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1909年の発売以来、賛成派と反対派による論争が続いている、うま味調味料の「味の素」。いったいなぜ、うま味調味料にネガティブなイメージを持つ人が増えたのだろうか? ここでは、戦後日本の歴史を“味覚の変遷”から読み解いた、澁川祐子氏の著書『味なニッポン戦後史』(集英社インターナショナル)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/2回目に続く) 「中華料理店症候群」の後遺症 引き金になったのは、1968年にイギリスの医学雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載された「チャイニーズ・レストラン・シンドローム(中華料理店症候群)」と題する報告だった。 その内容は、中華料理を食べたあとに頭痛や発汗、しびれなどの症状が多数起きているというものだった。さらにその原因の1つとして、中華料理に多く含まれるグルタミン酸ナトリウムの可能性が示唆されていた。これが話
私自身、ちょっと大げさになるが、このように痛快なフェミニズム的連帯の物語をこれほどのメジャーな媒体で、生きている間に見られるとは思ってもいなかった。感動を持って見始めたし、今も毎回感動しながら見ている。 さて、そのように感動してしまっている私は一応男性を自認する者なのだが、このような女たちの物語を、男性はどのように受けとめればいいのだろうか。 ひとつの方法は、そもそもそのような疑問は抱かず、黙って、女たちの物語としてこのドラマを観ることだろう。何か一言言ってやりたいという自分の欲望には冷たい水をかけながら、女たちの物語をあるがままに受けとめることが、まずは必要である。 それを確認した上で、ほかならぬ私自身が「一言言ってやろう」という欲望に動かされているのかもしれないと恐れつつ、『虎に翼』の女たちが特筆すべきものであるのと同様に、このドラマの男たちもこれまでにない人物造形になっていることは、
関西版の編集局コラムだがこの日は阪神の今季初勝利を伝える紙面で興奮気味。「虎に翼」は中国の書物『韓非子』に登場する言葉で「鬼に金棒」という同義語から、 《強い上に、さらに強さが加わるという意味。さぁ、日本一・阪神に加わる「翼」は誰かな?!》 と締めていた。ゴキゲン。 “虎党”デイリースポーツは… さて、熱心な阪神報道といえばデイリースポーツだが、『虎に翼』で主人公を演じる伊藤沙莉にインタビューしていた。 『伊藤沙莉 朝ドラ『虎に翼』は「楽しさが勝っている。大変なところも」女性不利の時代ヒロインに共感』(4月8日) 《伊藤が演じる「トラコ」こと猪爪寅子(ともこ)は実在する日本初の女性弁護士・三淵嘉子さんがモデルで女性の地位向上に貢献した人物。撮影にあたって、理解を深めるために三淵さんの通った明治大学で実際に法律の講義も受けた。》 デイリーは伊藤から「寅子のもんもんとした気持ちを作るのにとても
賃貸物件に住んでいると、定期的に訪れる「契約更新」。ひと月に家賃と更新料を支払うのも億劫だが、更新とともに翌月から家賃の値上げを知らされることも珍しくない。 家賃の増額を通知する紙に「近傍同種建物の賃料相場や物価上昇に伴い値上げする」という記載があっても「それって関係あるの?」と、釈然としないまま部屋の契約を更新した、なんて人もいるだろう。そこで、賃貸物件の家賃の値上げにまつわる謎について、不動産のプロに解説をしてもらった。
このバイアスは、自分の将来や身のまわりの環境について「いいことは起き、悪いことは起きない」と楽観視してしまうことですが、これを「楽観バイアス」と言います。 社会心理学者は「楽観バイアスが災害場面で発揮されると正常性バイアスになる」と説明しています。つまり両者は、本質的には同じものです。 楽観バイアスも、精神的な安定を求めるために生じます。そのほうが生き残りに有利だからです。たとえば「自分はいつ死ぬのか」と、悲観しながら過ごすより「今日も明日も生きていけるだろう」と思っていたほうが、前向きな行動を取りやすくなります。 とはいえ、楽観バイアスが原因の一つとなって、死亡事故に繋がる事件が起きたと思われる事例もあり、無視はできません。近年で言うと、2022年9月に静岡県で起きています。 3歳女児がバスに置き去りされ死亡 3歳女児がバスに置き去りにされ、熱中症で死亡してしまった事件です。 バスを運転
日本でも共同親権に慎重・反対する人は、DV被害者が加害者との関係性を断ち切ることが難しくなり、DV関係が継続してしまう懸念を表明することが多い。 「情熱による犯罪」としてDVの弊害を過小評価していたフランス だがフランスが1987年から2002年にかけて徐々に離婚後の共同親権を法制化した際、「家庭内暴力についての懸念はあまり議論にならなかった」という。社会学者のアンヌ・マリー・ドヴルーは当時をこう振り返る。 「2002年にももちろんDVは存在していたが、『me too運動』が起きるまでは社会的な認知がとても低かった。だからDVの心配をする声は大きくなかった」 さらにフランスではDVのことを、愛情が強すぎるために暴力に至る「情熱による犯罪」だと考えられていた時期が長く、その弊害が過小評価されてきた歴史がある。 さらにフランス法では「父権」という概念が伝統的に存在し、1970年までは母親ではな
PCまわりのデバイスは、技術の進歩によるモデルチェンジが極めて早いスピードで行われるのが当たり前。しばらく前には普通に使われていたアイテムが、いつの間にか姿を消していることも珍しくありません。 さらに10年や20年といったスパンになると、それがいったい何のために存在した品だったのか、背景から説明しなければ理解してもらえないこともしばしばです。今回はそのような、現在では完全に姿を消したものの、四半世紀前には確かに存在した「前世紀の遺物」3つを集めてみました。
父の葬儀には列席したという 「デビューから現在までの写真やポスター、コンサートの衣装などを展示。会場中央の椅子に腰かけた等身大のフィギュアは本人と見間違うほど精巧で、マスコミ用の内覧会に出席した倉木自身も『びっくらき(笑)』と驚いていました」(スポーツ紙記者)
コロナワクチン ©️時事通信社 超過死亡とは、例年のデータから統計学的に推定される死亡の予測値に対し、実際の死亡がどれだけ上回ったかを示すものだ。これまでも厚労省の審議会などでコロナワクチン接種との関係が議論となることがあったが、国立感染症研究所の鈴木基・感染症疫学センター長は、超過死亡数の増加とワクチン接種のタイミングとはズレがあるため関連づけるのは合理的ではない、という結論を出している。 だが、福島氏はこの結論について「早計ではないか」という見解を持っている。 〈なぜなら超過死亡を適切に評価するには、以下の3つの条件を満たす厳密な解析をすべきだからです。 (1)年齢調整死亡率を用いること (2)死因別に調べること (3)少なくとも10年は遡って死亡率の推移を見定め、統計学的に正しい手法で証明すること 厚労省の議論は死因別ではなく、全死亡の超過死亡数を扱ったものでした。また、高齢化著しい
日本では「男女平等の先進国」というイメージが強いフランス。現在日本で議論になっている離婚後の「共同親権」も87年に導入し、男女平等のシンボルとなっている。 しかし実は、現在このシステムが遠因になって引き起こされた家庭内暴力が問題視されていることは、日本ではあまり知られていない。背後にはフランス社会に蔓延する子供への性暴力の問題と、司法の機能不全があった。 幸せな生活をふたりで築けると信じていたハイディは仕事をやめ、もとの家も引き払って、トムの家に引っ越した。当時からトムはたまに怒ることはあったが、ハイディは「何かのきっかけで頭に来るなんて誰にでもあること」と深く気にしてはいなかったという。 「一緒に住みはじめた瞬間に本当の自分を露わにしたんだと思います」 しかし現在、彼女は当時の状況について「罠にかけられたようなものだった」と表現する。「優しくて、ユーモアがあり、私の求めるものを全て与えて
4月上旬に岸田文雄首相から電話で聴取をされた際のやり取りについても詳細に明かしたが、その内容は、岸田首相のこれまでの説明と大きく異なっており、今後の国会で議論となる可能性が高い。 「岸田首相は国会などで、裏金作りへの関与について、森元首相に直接尋ねたと説明してきましたが、森元首相はインタビューで、キックバックへの関与などについて、岸田首相から具体的な質問はなかったと語っています。5月10日には政治改革を議論する特別委員会が参院で開催される予定です。今後の国会で、岸田首相は森元首相の証言について追及されると見られます」(政治部記者)
豊島将之九段が藤井聡太名人に挑戦する第82期名人戦(主催:朝日新聞社・毎日新聞社・日本将棋連盟)七番勝負第2局が、4月23日から24日にかけて千葉県成田市「成田山 新勝寺」で行われた。 豊島は、第1局では後手番で意表の横歩取りを採用した。先手ではどんな戦型を選ぶかが注目だったが、選んだのは相掛かりだった。両端を突き合ってから、豊島はすぐに飛車先を交換する。今年1月、第82期A級順位戦の広瀬章人九段戦でしか指したことがない出だしだ。その対局では広瀬が△6四歩としたのに対し、右桂を跳ねていった。 すぐに急戦になる可能性もある。序盤早々盤上に緊張感が走る。藤井は26分の考慮で、すぐに角道を開けた。今度は豊島が手を止め17分の考慮で角道を開けた。水面下の駆け引きが行われている。 藤井聡太名人が1勝して迎えた名人戦第2局 43年振りに名人戦で「ひねり飛車」が登場 この対局の1週間前に、今をときめく藤
会社帰りと思われるスーツ姿、試合中なんども握りしめたのであろうくしゃくしゃになった中川颯タオルを頭上に掲げて、インタビュー中のヒーローに向かって何度も飛び跳ねていた。なんだかたまらなくなって声をかけてしまった。 「おめでとうございます」 羨ましかった。ぐしゃぐしゃになりながら応援できる存在がいることが 汗なのか涙なのか、笑顔なのか泣き顔なのか、頭上の颯タオルくらいぐしゃぐしゃになりながら男性は言う。 「颯、後輩なんです! 桐光の後輩なんです! 今日横浜から見にきたんです! よかったです……」 周りのベイスターズファンからも「おめでとう!」という声が上がっていた。颯タオルを誇らしげに掲げたままバンテリンドームの階段を降りていく男性の後ろ姿があまりにも美しくて、しばらくぼうっと眺めていた。 羨ましかった。あんな風にぐしゃぐしゃになりながら応援できる存在がいることが。忘れていた感情が胸の奥を刺し
《登録者数20万人》人気VTuber「餅月ひまり」突然の活動終了のウラで「胡桃ふゅ」に“転生”していた 「クラファンが完遂していないのに」「ファンへの裏切り行為では」
「維新の躍進は政権批判票の受け皿になったから。補選でも自民党を真っ向から批判すべきなのに、馬場さんは立憲民主党や共産党批判を繰り返すばかり。票が伸びないのは当然です」 日本維新の会の馬場伸幸代表(59)への不満を小誌に“告発”するのは、維新の若手衆院議員A氏だ。
この記事によると、小林製薬の紅こうじ成分入りサプリメント問題を巡る記事で取材先の談話を捏造したとして、読売新聞大阪本社は1日、社会部主任の記者(48)を諭旨退職、取材をした岡山支局記者(53)を記者職から外し、休職1カ月の懲戒処分にすると明らかにした。編集局幹部ら3人も更迭する方針だという。 読売新聞はどう報じたか ではこのニュース、読売新聞はどう報じてきたのか。問題の記事は4月6日付夕刊だった。 『紅麴使用事業者 憤り 小林製薬製 回収・販売中止 打撃』(読売新聞) 小林製薬と取引がある企業について書いている。商品の自主回収や顧客への説明に追われていると。ソーセージやベーコンを製造・販売する岡山県の企業の社長談話として、 「突然、『危険性がある』と言われて驚いた。主力商品を失い、経営へのダメージは小さくない」 「補償について小林製薬から明確な連絡はなく、早く説明してほしい」 などが載って
日本の半導体産業は「世界から10年遅れ」と呼ばれる状況が続いていたが、2024年は2つの追い風を理由に「シリコン列島日本」の幕開けの年になるかもしれない。そう語るのは40年にわたって半導体業界を追ってきた泉谷渉氏だ。 ◆◆◆ 日本の半導体産業に2つの「追い風」 「半導体は今や世界の『戦略物資』とも言うべき存在だ。安全保障の要であり、我が国においても半導体産業は異次元の国家的支援の対象となる。現に2023年度の補正予算では2兆円もの金額を投入した」 自民党の幹部が唸るように呟いた言葉だ。
壮大な山の自然を感じられる登山やキャンプがブームになって久しい。しかし山では、「まさかこんなことが起こるなんて」といった予想だにしないアクシデントが起こることもあるのだ。遭難者の「生死」を分けるものは一体何なのか。 山で遭難し、生死の境をさまよった後に生還した登山者に羽根田治氏が取材した著書『ドキュメント生還』(ヤマケイ文庫)より、丹沢・大山(おおやま)で起きた遭難事例「低山で道迷いの4日間」を紹介する。(全2回の1回目/後編に続く) ◆ ◆ ◆ 祖父・母・妹と日帰りハイキングへ 早苗(仮名・24歳)が母親(49歳)と妹(22歳)、それに父方の祖父(86歳)の4人で丹沢・大山(おおやま)への日帰りハイキングに出かけたのは2006年10月15日のことである。 祖父の登山歴は50年以上で、海外登山の経験もあり、以前ほどではないにしろ、86歳になった現在もたまに山に登っていた。大山にもこれまで二
ギャンブル依存症は意志や根性ではどうにもならない、治療すべき病気である――。 そう語るのは、「ギャンブル依存症問題を考える会」の代表理事である田中紀子さんだ。田中さんは祖父、父、夫のギャンブルと借金に振り回される人生を送り、自分もまたギャンブル依存症になってしまった過去がある。 ここでは、ギャンブル依存症が引き金となった事件をまとめた田中さんの著作『ギャンブル依存症』(2015年刊行、角川新書)から一部を抜粋して紹介する。カジノがない国であるにも関わらず、「ギャンブル大国」となっている日本の実態とは――。(全2回の1回目/続きを読む) ◆◆◆ 20人に1人がギャンブル依存症の日本人 「病的ギャンブラー」は全国に536万人いると推計される──。 2014年8月に厚生労働省研究班の調査結果として発表された数字は、折りしもカジノ建設議論と重なり社会の耳目を集めました。 この数字は、前年(13年)
◆◆◆ 伊藤忠商事からニュージーランドにある森林木材事業の関連会社に出向していた30代の経理担当元男性社員が、12年から14年のあいだに約7億円を横領していた事件。架空の請求書を作成するなどして、会社の口座から自分の口座に資金を複数回送金させていた。 その全額をFX(外国為替証拠金取引)に注ぎ込んでいたが、社内監査が迫り、発覚は免れないと判断。自分から不正を会社に申告して懲戒解雇処分を受けている。 ©kimtoru/イメージマート その後、伊藤忠商事は、業務上横領容疑で警視庁に告発する方針を固めて、この事件を発表した。元社員は警視庁に逮捕されている。 エリートがはまる罠 最近は私たちの会に寄せられる相談ではFXに関するものがトレンドのようになっています。 FXをギャンブルにカテゴライズしていいのかという問題は別にして、FXをギャンブルに変えてしまう人たちがいるのは間違いないことです。 FX
対話型人工知能「チャットGPT」を開発したサム・アルトマン氏は、AIが人類を超えた後のことまで考えているという。AIブームを牽引する天才の思想を、作家の橘玲氏が解説する。 ◆◆◆ ディストピアをユートピアへ サム・アルトマンは1985年にミズーリ州セントルイスで生まれ、皮膚科医の母から8歳のときにアップルコンピュータをプレゼントされたことで、スティーヴ・ジョブズが「アイドル」になった。州内の私立学校を卒業したあと、スタンフォード大学のコンピュータサイエンス科に入学したが1年で中退、位置情報ベースのモバイルアプリを開発する会社を創業し、ベンチャー投資ファンドや暗号通貨「ワールドコイン」の発行を手がけたのち、イーロン・マスクなどから投資を受けた生成AIの開発企業「オープンAI」のCEOに就任した。 オープンAIはマイクロソフトと提携した対話型人工知能「チャットGPT」で近年のAIブームを牽引し
動物との共棲を目指して設立された「動物王国」で人気を集め、作家としても活躍した“ムツゴロウさん”こと畑正憲氏。23年4月5日に87歳で惜しまれつつこの世を去った彼の麻雀の腕前は相当なもので「10日間不眠不休で打ち続けた」こともあるという。ここでは『ムツゴロウ麻雀物語』(中公文庫)より一部抜粋。親交を結んだ阿佐田哲也氏らとの思い出を振り返る。(全2回の前編/続きを読む) ◇◇◇ 東京大学2年生の時に麻雀を覚えた 私は麻雀を、大学2年の冬におぼえた。これはオクテの方である。 満州じこみだと威張る父、寮で習いおぼえた兄が相手だった。私はルールブックを読みながらついて行った。たわいもない家族麻雀であり、一荘をこなすのに4時間かかったりした。 動物学科に入ってから、同級生5人が、すべて打てるので驚いた。さほど上手くはなかったが、実験のしこみをした待ち時間などにヘイを乗りこえて前の雀荘で遊んだものであ
今回、福島刑務所を視察したのには理由がある。あまり知られていないが、じつは2022年3月、ここで60代の男性受刑者が他の受刑者から集団で暴行を受け、死亡する事件が発生。地元誌「政経東北」によると、死亡した男性は脳梗塞の影響で失禁を繰り返していたが、同室の受刑者がこれに苛立ち、日常的に殴る蹴るの暴行に及んでいた。被害者は複数回にわたり転室を願い出たにもかかわらず、刑務官が放置したとも報じられ、事件に至るまでの対応も問題視されている。 福島刑務所は2000年代に受刑者の過剰収容が問題となった際、多数の職員を雇用したが、法務省はそれ故に刑務官への教育が不十分だったのではないかと考えた。杉が自ら足を運んだのは人材育成と指導のためだった。 「受刑者をきちんと見ていれば察知できるはずだろう。どれだけ仕事をおろそかにしていたのか……。見て見ぬふりしたことが、後で必ず問題になる。こういうことを言うと、みん
国民的アイドルグループの全員から愛され、長年苦楽を共にしたプロデューサーの死に駆け付けたメンバーたち。だがそこにあの男の姿はなく……。「SMAPを守ろうとした男」の願いは夜空ノムコウに消えてしまうのか? 再結成は“夜空ノムコウ”にしかないのか? 2月17日夜、世田谷区の斎場には多数の芸能人が訪れていた。芸能界関係者からの供花が故人の遺影を囲むように埋め尽くし、係員は「30年間でこんなに花が届いたのは初めて」と驚いていた。 その日営まれたのは、フジテレビ名物プロデューサー・黒木彰一氏の通夜。13日に白血病のため54歳の若さで亡くなった。参列したヒロミ、爆笑問題、キャイ〜ン、ベッキー、DAIGOは、黒木氏が担当した『笑っていいとも!』のレギュラーメンバーたちである。翌日の告別式にはタモリが参列した。 会場の外に報道陣が詰めかけたのには理由があった。あの国民的グループが“再集合”するのではないか
《山梨・同僚女性死体遺棄事件》「殴り続けていると動かなくなった」逮捕のストーカー男(35)あまりに身勝手な言い分「単身赴任で山梨に」「恋心を抱いていたが実らなかった」
〈“戦後史最大のミステリー”として、いまなお多くの謎につつまれる占領期最大の未解決事件「下山事件」〉。今年3月に「NHKスペシャル」で取り上げられ、あらためて話題を呼んだ。「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない」。祖父についての親族の証言を契機に「下山事件」に新しい光を当てた作家・柴田哲孝氏の著書『下山事件 最後の証言 完全版』(祥伝社文庫)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の2回目/前編から続く) ◆ ◆ ◆ 祖父の後ろ姿を追っていた幼少期の記憶 かすかな記憶がある。 私は泣きながら、必死に祖父の後ろ姿を追っていた。 季節は、初冬だった。まだ生まれたばかりの弟が母の背に負ぶわれていた頃だから、私はおそらく3歳にはなっていなかったと思う。午前中の穏やかな日射しが、街並を淡い色に染めていたことを覚えている。 祖父の背中は遥か遠くにあった。私は、何かを叫んでいた。祖父の名
「何をしてたんですか、仙谷さんは! 言っておいたでしょう、私は日中関係を大事にする政治家なんです!」 2010年9月18日、菅直人総理は首相公邸で仙谷由人官房長官に怒りを爆発させました。尖閣諸島付近で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突してきた事件から11日後、前原誠司外相や福山哲郎官房副長官らに加え、佐々江賢一郎外務次官や齋木昭隆アジア大洋州局長、そして中国課長だった私も同席して、事件処理に関する協議を行いました。仙谷さんが黙って俯(うつむ)いていると、 「外務省は何をやってるんだ!」 菅総理の怒りは収まらず、矛先は前原さんのほか、外務省にも向けられました。ただ、中国漁船が海保の巡視船に故意にぶつかってきて逮捕相当と見なされたわけで、外務省に責任はありません。それでも総理の発言ですから、みんな黙っていました。 菅総理が「外務省には専門家はいないのか!?」とまた怒鳴ると、隅の方でスチール椅子
〈“戦後史最大のミステリー”として、いまなお多くの謎につつまれる占領期最大の未解決事件「下山事件」〉。今年3月に「NHKスペシャル」で取り上げられ、あらためて話題を呼んだ。「あの事件をやったのはね、もしかしたら、兄さんかもしれない」。祖父についての親族の証言を契機に「下山事件」に新しい光を当てた作家・柴田哲孝氏の著書『下山事件 最後の証言 完全版』(祥伝社文庫)より一部を抜粋して紹介する。(全2回の1回目/後編に続く) ◆ ◆ ◆ 戦後史最大の謎「下山事件」 21世紀は、かつて遥か遠い未来だった。 だが、いつの間にか我々は、その時代を現実として歩み始めている。 気が付けば平成という年号も日常の隅々にまで浸透して久しい。同時に「激動の昭和」と呼ばれた時代は次第に過去へと押し流され、少しずつ人々の記憶から忘れ去られようとしている。 だが、けっして風化させてはならないものもある。 戦後の動乱が明
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