サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
news.yahoo.co.jp/byline/suzukiyuji
岸田首相がバラエティ番組に出演した。 5月13日放送の『世界一受けたい授業 サミット直前SP岸田内閣総理大臣特別授業!』だ。 現役首相としては異例のバラエティ出演に対し、放送前からネット上では「放送前から大炎上!」「テレ局側に思惑?」など、批判する記事が散見された。 では実際には、放送はどう見られたのか。 どんな功罪があったのかを検証してみた。 番組の個人視聴率 件の番組は、土曜夜7時54分から58分間放送された。 視聴率を速報するスイッチメディアの関東地区データによれば、放送直後から個人視聴率は急伸し、序盤で4.6%から5.9%まで約3割数字を積み増した。 その後も順調に推移した。 CMの度に率は下落するものの、毎回右肩上りに推移し58分間の平均は5.4%。裏で放送されていたどの局の番組よりも上回った。 NHK『有吉のお金発見突撃!カネオくん』3.3% テレ朝『池上彰のニュースそうだった
『スッキリ』が終了しても、SNS上では批判の声がおさまらない。 24日放送回での“春日池落下”事件の件だ。 中には擁護の声もあるようだが、当日の視聴者の反応を見ると、大勢の受け止めは明白だ。 にせ物の笑いにウンザリした視聴者が、その瞬間に番組から離脱している。 日本テレビは4月1日に、『動物の日』として3時間特番を放送するが、この機会に改めて“オードリー春日の振る舞い”と“加藤浩次との掛け合い”を振り返ってみたい。 春日コーナーを敬遠する視聴者 視聴者は番組の各シーンに敏感に反応している。 135万台を超えるインターネット接続テレビ(関東地区)で、15秒ごとの視聴者動向を計測するインテージのデータでみると、どの場面で視聴者が脱落したのかが一目瞭然となる。 3月24日の『スッキリ』では、春日の場面が問題だった。 まず番組が始まって直ぐ。春日が1分ほど登場するが、そこで大量の視聴者が流出してい
侍ジャパンが9回裏無死から逆転勝ちをし、決勝進出を果たした。 そのあまりに劇的な試合展開のため、TBSは「緊急放送」と銘打って、その日の夜7時から再放送した。 その平均個人視聴率は9.5%。 前4週平均と比べ3倍以上と急騰した。そもそも準決勝「日本×メキシコ」の5時間にわたる中継でも、TBSはふだんの10倍以上の個人視聴率を記録した。 この日は合計7時間におよぶWBC関連で、TBSは盆と正月が一緒に来たような大賑わいだったのである。 おそらく史上初の再放送 祝日午前の放送となった日本対メキシコの準決勝。 視聴者が大興奮した9回裏の日本の攻撃は、16日夜放送のイタリア戦に迫る視聴率となった。 この煽りを受けて、裏5局は軒並み2%以下。 特にNHKとテレビ東京は1%に満たない数字となってしまった。TBS以外は壊滅状態だったのである。 しかもTBSは同試合を、ゴールデンタイムで再放送した。 午前
侍ジャパンの快進撃が続いている。 ここまで全て大差で5連勝。3大会ぶりの優勝まで、あと2勝に迫っている。 これら5試合のテレビ中継も、軒並み世帯視聴率は40%超え。 準々決勝のイタリア戦は48.0%(夜7時9分~9時54分)で、歴代WBC中継で最高記録となった(ビデオリサーチ関東地区データ)。 一方、興味深いデータもある。 特定層別視聴率を測定するスイッチメディアや、都道府県だけでなく市町村別視聴率を割り出しているインテージによれば、70歳以上の高齢者が格別に盛り上がっており、地域では岩手県の視聴率が傑出している。 ここまでのテレビ中継の見られ方を分析してみた。 初戦の中国戦は全集中 過去5戦の毎分動向は、侍ジャパンの強さを示している。 初戦の中国戦は大谷翔平が先発した。 4回を無失点におさえ、打撃陣も小刻みに加点し、8回裏の打者一巡の攻撃で勝負を決定づけた。 個人視聴率の毎分は、試合開始
放送前からネットを賑わせた『紅白歌合戦』。 「オワコン」とか「見たくない」などの批判が例年になく多かった。 ところが始まってみれば、世帯占有率は58.9%と過去5年で断トツとなった。テレビをつけていた家の6割が『紅白』を見ていたのである(スイッチメディア関東地区データ)。 ところが世帯視聴率は奮わなかった。 ビデオリサーチのデータでは、21年は過去最低の34.3%だった。スイッチメディアによれば今回は前後半を通じて0.5%の改善と出ているので、まもなく発表されるビデオの数字もあまり期待できない。 では何故『紅白』の視聴率は奮わないのか。 そもそもテレビをライブで見る人が減っている。今回も放送中のHUT(総世帯視聴率)は51.6%と、この5年で最低だった。 加えて高齢者と若年の音楽の好みが乖離するなど、幾つかの理由が加わって今回の『紅白』も視聴率が低迷した。 圧巻だった20年『紅白』『紅白』
7月19日に競技者としての引退を表明した羽生結弦選手。 テレビ朝日が4日後に、『羽生結弦感動をありがとう~終わりなき挑戦~』という緊急特番を放送した。 プロ転向に際して、これまでの軌跡を振り返りながら自らの言葉で未来を語る内容だった。同選手をよく知る松岡修造・荒川静香・織田信成らとのトークと、同局が取材した映像で構成されていた。 ところが視聴率を放送直後に速報しているスイッチメディアの関東地区データでみると、NHK総合と民放キー5局の中では意外にも最下位だった。冬季オリンピックで2大会連続金メダリストに輝き、各メディアも引退会見を大きく取り上げた話題の人だが、緊急特番は何故かあまり見られなかった。 その理由を、各種データから考察してみた。 7月23日の各局視聴率 羽生選手の緊急特番は、個人視聴率2.2%・世帯視聴率3.9%。 はっきり言って惨敗だ。 この夜の裏番組では、トップが日本テレビの
8日に起こった安倍晋三元首相の銃撃について、テレビ各局は報道特番を長時間放送した。 その結果、放送予定だった番組が休止された。 フジテレビ『坂上どうぶつ王国』、日本テレビ『竜とそばかすの姫』、テレビ朝日『マツコ&有吉のかりそめ天国』、TBS『この歌詞が刺さった!“グッとフレーズ!”』などだ。 ただしテレビ東京はほぼ通常の編成だった。 午後帯で速報を入れることはあったが、夜帯はアニメやバラエティなどを普段通りに放送した。これらに対してSNS上では、「テレ東に感謝します!」「各局何時間も特番流すほどの情報が何かあるわけ?」などの声が寄せられた。 この日の視聴率動向をみると、SNS上の発言が裏付けられる。 夜帯の報道特番は、必ずしも見られていなかったのである。どうやら特番ラッシュは、正しい編成とは言えないようだ。 持続しなかった関心 この日の視聴率推移を、前4週平均と比較してみよう。 ビデオリサ
2月24日、ロシアがウクライナ全土に対して本格的な侵攻を始めた。 ウクライナの首都キエフも、同日未明(日本時間の正午頃)にロシア軍の空爆を受けたが、その一報の伝え方はNHKや民放各局の間で異なっていた。 現地に入った日本のテレビ局のクルーは、どこから何を伝えたのか。 その差から浮かび上がる各局の報道姿勢を考えてみた。 第一報 JNNがキエフから生々しい中継 2月24日午後0時56分(ウクライナ時間午前5時56分)。 TBSの『ひるおび!』は、コメンテイターの発言を遮ってウクライナの首都キエフの中継に切り替えた。ヘルメットに防弾チョキ姿の増尾聡記者が登場し、「現地時間5時20分に爆発音を確認しました。空港の方向で赤い光が見え、爆発音が聞こえました。それから20分ほどの間に2回の爆発音を確認しています」と明かりがともった夜景を背景に、生々しいリポートを始めた。 しかも、この中継中にも爆発音が2
『第98回東京箱根間往復大学駅伝競走』は青山学院大学の圧勝で幕を閉じた。 ただし往路の1月2日も復路の1月3日も、中継した日本テレビの視聴率は前年より5%前後下がってしまった。 大会は大いに盛り上がったが、“テレビ離れ”の影響をモロに受け寒風が吹きすさんでいたのである。 これは大晦日の『紅白歌合戦』と全く同じ状況だ。 年末年始の人気番組の後退が示す、テレビのライブ視聴の変化を考える。 年末年始番組の失速ぶり 東京と箱根の往復217.1キロを大学生10人が襷をつなぐ箱根駅伝。 青学が往路も復路も制し、10時間43分42秒の大会新記録を樹立した。まさに爆速だ。 ところが青学の雄姿を追いかけたテレビ中継は、往路の世帯視聴率が26.2%で前年比4.8%ダウン。ここ10年で最低となってしまった。復路は28.4%で前年比5.3%のマイナス。やはり下げ幅はここ10年で最大だ(ビデオリサーチ調べ、関東地区
『第72回NHK紅白歌合戦』の世帯占有率が、過去5年で最高となった。 19年の世帯視聴率を大きく上回った20年の『紅白』より、今回の占有率は2.3%上回った。大躍進に見えたのである。 ところが2部の視聴率は、逆に2.3%ダウンしてしまった(スイッチメディア・関東地区調べ)。まもなく発表されるビデオリサーチの数字でも、40%割れとなる可能性が高い。 テレビを見ている人たちの中では、『紅白』視聴の割合が格段に高まった。 ところが大晦日の夜テレビをつけず、他のことをする人が増えたために視聴率が下がってしまったというのが真実のようだ。 これまで『紅白』は、若年層に見てもらう努力を続け、一定の成果を出してきた。 ある意味でその集大成ともいうべき『第72回NHK紅白歌合戦』は、残念ながら“テレビ離れ”を強く印象付ける回になってしまったようだ。 追い風の中での最高占有率 まず過去5年の『紅白』を振り返っ
吉沢亮主演『青天を衝け』が世帯視聴率11.2%で最終回を終えた。 コロナ禍の影響で例年より放送回数が少なかったが、2月14日の初回は20.0%だった。 舞台が視聴者の注目を集めやすい幕末明治維新であること、主人公が日本資本主義の父・渋沢栄一と大河として異色だったこと、演じたのが人気俳優の吉沢亮(27歳)だったことなどから、『八重の桜』以来8年ぶりの大台と船出を飾った。 視聴者の期待の高さがうかがえた。 ところが3月末には15%を切り、秋には12%台が普通になった。 コロナ禍や東京五輪で放送が中断されるなど、不運が重なったことは否めない。それにしても、最終回の11.2%は『八重の桜』の3分の2、以後の大河では史上最低だった『いだてん』を除くと最悪だった。 大河ドラマとして好条件が揃いながら、『青天を衝け』はなぜ最終回までに視聴者のほぼ半分が消えたのか。 視聴データから浮かび上がる課題と可能性
事前の苦戦予想を覆し、自民党が単独で絶対安定多数を確保した衆院選2021。 ただし開票速報を伝えた各局の放送上の闘いは、各党の死闘以上に混戦模様となった。 関東地区2000世帯5000人のテレビ視聴動向を調べるスイッチメディアによれば、31日24時までの4時間の個人視聴率では、首位争いは日本テレビとNHK。2017年の前回選挙でトップだったテレビ東京は、今回はフジテレビとの3位争いに後退した。そしてMCで話題を集めたテレビ朝日とTBSは、残念ながら後塵を拝する格好となった。 各局の明暗をわけた要因の筆頭は、当選者や政党の重鎮に対するインタビュー。 特に小選挙区で落選した甘利明自民党幹事長へのインタビューは、象徴的なコーナーとなった。そして次に各局の伝え方のテンポと鮮度が大きく影響したようだ。 視聴データに基づきポイントを整理してみた。 前回選挙との違い 2017年の衆院選挙では、フジだけが
芸能界を引退する夏目三久がキャスターを務める『あさチャン!』が大珍事の裡に終了した。 第2部(7時台)の世帯視聴率は6.1%(ビデオリサーチ関東地区調べ)。前4週平均の約1.5倍と数字的には成功したように見えるが、情報ワイドショーとしては決定的なミスを重ねた最後と言わざるを得ない。 何が問題だったのか。 ネットを賑わせたのは我武者羅應援團起用でのタイムキープ問題だが、実は演出についても疑問が幾つか散見された。 視聴データをもとに、制作上の課題を検証しておきたい。 最終回らしい快進撃 関東地区2000世帯5000人をサンプルとするスイッチ・メディア・ラボ(SML)関東地区データでみると、最終回は6時台の序盤こそ普段と大差なかった。 ところが途中からどんどん数字を伸ばし、特に同番組の7年半を振り返り始めた7時30分頃から急伸。夏目三久にスポットが当たったエンディングでは、個人視聴率は2.6%を
『鬼滅の刃』無限列車編の地上波初放送が、世帯視聴率で20%を超えた。 去年10月の劇場版公開に合わせた3話の放送は、平均が15.5%(ビデオリサーチ関東地区調べ)。無限列車編までを一挙に放送した今月の5話分は、14.2%でいずれも好調だった。 ところが25日放送の無限列車編は、これまでの平均を一挙に5%以上押し上げ、世帯平均を20%台の大台に乗せた。 夜9時から11時40分までの放送だったため、これまで最もよく見ていたC層(男女4~12歳)はあまり伸びなかったが、他に倍増した世代があり、結果として個人も世帯も3割以上率を押し上げた。 視聴者層はどう変わったのか。成功の要因は何だったのかを考える。 裏局をぶっちぎり フジテレビは放送の前番組として、『超逆境クイズバトル!!99人の壁』アニメSPを編成した。 「これさえみれば鬼滅の刃の魅力がわかる」と謳った番組で、横並びで個人視聴率トップだった
『鬼滅の刃』特別編集版が4夜まで放送された。 4作の平均個人視聴率は9.575%(世帯平均13.925%)。今年GP帯(夜7~11時)で放送された2時間以上のアニメの中では、圧倒的に高い数字となった(スイッチ・メディア・ラボ関東地区視聴率データによる)。 年始の新海誠『天気の子』に始まり、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』シリーズ3作、『ハウルの動く城』などジブリ映画5作、『サマーウォーズ』など細田守3作と、今年は劇場版アニメのテレビ放送が目白押しだ。 ところが『鬼滅の刃』は、これらの全平均と比べると1.5倍高い数字となった。 『鬼滅の刃』は他のアニメと何が違うのかを追ってみた。 鮮度が落ちない! まず個人視聴率で比較してみよう。 単独の放送で比較すると、『鬼滅の刃』とほぼ肩を並べたのは、18年1月3日に地上波初となった新海誠『君の名は。』のみ。 ところが同作の2回目の放送(19年6月)は3%ほ
人気アニメ『鬼滅の刃』の「特別編集版」1~2夜が放送された。 今月11日から23日まで5日間にわたる一挙放送の最初の週末だ。土日のゴールデンタイム(夜7~10時)は、各局が強力な番組を並べる激戦区だが、今回の放送によりほぼ全ての裏番組が視聴率を落とした。 そして『鬼滅の刃』だけが、前4週の同時間平均と比べ倍以上に視聴率を上昇させた。あおりを食らった各番組は、『世界の果てまでイッテQ!』をはじめ、ほとんどが壊滅状態だ。 『鬼滅の刃』快進撃のメカニズムを追ってみた。 週末の快進撃 まず9月11日(土)に、第1夜として「兄妹の絆」が放送された。 放送開始前後の10分間で、個人視聴率は2%ほど急伸した。そして右肩上がりが続き、9時1分に最高視聴率11.3%を記録した(スイッチ・メディア・ラボ関東地区視聴率データによる)。主人公の炭治郎が最終の選別試験に合格し、受け取った日輪刀を抜くと刀が漆黒に染ま
今年も『24時間テレビ 愛は地球を救う』が放送される。 44回目の今回は、コロナが「感染爆発」する中での本番だ。 フジテレビは昨年に続き『FNS27時間テレビ』を見送ったが、日本テレビは「今年もどんな形であろうが必ずやる」と明言してきた。 反対や疑問視する声が出ているにもかかわらず、同局はなぜ強行するのか。 そこには民放テレビ第1号のDNAと経緯が存在する。 逆風の中で 昨年に続き今年も『24時間テレビ』の本番がやってきた。 ただし今までと異なるのは、新規感染者25162人・重症者1765人と、ともに過去最高を更新するコロナ「感染爆発」の最中で本番当日を迎えている点だ。 出演予定だったお笑いコンビ「くりぃむしちゅう」の上田晋也が先月末に感染した。 現場は厳戒態勢で、「もしも出演者か演者と接するスタッフが感染し、クラスターが発生した場合、番組途中でも放送中止があり得る」とピリピリムードだ。
『24時間テレビ 愛は地球を救う』44の放送が終わった。 今回のメインテーマは「想い~世界は、きっと変わる。」だったが、はっきり言って視聴率は不調だったと言わざるを得ない。 関東2000世帯・5000人をサンプルに視聴率測定をするスイッチ・メディア・ラボによれば、過去3年と比べて今回は、世帯視聴率が終始一貫してほぼ最低で推移した。 コロナが「感染爆発」する中での本番だったが、何が原因だったのかを追ってみた。 逆風の中で 拙稿「なぜ日テレは『24時間テレビ』にこだわるのか?~民放テレビ第1号のDNAと60年の物語が前提!~」で詳述したが、今回の放送はこれまでで一番厳しい状況で本番を迎えた。 新規感染者・重症者ともに過去最高を更新する中での本番当日だった。 出演予定者の感染があった。現場は厳戒態勢で、「もしも出演者か演者と接するスタッフが感染し、クラスターが発生した場合、番組途中でも放送中止が
東京五輪2020の開会式。 スマートテレビでの見られ方を調べる東芝視聴データ「TimeOn Analytics」によれば、世帯視聴率は42.5%。2016年リオ大会の14.7%と比べて約3倍となった。これは去年暮れの『第71回NHK紅白歌合戦』をも大きく上回る。 今大会については、メインスタジアムの建て替え問題をはじめ、コロナ禍による1年延期と無観客での実施や、閉開会式演出でのゴタゴタなど異例の出来事が続いた。 また開会式が始まっても、会場外では五輪反対派が抗議デモを行うなどで、世界からはいろいろな意味で注目されるオリンピックとなった。 その東京五輪の開会式。 ネット接続テレビの視聴率より、ビデオリサーチ(VR)の数字は高齢者の比率が高い分大きくなることが多いので、26日(月)に発表される同社データでは、世帯視聴率は50%前後になっている可能性もある。 では何故かくも高い数字が出たのか。人
菅内閣の支持率が急落している。 7月13日の読売新聞オンラインは「菅内閣の支持率37%、不支持率は過去最高53%」のタイトルだった。 16日の時事ドットコムは「菅内閣支持29.3%、発足後最低 初の3割割れ」。17日の毎日新聞は「菅内閣の支持率30%、発足後最低」の見出しだった。 ところが12日のNHKだけ、「世論調査/菅内閣 支持33% 不支持46%」と数字が羅列されるだけで、キーワードの「最低」や「最高」の表記がない。 ニュースとは、新たに起こった出来事を伝える営みだ。 どんな意味があるかなどを掘り下げることで、人間性・社会性・地域性・国際性などで価値判断がされると、日本新聞協会は解説している。 ところが価値判断を示さないNHKニュースは、あえて論点をぼかそうとしているように見える。 前提には菅内閣への忖度があり、その傾向が増す一方なのではないだろうか。 ニュースタイトルに「最低」なし
今月半ば、松本人志が「勉強不足のバカライター」と怒りをあらわにしたツイートをした。 テレビ番組の視聴率報道を罵ったもので、確かに今や時代遅れの世帯視聴率だけでいい加減な記事を書き続けるネット記事などのライターへの怒りは分からないではない。 しかしテレビ界が直面するより深刻な問題は、“バカライター”の低レベル記事が業界に悪影響を及ぼしているなどの些末な問題ではなく、テレビのライブ視聴が死に始め、やがてテレビ業界の価値を大きく棄損しかねない点だ。 問題の本質はNHK放送文化研究所が実施した「国民生活時間調査」の中にある。 何が問題なのか、明らかにしたい。 松本人志の怒りバクハツ 松本人志の6月15日ツイートは以下の通り。 6月8日に放送されたバラエティ番組『千鳥の相席食堂 ゴールデンSP』(朝日放送)の視聴率が低かったというネットニュースに対する批判だった。 記事は同番組の世帯視聴率が5.8%
東京オリンピックの開会式まで1か月余り。 G7首脳宣言に東京オリパラ支持が盛り込まれ、菅首相が「感染症対策を徹底して安全安心のオリンピックを行う」として、開催準備が着々と進められている。 いっぽう組織委員会の説明不足もあり、感染症の拡大を懸念する反対や延期の意見も根強い。 6月7日の読売新聞朝刊は「五輪『開催』50%『中止』48%」という見出しが一面だった。 6月5~6日のJNN世論調査は、「中止」31%と「延期」24%で過半となった。そして観客数ごとの3択を合計した「開催」は44%と過半数に達しなかった。 果たして国民の本当の意見は、どこにあるのか? NHK世論調査の3つの疑問 こうした中、6月11~13日に行われたNHK世論調査の結果は以下の通り。 「開催」が3択合わせて64%で「中止」の2倍を超えた。 しかもNHKの世論調査では、ほぼ同じ時期に調査した他のメディアと比べて、「開催」支
東京オリンピックの開会式まで50日を切った。 これまで菅首相の記者会見に一緒に立つことの多かった政府分科会の尾身茂会長。 ところが6月2日、「(五輪の開催は)普通ではない」と発言したために、両者の間で不協和音が聞こえ始めた。 しかも尾身会長は3日連続で、五輪開催に警鐘を鳴らし続けた。 対する政府側の反応はそっけない。 この国際的な大イベントを直前にした政府内のゴタゴタに対して、NHKは的確な報道をできているだろうか。検証してみた。 今回の予兆 そもそも尾身会長は、このところ気になる発言をしていた。 4月28日の衆議院厚生労働委員会では、「開催に関する議論をすべき時期に来ている」と述べていた。ところが政府の諮問はなかった。 5月14日の政府の基本的対処方針分科会。 専門家らが政府の方針と異なり、北海道・岡山・広島の3道県に緊急事態宣言を出すよう要請した。この時に尾身会長は、「専門家が反対した
9都道府県の緊急事態宣言が、今月20日まで再延長された。 コロナ対策と東京オリパラへの対応が後手にまわり、菅首相の政権運営は火の車だ。そして頼みのワクチン接種も、出遅れたためか進捗の遅れや不手際が目立つ。 その菅首相をNHKニュースは、やたらと露出させている。 首相官邸HPによれば、菅首相の会見は政権発足当時こそ少なかったが、昨年末から増え、今年になってからは「記者会見」「ぶら下がり会見」は、2日に1回弱の頻度となっている。 それらをせっせと放送するのがNHKニュースで、中でも頻発される「ぶら下がり会見」を必要以上に露出しているのが『ニュース7』だ。 その報道姿勢に問題はないだろうか。 ニュース価値がないのに特別扱い 「ぶら下がり会見」の模様は、映像と音声をそのまま使ってたっぷり放送されることが多い。 例えば5月27日(木)。 9都道府県の緊急事態宣言の延長について、この日は午後6時過ぎか
NHKは10日、新年度の番組キャスターの変更を発表した。 『クローズアップ現代+』は、武田真一アナウンサーから井上裕貴アナ・保里小百合アナの2人キャスター制となる。『ニュースウオッチ9』は、有馬嘉男キャスターから田中正良記者にバトンタッチされる これらの中で、有馬キャスターの降板は「官邸の怒りをかった」などの報道が出たが、正籬聡放送総局長は「自主自律は生命線。誰かに何か言われたからということは一切ない」と疑惑を否定した。 人事については、確証で理不尽を証明するのは難しい。 ただし有馬キャスターを外したNHKのニュースについては、ファクトで偏向ぶりを示すことは可能だ。この半年、世論調査が恣意的に報道されているからだ。 何に納得できないか、明らかにしたい。 内閣支持率の伝えられ方 NHKが2月5~7日に行った2月の世論調査が、8日の『ニュース7』で放送された。 まずここで注目したいのは、月例の
プロ野球日本シリーズが始まった。 2年連続で「巨人vsソフトバンク」となったが、去年は6年ぶりに日本シリーズに進出した巨人が、ソフトバンクに4タテの惨敗に終わっている。 実は試合内容以上に悲惨だったのは、両チーム地元での視聴率。 4試合平均で40%弱のソフトバンクに対して、巨人は10%弱と4倍の差となった。しかもシリーズ中に開催されたラグビーW杯の「日本vs南ア」と比べると、世帯視聴率は4倍以上だが、T層(男女13~19歳)と1層(男女20~34歳)の個人視聴率では6倍近く開いてしまった。 関東地方では、夜のテレビ番組としてお荷物となっている巨人戦。もし今年、巨人が2勝以上すると、日本テレビおよび系列局には大きなマイナスに作用しかねない。 どんな事情があるのか、分析してみた。 去年の惨状去年の日本シリーズは、ソフトバンクの4連勝で幕を閉じた。 ビデオリサーチが計測する関東地区の世帯視聴率は
第203回臨時国会が10月26日に始まった。 この前後から夜のTVニュースは、国会での議論はいうに及ばず、野党が論点の一つとする日本学術会議の問題も取り上げるようになっている。 ただしその分量や掘り下げ方を比べると、番組間の落差は途轍もなく大きい。 報道関係者の中には、その状況を見て“TVニュースの劣化”を嘆く人も少なくない。 学術会議関連のニュースは、番組によってどう異なる取り上げられ方をしたのか。その差は何を意味しているのか。TVニュースの状況を考えてみた。 大差のついた10.23菅内閣は9月、高い内閣支持率でスタートした。 ところが10月に入ると、各社の世論調査で軒並み内閣支持率が低下した。発射台が高かったので、なお低くない数字だが、低下幅にフォーカスすると下落ぶりは決して小さくない。 その最大の原因とみられるのが、日本学術会議の候補者6人が政府から任命されなかった「学術会議任命拒否
初回22.0%・2話22.1%と順調なスタートを切った堺雅人主演『半沢直樹』。 47都道府県別のドラマBEST10で見ると、秋田県を除く46都道府県でトップを疾走している。秋田県で首位を逃した理由は、TBS系列の局がないこと。日テレ系列の秋田放送が、一週遅れで日曜12時に放送しているためだった。それでも1位『ハケンの品格』に肉薄する健闘ぶりだ。 実はもう1県、ドラマの順位で波乱のエリアがある。 やはりTBS系列がなく、民放が2局しかない福井県だ。ここでは日テレ系列の福井放送が、同じく一週遅れの日曜午後に放送している。ところが行政上エリア外の石川県北陸放送の『半沢直樹』が、ブッチギリでトップをとっている。 本来のエリア外の番組が、トップに君臨する摩訶不思議を考えてみた。 福井県の怪秋田を除く全国46都道府県で首位を行く『半沢直樹』。 全国約205万台のインターネット接続テレビで視聴動向を調べ
堺雅人主演『半沢直樹』が初回視聴率22.0%に続き、2話で22.1%となった。 多くの場合、連続ドラマは初回が高くても、2話で落ちることが多い。いわゆる“2話の谷”だ。 ところが『半沢直樹』は第1シリーズに続き、第2シリーズでも2話で数字を落とさなかった。立役者はF1(女性20~34歳)と企業で部課長を務める管理職。 一方、マウンティングは苦手なのか、若年男子は“2話の谷”にしっかり陥っていた。 層別に視聴動向がどうなっているのかを追ってみた。 2話の谷連続ドラマは、とにかく初回を見てもらわないと話にならない。 そのため各局は、初回の番組宣伝に注力する。主役やメインの俳優を、放送開始直前に情報番組やバラエティ番組に多数出演させるなどは、その最たるものだ。 『半沢直樹』も初回放送までに、主人公役の堺雅人が9番組に出演した。妻役の上戸彩も5番組、主人公の敵を演ずる市川猿之助も3番組、ご存知・香
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『鈴木祐司の記事一覧 - エキスパート - Yahoo!ニュース』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く