歴史修正主義に毒される日本 2018年10月、韓国大法院が徴用工問題について、植民地支配の不法性を踏まえつつ個人請求権を認め、日本企業に賠償を命じる判決を出した。言うまでもないことであるが、事態の本質から考えても、昨今の国際人権法の世界的潮流から見ても、まっとうな判決としか言いようがない。ところが、この判決をきっかけに日韓関係は急速に悪化し、今なお関係改善の糸口は掴めていない。 状況の異常さを際立たせているのは、日本におけるこの問題に関する論調である。どういう立場を取るにせよ、相手方の主張をできるだけ正確に理解するよう努めるのは、基本中の基本のはずだ。ところが、そのような知的誠実性はどこにも見られない。「韓国は約束を守らない信用ならぬ国だ」という言い捨てのプロパガンダが垂れ流され、そうだそうだと付和雷同が付き従う。異様としか言いようがない。 排外主義的な、ファナティックな、ナショナリズム。