西洋薬の服用を拒絶して伝統的治療に固執している。これがさらに流行の加速に寄与していて、すでに感染者96名犠牲者22名以上の事態に発展している。 シエラレオーネ当局は、保健衛生の問題のみならず文化の問題にも直面している。 伝統的治療師やハーブ治療は、西アフリカではよく普及し受け入れられており、彼らは、秘伝のレシピでカゼからマラリアまで治せると主張している(With secret recipes of herbs and potions, they claim to cure everything from the common cold to malaria.) 多くの患者たちは(伝統的治療に)固執
ギニアからはじまった今回のエボラ出血熱流行、これまで対策の中心にいた国境なき医師団が、「もう限界までやっている。totally out of controlだ」とコメント。 国境なき医師団、すでに限界まで 反応しており(medical group is stretched to the limit in responding)もはやまったく制御困難だ("totally out of control," )とコメント出しています。すでに第二波に突入している。 今回の流行は、世界でももっとも貧困な地域に発生していて、公衆衛生システムが元々脆弱である。 また、今回特に難しいのは、移動が多く、ギニアやリベリアの首都など、人口密集地で流行していることだ。従来の流行では、隔絶された遠い村で発生することが多く、これほど容易には広がらなかった。 唯一の対策は、調子が悪ければ名乗り出ていただくことと、患者や
以前紹介した、サウジ政府が新型コロナウイルスMERS-CoVの第一発見者のモハメド・アリ・ザキ博士(以下ザキ博士)を迫害した件、現地紙も問題視して詳細を報道するものが出てきています。この問題が報じられるのは初めてではありませんが、より具体的に世間の目に。 ザキ博士は、ジェッダの病院で診療していた60歳男性(18日後に死亡)の経過に不審をいだき、検体をオランダのFochier氏のもとに送った。検査結果は凍り付くもので、新種のコロナウイルスだというものだった。自分自身の感染さえ恐れるものだった。 ザキ博士はただちに結果をサウジ政府に知らせたが、サウジ政府は関心を示さなかった(!) ザキ博士が今回の発見をするのは、初めてではない。1994年にはサウジで初めての デング熱を、翌1995年には同様にTick born diseaseをサウジで初めて報告している。 この画期的な発見に対し、サウジ政府は
この1週間は、田中文科相の大学認可転覆騒動がマスコミを賑わしました。準備をすすめてきた大学関係者や自治体関係者の怒りの声や、追及しようとする野党・・・とマスコミ上は想定内の展開がすすんでいます。今のところ、学術界と自治体と国会が騒ぎの中心ですが、実はこれ、医療界も大いに心配しなければならない事態なのだけれど、誰も言わないのでこちらで問題提起。 ズバリ「看護師をはじめとするコメディカル不足に拍車がかかる」のです。 いまの看護師およびコメディカル不足(以下看護師不足と略しますがOTPTも含む)を緩和してくれるかもしれない「希望の星」が、定員割れ文系大学という現実があります。これは学生募集において左ウチワ状態の医学部に籠っているとなかなか見えてこない現実ですが、志願者数がめっきり減ってしまい定員割れとなった文学部や芸術学部を抱えた大学が、経営立て直しの切り札として、我も我もと看護学部新設に走って
インフルエンザ。妊婦は高リスク群だから最優先でワクチン接種を!とは、前回パンデミックのかなり初期から言われてきたところです。で、実際に妊婦の皆さんは一抹の不安を抱えながらも接種をしました。「大丈夫ですか?」ー「多分大丈夫でしょう」「まず大丈夫でしょう」とお互い一抹の不安抱えた会話を診察室で交わしながら。 そんな”一抹の不安”にこたえてくれるデータがBMJに。 妊婦対象の後ろ向きコホート。胎児死亡との関連調査。 n=54585。ワクチン接種受けていたのは7062例(12%)。ワクチンはPandemrix(AS03アジュバント) 接種により胎児死亡のリスクは増加しなかった。流産や死産についても同様。合併症有無は関係せず。(Exposure to the H1N1 vaccine was not associated with an increased risk of fetal death (
先日紹介した、タミフル製造元ロシュ社がコクランに叱られた件、 コクラン側の言い分が正式にパブリッシュ。 ある薬の効果について、一般的に、「効いた」とするデータはより早く発表され、「効かなかった」とするデータはそうではないというバイアスがある。したがって、一定期間後にあらゆる論文をレビューする必要があり、コクランはそれを行っている。 今回、タミフルに関していえば、当初予定していたデータにアクセスすることが出来ず、わずか38%のトライアルしか貢献していない。Only 25 of the 67 trials (38%) identified contribute any data to the analysis of outcomes in the review. ここから確認できたのは、「症状を21時間短縮できる」ということだけで、「入院の減少」についてはエビデンスを確認できず、「合併症の減少
米国の感染パニック映画contagion、地方当局がこれをうまく利用して保健教育につかっています。 ワイオミング州Clark County もしあなたがcontagionをみた後で誰も、また何も触りたくなくなったら、その感覚はパンデミックのときに役立つかも。パンデミックでは、有効な薬やワクチンが開発されるまでに何百人もが病的状態におかれる。 この映画はCDCも監修、CDCは、この題材は極端なものだが、シナリオ自体はあり得るものだとしている。 09年パンデミックではウイルスがmildなものであったこと、人々の素早い反応、ワクチンの速やかな開発もありeasyに済んだものの、これから新たなパンデミックではcontagionが示すようなmuch more severeなものになるかもしれない。 Clark Countyではこのようなパンデミックの際には有効な医薬品開発に時間がかかることをかんがみ、
タミフル/リレンザ投与で米国のインフルエンザ重症化(入院レベル)を8400~12600例阻止できたと米CDC報告。 IMS Health Xponent proprietary database of prescriptionsのデータ使用。米国のリテール処方73%把握。 09年4月24日から10年3月26日までに820万ドース処方。 H1N1(2009)による重症化入院を8400~12600例減らせたと推定。うち60%が18~64歳。残りの40%は年少と高齢者で半々。 09年パンデミックにおいて抗ウイルス剤の使用は成功をおさめたと総括、次なるパンデミックに向け新たな使用方針を策定すべしと提言。 抗ウイルス剤は大過なくそれなりの利益をもたらした。ご同慶の至りです。 ソースはCIDRAP↓ http://www.cidrap.umn.edu/cidrap/content/influenza/
昨シーズン、CSL製ワクチン接種後、けいれん続出騒動のあったオーストラリア、今シーズンは小児用には他社製を使うことにし、実際それは安全なのですが、かんじんのワクチン接種率が8割減と大変なことになっています。 今年の豪のワクチン、小児用にはFluvaxをやめて VaxigripとInfluvacを使用することになった。すでに接種した256例の検討では、これら2種類の副反応出現率は10%未満で、Fluvaxの50%以上に比べ著しく低下。 しかしながら、接種率は大きくダウン。78%も落ちてしまった。昨年接種受けた小児25000人に対し今年はたったの5000人。 今季のワクチンは安全とエビデンスがある・・・と必死に呼びかけ ワクチン禍(の可能性がある)ことが起こると、こういう状態になってしまう・・・というのは日本だけではないということです。09年UKほかEU中心とした”嫌ワクチンムード”、そして2
深刻化するUKのインフルエンザ。たびたび紹介してきましたが、この件が問題になっている「コトの本質」は、街の薬局がタミフル確保に悩むことよりも、電話相談ラインがパンクすることよりも、もっと重要なのは「重症化率が昨年パンデミック時よりぐっと高い」ことにあるようです。 過去2週間で人口10万人あたり32.8→87.1へ。 年齢層では5~14歳>4歳以下>15~44歳。 ただしこの数字自体は昨年ピークの300に比肩するレベルに至っていない(昨年ピークの1/3)。問題は重症化率の高さである。 ICUにインフル患者が302名入院中というのは、昨年ピーク時180名よるはるかに多い。(←つまり、人口あたりの患者数は1/3なのにICUレベルの重症者は倍近い!という意味) この数字から、現在流行しているH1N1は昨年より明らかに病原性を増してきており(the H1N1 in circulation is ma
R~i×a なんじゃコレ!? って言わないでちょっとだけおつき合いを。 オルポートとポストマンは噂の心理的分析をおこない、噂はこの掛け算で伝達するのだ!と提唱し、一定の評価を得ています。 Rとは、流言の量。 iとは、重要性。 aとは、あいまいさ。 つまり、流言がどれだけ流れるかは、当事者にとっての「重要性」と「あいまいさ」の掛け算で決まるというもの。積で表わしているところがミソです。 当事者にとっての重要性が高ければ当然関心は高まる。でも、何にゼロかけてもゼロですから、「あいまいさ」がゼロなら、流言は生まれないことになります。知識が確立した、たとえば、「水虫」とか「イボ痔」とかいう病気なら「あいまいさ」ゼロですからそれそのものの流言は聞かない。でも、新型インフルエンザは、特に5月時点なんかではH5N1で刷り込まれた知識も混入して「あいまいさ」が最大化していました。その後、色々様子が分かって
新型インフルエンザに感染した人数は、実際に症状を示して受診した数の10倍はあるぞ! とUKの発表です。 以前にもリーク的な報道がありましたが、Lancet発表で正式に。 症状の有無に関係なく無作為に2000例を採血、新型インフルエンザ抗体を調査した。 感染しやすかったのは15歳未満。昨年10月にワクチン接種が始まるまでには、第二波を防ぐ手立ては限られていた。 小児層は、感染を防ぐ意味と、社会に感染拡大させないという両方の意味で、ワクチン接種のターゲットとすべき年齢層だといえる。 首都ロンドンでは、15歳未満の32%で、20~24歳の20%で感染(の形跡である抗体)が認めらた。この数字は、保健当局がサーベイランスから推測していた数字の10倍にあたる。 今回の結果は、WHO発表の「新型インフル感染者の中央値は12~17歳」とも一致する。 パンデミック以前、H1N1に対する抗体保持率は5歳未満で
米コロラド州立大学獣医学部発表。 別々の家庭のペット猫二匹、相次いでH1N1確認。 一例は10月2日から、もう一匹は11月初旬から発症。いずれも飼い主の感染に続発したヒト→ネコ感染。 症状は下気道症状。二次性肺炎予防のため抗生剤投与されたが(当然)抗生剤に症状は反応していない。 猫の口・鼻から採取したスワブ検体はコロラド州立大で、血液検体はアイオワ州立大で検査。H1N1確認。 ペットの体調不良があれば、すぐに獣医受診をと呼びかけ。獣医の診療に加え、家庭では快適にたっぷり休養をとらせ、食料・水分を十分与えるように。 これまで米国では、H1N1猫感染がオレゴン・アイオワ・ペンシルバニアで確認、フェレット感染がオレゴンとネブラスカで確認。 重ねて、ペットのオーナーの皆さんはお気をつけください。 ソースはコロラド州立大HP↓ http://www.news.colostate.edu/Releas
ウクライナ共和国にて、新型インフルエンザ感染者が激増、さらに、出血性肺炎で重症化~死亡例が続発、WHOが調査団を急派する騒動になっています。 昨晩(11月2日)WHO緊急調査団がウクライナ着。 ウクライナ政府は、インフルエンザ様症状25万例以上、うち235例がICUレベルの重症化例、昨日(2日)までに70例死亡例報告。 重症例では出血性肺炎の合併報告、これまでと異なるウイルスの働きの疑い。 出血性病変で、肺が血液で満たされ、あらゆる穴(鼻腔、口腔、肛門・・・?)から出血が見られ、1918年のパンデミックを想起させる(clearly hemorrhagic disease that fills lungs with blood and produces bleeding at all orifices, which are stark reminders of 1918 pandemic c
グラクソ製新型インフルエンザワクチン(Pandemrix)にまつわる各国の反応がいろいろ興味深いです。 ドイツではメルケル首相以下閣僚用はグラクソ製避けてバクスター採用、庶民用はグラクソ製と分けたことがバレて大騒動 http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/a9b2bb7a5ee952e68cf50f88acc33124 カナダでは妊婦向けに”非グラクソ製”求めてオーストラリア政府に平身低頭で分けてもらい http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/899e59907f43f588a521b479d0adaee2 今度はスイス政府が、妊婦と子供と高齢者用には「グラクソ製使うことまかりならぬ!」とおふれを出す騒動になっています。 スイスの認証機関Swissmedicが、妊婦と小児と60歳以上の高齢者に対しグラクソ製使用を承認せず。 一般成
新型インフルに感染した16歳青年が、筋肉が溶けて尿真っ黒、立てなくなる・・・そんなショッキングな話が6月にオーストラリアで発生していましたが、査読を通って、やっとこさ今頃になり表になってきました。 豪メルボルンMonash Medical Centre。 16歳男性。発熱+呼吸器症状3日間の後、高度の筋融解で尿が真っ黒に。 入院後間もなくより、CPK値が167249IU/lまで上昇。この標準値は230以下なので、700倍に上昇。さらに、4日後のピーク時には最高1127000IU/lまで上昇。(管理人注:CPKは筋肉の壊死や融解で血液中に溶け出てくる酵素。たとえば悪性症候群や心筋梗塞などで高値になるが、112万7千なんて値は、管理人の20ウン年の医者人生でもただの一度も見たことがない)。 それでも何とか一命はとりとめて退院。 本件は6月に発生していたが、今回、警告の意味で、初めてPediat
先日紹介した、「季節性ワクチン接種したら新型に罹りやすくなる(かも)」報道 http://blog.goo.ne.jp/tabibito12/e/413c9d85e868dc2704aa38019c9cea81 の続報です。 医学的には、”twice”という数字が加わったことぐらいですが、カナダ保健当局の動きに関するものが中心です。あと、先日のCBCとは別ソースというあたりでしょうか。 季節性ワクチン接種により、新型に2倍(twice)感染しやすくなるという報告を受けて、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州では、高齢者以外の季節性インフル予防接種を月曜日から中止(suspend)する予定。 また、ケベック・アルバータ・サスカチュワン・オンタリオ・ノバスコッチア州含めたいくつかの州では65歳未満の季節性インフル接種を中止した。several provinces, including Queb
【2015年1月追記】 最近(2014/2015シーズン)、なぜかこの記事のアクセスが増えておりますので追記。この記事は2009年、6年前のものです。この時点の”新型(H1N1)”はすでに季節性インフルワクチンの一部を構成しており、この記事を参照しても実用上あまり意味がありません(歴史上こういうことがあったという記録として興味深い記事ですが)。 インフルエンザワクチンは接種するのが正解です。 ************************************** (以下、2009年時点のオリジナル記事) 従来の季節性インフルエンザを接種したら、新型インフルエンザに感染しやすくなる という報告がカナダから上がっています。 CBCの報道。従来の季節性ワクチンを接種したら、新型インフルエンザに感染するリスクが高くなるという予備研究結果。 まだ予備的なものであると但し書き付き。 カナダにて4
オーストラリアの感染拡大、一日で小児250名が駆込み、そのほとんどがインフルエンザ症状という騒動になっています。 パースのPrincess Margaret Hospital小児科救急に24時間で250名(!!)以上の小児が駆込み、救急部門は大混乱に。 診察まで平均90分待ちだが、パースの主要3病院すべてでは、朝9時になってもまだ110人が順番待ち。待ち時間が6時間待ちに達するケースもあり、さらに、入院必要例が24時間以上待たされることも。 救急部門は溶解(melt down)寸前。 日本では医療”崩壊”と呼びますが、あちらでは"溶解(melt down)”という表現ですね。 日本でも、ある新聞が”溶けゆく日本人”なんて面白い企画していたことがあるのを思い出します。 これはもう、”他山の石”というより、明らかに日本でも起こりそうな話です。秋以降の政権担当党はぜひ、明日の話として認識していた
大阪のタミフル耐性新型インフルエンザ、府立公衆衛生研究所が、一般発表より先に医学誌に投稿した「問題」でマスコミ各社皆さん、張り切りモードです。 時事、朝日あたりが先行して本日5日は産経も追いかけてアップ↓ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090705-00000520-san-soci 何でわいらより先に医学誌に出すねん と各紙 社会部の皆さんの気持ちはよくわかるのですが、ここで提言。 医学誌より先、あるいは同時に情報が来るようなモチベーションつくりの仕組みを考えてはと思うのです。 公衆衛生研の皆さんが先に医学誌に出そうと考えたのは、それなりのモチベーションが働く仕組みがあるのです。 雑誌により「インパクトファクター」なる点数評価制度、その雑誌の論文がどれだけ他の論文に引用されたかを元にしたものなんですが、研究者の評価のひとつ。 だから、「○○に論文
マスクは何のためにするの? 従来、この問いに対する回答は「マスクには、インフルを予防する効果のエビデンスはありません。しかし、自分が罹っているとき、他人にうつさないためにするのです。咳エチケットです」でした。 ただ、これだと今ひとつモチベーションがあがらない人もいるでしょう。自分のためにならんなら、赤の他人のためなら・・・と。 でも、「自分が感染しないため。予防のため」効果がはっきりある、というエビデンス確立に大きく動き出しています。 *豪New South Wales大学と英Medical Research Council Centre for Outbreak Analysis and Modelling at Imperial College London の発表(Emerging Infectious Diseases)。 *呼吸器感染症に罹患した子供がいる家庭をサンプルに調査。マ
中国で感染拡大しているのは、クレード7ではないか、鳥のワクチンが効いていないのじゃないか・・とrecombinomicsが疑念を投げかけています。 *江蘇省で分離されたH5N1は変異しており、周辺の上海・安徽省・山東省のワクチンを変更しなければならないと農業部発表。 *昨年末江蘇省で発生したH5N1は、2006年山西省で分離されたクレード7と密接に関連。 *江蘇省の鳥感染に引き続き、現在に至るヒトでの続発が見られている。香港の発表では、これらヒト感染は「北方種」だとしており、これはほぼ間違いなくクレード7のことであろう。 *かつて中国のヒト感染の主流を占めたクレード2・3・2や2・3・4とは異なるものであることも強く示唆されている。 *北ベトナムの発生もクレード7が報告されていることからも、今シーズンの流行ではクレード7が広く拡大していることがわかる。 *OIEのサーベイランスでは、クレー
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