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小山虎 知られざるコンピューターの思想史──アメリカン・アイデアリズムから分析哲学へ 第2回「オーストリア的」な知はいかに立ち現れたか〜ドイツ近代哲学との対峙の中で 分析哲学研究者・小山虎さんによる、現代のコンピューター・サイエンスの知られざる思想史的ルーツを辿る連載の第2回。アメリカに亡命して情報科学の土台を築いたフォン・ノイマン、ゲーデル、タルスキの3人に通底する「オーストリア的」な知の脈絡とは? その探求は、19世紀のドイツ統一運動以降の中欧諸邦の大学制度と学派形成へと遡っていきます。 「オーストリア哲学」とは何か 「オーストリア哲学」という言葉をご存知だろうか? 哲学では、「フランス哲学」や「東洋哲学」のように、国や民族、地域の名称を冠した分類がよく用いられる。「オーストリア哲学」もその一つである。とはいえ、この言葉を聞いたことのある人は専門家の中ですら、かなり少ないはずだ。ドイツ
【新連載】小山虎 知られざるコンピューターの思想史──アメリカン・アイデアリズムから分析哲学へ 第1回 フォン・ノイマン、ゲーデル、タルスキと一枚の写真 今回から、分析哲学研究者の小山虎さんによる新連載「知られざるコンピューターの思想史──アメリカン・アイデアリズムから分析哲学へ」がスタートします。インターネットや人工知能など、現代の情報テクノロジーを築いた知の根幹には、アメリカに流れ着いた意外な哲学的潮流の開花があった…? 二度の大戦をまたぐ20世紀社会の激動を背景に、その知られざるルーツに迫る壮大な思想史絵巻が、いま紐解かれます。 1946年、プリンストン 一枚の写真がある。1946年9月にアメリカのプリンストン大学創立200周年を記念して開催された「The Problems of Mathematics(数学の諸問題)」という数学の会議での、参加者たちの記念撮影だ。 写真出典:htt
今回のPLANETSアーカイブスは、「PLANETS vol.8」に掲載され好評を博した社会学者・水無田気流さんへのインタビュー「『産める自由』を獲得するために」を掲載します。これからの若者の〈働き方〉と〈結婚・家族〉の問題を考えるヒントになるかも――?(インタビュー:宇野常寛、構成:中野 慧) ※本記事は2014年3月28日に配信された記事の再配信です。 ▲『PLANETS vol.8』 水無田気流(本名:田中理恵子)は二つの顔を持つ。気鋭の現代詩人としてのそれと、女性問題や少子化、世代間格差などについて精力的に発言する社会学者としてのそれだ。そして僕がこれまで付き合ってきたのはおもに詩人としての彼女だ。僕らは東京工業大学と朝日カルチャーセンターのコラボレーション企画としての連続講義「Jポップと現代社会」を一緒に担当し、SMAPについて、ドリカムについて、ミスチルについて、あるいは浜崎あ
返還問題と民主化のスタート そんな香港で突然民主化が始まったのが1980年代、その大きなきっかけは、香港市民の下からの運動よりも、むしろ上から降って湧いた運命、即ち、1984年に中国とイギリスが、1997年の香港返還で合意したことであった。イギリスは植民地からの撤退が決まり、インドなどで行ったのと同様に、民主主義を残して去ることを考え、1985年に議会での一部議席への選挙の導入に踏み切った。中国は、一方でイギリスの突然の民主化開始に強く反発もしたが、他方、返還後50年間、香港では資本主義の体制を維持する「一国二制度」方式に基づき、香港人が香港を統治する「高度の自治」を実施すると約束してもいた。中国はイギリスに譲歩して、少しずつ香港の民主化を進めることを受け入れ、返還後最終的には、政府の長である行政長官と、議会である立法会を普通選挙で選出することを、返還後の香港の「ミニ憲法」とも称される香港
今朝のメルマガは、昨日に続いての連続配信、與那覇潤さんによる「平成史」の第1回をお届けします。昭和最後の年となった1989年は、奇しくも「昭和天皇の崩御」や「東西冷戦の終結」といった歴史的事件が重なった1年でした。それは、保守革新の両陣営における擬制的な「父」の死と、それにともなう抑圧なき時代ーー「平成」の始まりを告げるものでした。 ツヴァイクの「ダイ・ハード」 「昨日の世界」ということばをご存じですか。オーストリアの作家シュテファン・ツヴァイクがアメリカ大陸での亡命行のさなか、ナチス台頭により崩壊しつつあった「古きよきヨーロッパ」への郷愁をつづった回想録の標題です(1942年に著者自殺、44年刊)。近年ではウェス・アンダーソン監督の映画『グランド・ブダペスト・ホテル』(2014年)が、同著をモチーフに作られていますので、ご覧になると雰囲気が伝わるかもしれません。 みずからが生きていると思
6、制作の哲学――他者性のオン/オフ 制作者は、素材=ハードウェアとしての他者を象る。これは他者性の創設である。しかし、この被造物が制作者と合一するとき、他者性はむしろ打ち消される。制作者にとって、素材の他者性はときにオンになり、ときにオフになる。さらに、制作者自身も自らの制作物の魅力や恐怖に屈するとき、自己がオンの状態とオフの状態が重なりあう。『フランケンシュタイン』と「ピュグマリオン」が示すのは、まさにこの量子状態である。 ここで議論の補強のために、哲学的な観点も導入しておこう。「制作的態度」を現象学的に分析したハイデガーは、およそ次の二点を指摘している。 (α)制作的態度において、制作されるものはそれ自身に引き渡される。材料や素材がそれ自体として自立したものとして了解されるのは、作るという態度によってである。「材料や素材といった概念の起源はまさに、制作に定位した存在了解にあるのです」
2019年、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 昨年、2018年はPLANETSというユニットにとって、たぶん年単位ではこれまでで一番大きな成果を残せた年だったと思っています。 落合陽一「デジタルネイチャー」のベストセラー化、3年ぶりとなる本誌「PLANETS vol.10」の刊行とその大きな反響、これらのクリエイションを支えるサポートチーム「PLANETS CLUB」の発足とその直後からのクラブメンバーの縦横無尽の大活躍……。 僕はビジネスにはほとんど興味のない人間で、自分たちがつくるものと、そのために力を貸してくれる人にしか興味がありません。だからこそ、今年は世に送り出せたものと出会えた人たちにとにかく「はずれ」がなく、それどころかどれも自信をもって世に問うことができて予想外の反響を得、そしてこの先も彼ら/彼女らとたくさんの物事をかたちにしていけそうな予感にあ
消極性研究会(SIGSHY)による連載『消極性デザインが社会を変える。まずは、あなたの生活を変える。』、今回は工学者の渡邊恵太さんの寄稿です。積極性が、貴重なリソースになりつつある現在。それはゲームや映像といった娯楽も例外ではありません。消極的ユーザーをいかに取り込むかの工夫を、Nintendo SwitchやNetflixから考えます。 消極性デザインの連載も4回目となりました。 明治大学でインタラクションデザインの研究をしている渡邊恵太からのお話です。 私は「融けるデザイン ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論」という本を2015年に出版し、iPhoneの操作感がなぜ心地よいのか?を自己帰属感という認知科学のキーワードを用いて説明したり、生活に融け込み、自然と情報技術を利用可能にするIoTのあり方について紹介してきました。この本は、出版以来、デザイナーやエンジニア、ビジネスマンなど
本日発売となる、研究者・メディアアーティストの落合陽一さんの最新刊『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化された計算機による侘と寂』(PLANETS)より、まえがきを無料公開します! テクノロジーによっていかに〈近代〉の枠組みが再構築されうるのか。落合さんの提唱する〈デジタルネイチャー〉を繙(ひもと)いていきます。 書籍情報 ▲落合陽一『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化された計算機による侘と寂』6月15日発売!(Amazon) ▲【対談】落合陽一×宇野常寛 〈計算機自然〉はプラットフォームへの隷属を乗り越えうるかーー『デジタルネイチャー』刊行に寄せて 動画はこちらから。製作経緯や本書に込めた思いを落合さんが語ります。
編集者・ライターの僕・長谷川リョーが(ある情報を持っている)専門家ではなく深く思考をしている人々に話を伺っていくシリーズ『考えるを考える』。前回は「インナーテクノロジー(人間の内的変容に関する理論)」を探求する三好大助さんに“自らの全体性を祝福する技術”の可能性を語っていただきました。今回はデザイン・イノベーション・ファーム「Takram」のデザインエンジニア・緒方壽人さんにお話を伺います。デザインエンジニアとして重視している“越境性”や、目まぐるしく変わるテクノロジートレンドのなかにあっても不変の専門性に関する考え方。「クライアントワークも“世界の見方”を呈示する意味で、本質的にアートと変わらない」という緒方さんにデザインエンジニアリングの要諦と今後の展望を聞いていきます。 ビジネス・テクノロジー・クリエイティブを貫く“越境性” 長谷川 今年2月頃、これまでの社名「takram desi
今回から、丸若裕俊さんの連載『ボーダレス&タイムレスーー日本的なものたちの手触りについて』が始まります。丸若さんは菓子壺や弁当箱、iPhoneケースや磁器ボトルなどの様々なプロダクト、そして茶畑からのものづくりを通して日本の伝統的な文化や技術を現代にアップデートする取り組みをしています。今回は、丸若さんにとって伝統工芸はタイムレスな価値を体現するものであり、日常生活のハックこそがその本質であることについて宇野と語り合いました。(構成:高橋ミレイ) 伝統工芸のソフトウェアを現代にアップデートする ▲「PUMA」と共に発表した「PUMA Around the bento box project」 宇野 今回は連載の第1回目なので、まずは丸若さんが何をやっている人なのかという紹介から始めたいと思います。丸若さんは様々なプロダクトやお茶のプロデュース活動を通して日本の伝統工芸が現代の生活の中に溶け
10月26日に発売された、宇野常寛の待望の新著『母性のディストピア』。その内容を題材にして、長年の盟友である濱野智史氏と共に日本のこれまでとこれからについて語ります。最終回となる今回は、「映像の世紀」(=他人の物語)の終焉による社会学と批評の無効化。そして『母性のディストピア』の先にある「新しい戦争論」について語ります。(構成:斎藤 岬) ※その他の回はこちら。(第1回、第2回、第3回、第4回、第5回) 「他人の物語」から「自分の物語」へ 濱野 前回、宇野さんが「批評に対する思い入れはゼロ」という話をされていましたが、僕もよく「社会学者」という肩書で呼ばれることがあって、自分って社会学者なのか? と思うことは多々あるんです。社会学で博士号を取っていないとか、そういった制度的なところはともかく、宇野さんが言うように社会学というのは「文学化した社会の言葉」で、もう極論すると、本当はいらないんで
おたく/オタクという「失敗したプロジェクト」とその可能性 濱野智史×宇野常寛「〈政治〉と〈文学〉」から「〈市場〉と〈ゲーム〉」へ——『母性のディストピア』をめぐって(4) 10月26日に発売された、宇野常寛の待望の新著『母性のディストピア』。その内容を題材にして、長年の盟友である濱野智史氏と共に日本のこれまでとこれからについて語ります。第4回では、大塚英志氏のオタク論をいかにして継承するか。また、「語り口」の問題に左右されてしまう批評の言語の限界について議論します。(構成:斎藤 岬) ※その他の回はこちら。(第1回、第2回、第3回、第4回、第5回) 批評の言語の脆弱さと「語り口」の問題 宇野 『母性のディストピア』はやたらと長くなったんだけど、その原因のひとつが、作品をちゃんと紹介しているからなんだよね。 濱野 それは宇野さんの特徴でもあると思う。実は僕は平成ライダーシリーズはちゃんと観て
押井守・庵野秀明・こうの史代——アトム/ゴジラの命題の継承者たち 濱野智史×宇野常寛「〈政治〉と〈文学〉」から「〈市場〉と〈ゲーム〉」へ——『母性のディストピア』をめぐって(1) 10月26日に発売された、宇野常寛の待望の新著『母性のディストピア』。その内容を題材にして、長年の盟友である濱野智史氏と共に日本のこれまでとこれからについて語ります。第一回は『シン・ゴジラ』や『この世界の片隅に』といった作品を参照しながら、〈政治〉と〈文学〉が断絶してしまった情況について考えます。(構成:斎藤 岬) ※その他の回はこちら。(第1回、第2回、第3回、第4回、第5回) なぜ今『母性のディストピア』を世に問うのか ▲『母性のディストピア』 濱野 今日は『母性のディストピア』がなぜ今、このタイミングで出たのかをあらためて聞くところから始めたいと思います。それはもちろん本の中にも書かれていますが、今回、僕が
10月26日(木)、宇野常寛待望の新著『母性のディストピア』が発売になりました。「新しい思考」の場となることを期待されていたはずのインターネットは、いまや自尊心を守るために他人を叩くための場となってしまいました。宇野がこの卑しさを解き放つ活路を見出したのは、アニメ、ゲーム、アイドルについて語ることでした。人々の欲望にまみれた市場の中の表現にこそ世界の真実が露呈する。宇野が思いのたけをぶつけた書き下ろし原稿を全文無料公開でお届けします。 この1ヶ月あまり、いろいろなことがありすぎた。 ご存知の方も多いと思うのだけど、僕は先月末に2年半レギュラーを務めたテレビ番組をクビになった。この1年、日本テレビは僕の発言(特に政治的な発言とマスコミへの批判)を押さえ込みたくて仕方なかったらしく、ちょくちょく衝突を繰り返していた。特に決定的だったのがアパホテルの出版した歴史修正主義への批判だ。誰がどう呼び出
京都を拠点に活動する 「不動産プランナー」であり、『もし京都が東京だったらマップ 』の著者でもある岸本千佳さん。人と建物の関係を結び直す彼女のプロデュース業は、建築と不動産の間の壁を超えたところに生まれました。岸本さんが大きな影響を受けた不動産的なアプローチの先駆け「東京R不動産」の衝撃とは? そして、リノベーション第一世代と第二世代の違いとは? 岸本さんと宇野常寛が「住」のこれからについて考えます。(構成:友光だんご) クリエイティブな発想が必要とされない不動産業界 宇野 岸本さんは「不動産プランナー」という肩書きで活動されていますが、具体的にどういったお仕事なのでしょうか? 岸本 簡単にいうと「建物をプロデュースする仕事」です。まず、不動産の持ち主から相談を受けて、建物の使い方を提案します。提案が通ったら、設計や工事担当の人たちとチームを組んでリノベーションを行い、完成後の入居者を見つ
秋クールでも注目度抜群のTBSドラマ、宮藤官九郎脚本の『監獄のお姫さま』が今週10月17日(火)にスタートしました。そこで、今回は本誌編集長・宇野常寛による宮藤官九郎論をお届けします。2016年のテレビドラマ『ゆとりですがなにか』で描いたものと描かなかったものを通じて、東京五輪がテーマになるという次作への期待と課題を語ります。(初出:テレビの見る夢 ― 大テレビドラマ博覧会 図録) テレビドラマ作家としての宮藤官九郎は、自身より一世代下の男性に仮託するかたちで青春とその終わりを反復して描いてきた作家である。とりあえず今回はここから出発しよう。 宮藤は「モノはあっても物語のない」消費社会に育った少年たち――『池袋ウエストゲートパーク』は九〇年代の渋谷に間に合わなかったチーマー(都市の少年たち)の、『木更津キャッツアイ』は後に「マイルドヤンキー」と呼ばれるジモト志向のブルーカラーの現代形の――
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