「みんな」の正体を掴む「正規分布」の考え方 仕事の場では、最初のヒアリングで散々「みんなが」と言っているけれど、詳しく聞いてみると、数百ある取引先のうちの2~3社から言われただけ、ということがよくあります。 正しく表現するなら「一部の顧客から、ダメだと言われている」のはずですが、つい「みんなの意見」とまとめて、結果的に歪んだ情報をアウトプットする人は、少なくありません。 もちろん、たまたま聞いた2~3件の意見が全体を表していた、という考え方もできます。しかし、「平均値の歪み」を知った今なら(連載第4回)、少ないサンプルを平均化して考えると偏りが出る可能性がある、ということはもうおわかりでしょう。人の意見ですから、良いほうにも悪いほうにも極端な声が数%は出てくるはずなのです。 では、意見の正しさは、何を基準に考えればいいのでしょう。「みんな」とは、一体誰のことを指しているのでしょうか? この