飛行機と恋をつかさどる悪魔の手下（宮崎駿『風立ちぬ』感想） - ぼんやり上手

『風立ちぬ』を観て一晩たっても、なんだか地に足が着かないような感じでふわふわしている。とんでもないものを観てしまった。 飛行機のエンジン音にはお経の唸り声のような人間の声が使われていて、ぞっとした。二郎という主人公は、人間には許されざる怪物造りに手を染めていると思った。 墜落した飛行機の機体の前に二郎が立ち尽くす場面は、天から落ちてきたロボットの前に立つムスカの姿と重なる。飛行機とラピュタ、人間には許されない夢を見た男のバリエーションである。二郎の幻影や現実の中で何度も何度も墜落を繰り返す飛行機は、ドロドロになって腐り果てる巨神兵だ。 恋愛の場面にはすごく驚いた。 これまでの宮崎映画だと、異性から好意を寄せられても気づきもしないであっさりスルーするとか、少年か少女にほっぺをチュッとされてボッとなるとか、そういうのを描いてお茶を濁して、恋愛面でのロマンチックな部分はひたすら隠し通してきた。そ

[synonymous]

『恋愛で二人のエゴがぴったりと重なって共犯者のようになる期間というのは本当に短い（蜜月ともいう）』この表現が読めてよかった。

[popoi]

男の身勝手さも大概だが。一方、女もまた。結核の身で、男に感染させる危険を物ともせず、恋と性の愉楽を貪る。そして綺麗な姿しか見せたくないと山へ去る。何かを確実に蹂躙しながら、其でも美しい。　#風立ちぬ

[haruna26]

"恋人の部屋の窓から突然現れる男というのは吸血鬼か誘惑者と決まっている" 素敵すぎるフレーズ…！

[elephant09]

他人の感想にケチをつけるつもりはないが、あまりに色々なものを付託しすぎではないか。

[Delete_All]

二郎＝恋と飛行機をつかさどる悪魔の手下。素晴らしいレビュー。[]

[el-bronco]

宮崎駿がどうしても手に入れられなかったものは、青少年期の恋愛の思い出と飛行機の操縦ではないだろうか。見果てぬそれを死ぬまで追い求めるのは、萌えマンガとロボットを追いかけて老い続ける誰か達に似てないか

[fellows]

「眼鏡を外すとハウルやアシタカのような美男子で、彼らの薄情さもしっかりと受け継いでいる」「幻想はほんの一瞬成就し、やがて消えてしまう」

[fumix-hat]

「恋愛で二人のエゴがぴったりと重なって共犯者のようになる期間というのは本当に短い（蜜月ともいう）。その一瞬だけを切り取って描いている。」

[kojitya]

恋愛で二人のエゴがぴったりと重なって共犯者のようになる期間

[tatsujik]

なにをいっているのかわからない。

[ohnosakiko]

やはり「悪魔」はキーワードみたい。素晴らしいレビューが次々出るなー

[ryokuchan]

すんばらしいレビューです。そうですそう思います。だから二郎さんはかっこいい。

[FUKAMACHI]

感想の面白さもそうだが、ぼん画伯の異様な力の入り具合に驚かされた。「風立ちぬ」には何かがあるのだろう。

[gimonfu_usr]

（　いや、正直、観にいきたくなる文章だったです。）

[chihhi1105]

しっくりきた

[mak_in]

「風立ちぬ」はまだ観てないけど、これまでで一番創造が掻き立てられる良いレビューだった

[monaka]

ブクマするのいつ以来だろうか…。でもこれはブクマしなくてはならない