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男だけを殺す感染症によって男性人口が激減した時、社会はどのような変化を遂げるのか?──『男たちを知らない女』 - 基本読書
男たちを知らない女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:クリスティーナ スウィーニー=ビアード早川書房Amazonこの... 男たちを知らない女 (ハヤカワ文庫SF) 作者:クリスティーナ スウィーニー=ビアード早川書房Amazonこの『男たちを知らない女』は、クリスティーナ・スウィーニー=ビアードのデビュー作にして、もし世界に男だけを殺す感染症が広まって、社会の構成要員がほぼ女性だけになったら、その時何が起こるのかを描き出す感染症&ジェンダーSFである。 「男だけを殺す感染症」は、成人向けコミックスでよく見かける他、日本SF大賞を受賞したよしながふみの『大奥』の存在もあって、本邦ではそう珍しい存在ではない。そんな先行作(?)に対して、本作(『男たちを知らない女』)の特徴といえるのは、舞台を2020年代の近未来に設定し、社会が徐々に崩壊していく過程や、ワクチンの開発に奔走する人々の姿をリアルに描き出している点と、人類学者、医者、政治家など様々な立場の人物の視点から、変化していく社会を描き出しているところにある。
2022/03/02 リンク