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2023年8月に開業した宇都宮ライトレールの業績が好調だという。人口減少社会におけるコンパクトシティ構想とも親和性の高い、路面電車(LRT)の「復活」に向けた先駆的な事例となりそうである。 路面電車は、低額な運賃で利用可能な交通手段として、かつて全国の都市に存在したが、急激に進んだモータリゼーションの波にのまれ、次々と姿を消していった。その代表的な例として横浜市電が挙げられる。今から120年前の1904(明治37)年7月15日に私鉄の横浜電気鉄道として開業後、1921年に市営化。1972年3月に全廃されるまで67年8カ月の長きにわたって横浜市民の足として走り続けた。 今回は横浜市電にまつわる“6つの謎解き”をしながら、どのような路線だったのか、あらためて振り返ってみたい。 謎の多い「市電のビール輸送」 ■Q1:貨車でビールを運んだ? 横浜市電の前身となった横浜電気鉄道は、神奈川駅前(現・青
スキマバイトアプリを運営する「タイミー」が本日7月26日、東証グロース市場へ上場する。公開価格ベースでの時価総額は1379億円。2018年8月のサービス開始にもかかわらず、「ユニコーン企業」となった。 創業者の小川嶺代表(以下、人物の敬称略)は27歳。立教大学生だった20歳のときにファッション事業を起業したが、事業存続に悩み自ら畳んだ。その後、残った借金30万円(うち20万円は親から)の返済のため、アルバイトに勤しむことになった。 「なんで応募にメールを使うんだろう。アプリで完結すればいいのに」。忙殺される中、ふと抱いた不満がきっかけとなった。そこからタイミーのアプリ開発とサービスの構築が始まった。 「すぐに働けて、すぐにお金がもらえる。コツコツがんばっている人が報われる世界を作る」。創業時から一貫して小川がこだわってきたことだ。 その言葉のとおり、タイミーのアプリは、仕事探しからマッチン
6月24日に開催されたパナソニックホールディングスの定時株主総会では、1300円台にまで落ち込んでしまった低株価が指摘された。当日のPBR(株価純資産倍率)は0.67倍。その後も大きな変化はなく、東京証券取引所が「経営改善を求める企業」の基準とする1倍を割った状態が1年以上続いている。 中期経営計画の達成は困難な状況 6月27日、日立製作所の時価総額が16兆9420億円に達し、ソニーグループ(同16兆8938億円)を9年ぶりに上回り話題になったが、パナソニックは3兆2322億円にとどまっている。 同社の2024年3月期決算では、純利益が前期比67.2%増の4439億円と過去最高を更新した。液晶ディスプレー子会社の特別清算によるところが大きい。「一時的要因もあるので、最高益を達成した高揚感はない。冷静に見ている」(梅田博和・副社長執行役員・グループCFO)。 楠見雄規・社長兼グループCEOも
ファナックの創業者の孫で、同社専務執行役員だった稲葉清典氏(46)が、ひっそりと退職していたことがわかった。 対外的な人事発表はされておらず、6月27日に開示された株主総会の決議通知をみると、執行役員一覧から清典氏の名前がこつぜんと消えていた。 ファナックの広報は東洋経済の問い合わせに対し、「本人の希望により、6月30日付で円満に退職いたしております」と回答 。同社は本人都合による円満退職を強調するが、”創業家3代目プリンス”の輝かしい道を歩んできただけに、波紋が広がっている。 35歳で異例のスピード出世 社内では「何もわからない」と口を閉ざす社員が多い中、競合他社や取引先からは業界トップ企業の人事に驚きの声が広がっている。 ファナックを顧客とする部品メーカー役員は、「最近知ったばかりだ。関係者と一言、二言話すと、(清典氏の退職について)みんな口にする」と興奮気味だ。また、同業他社の社員が
毎年夏になると、土用の丑の日の食べ物として話題になるウナギ。中国からの輸入物の増加で、20年ほど前に大幅に価格が下がっていましたが、今では再び高止まりしています。 ニホンウナギが絶滅危惧種に指定され、稚魚の密漁など暗い話も多くあります。ウナギをいつまでも食べ続けるためにはどうしたらよいのでしょうか? このままではウナギ資源は戻らない ウナギ資源が回復する気配はありません。冷静に考えれば簡単にわかることなのですが、成長して親になる前に魚を獲ってしまったら、卵を産む親の数が減って資源が減少します。これを「成長乱獲」と言います。ウナギ漁はシラスウナギ(ウナギの稚魚)を獲る漁が主体なので、まさにこれに当てはまります。 夜間に集魚灯を使って、光に集まったシラスウナギをすくい獲るのが主な漁法です。漁獲されても群れが大きくて、大量に川を上っていけるうちはよかったのです。しかしながら資源量が減って小さくな
ドナルド・トランプ前大統領がホワイトハウスに戻れば、日本経済は大きな「トランプ・ショック」に見舞われる。すべての輸入品に一律10%、中国からの輸入品には60%の関税を課すというトランプ大統領の計画によって、デリケートな世界のサプライチェーンも日本の輸出需要も深刻な打撃を受けるだろう。 同時に、トランプ大統領のインフレ政策(追加的な大型減税と関税)は、連邦準備制度理事会(FRB)に現在意図している以上の高金利を強いると見られる。その結果、円には下落圧力がかかるだろう。 どの程度のショックになるかは、トランプの話がどの程度現実になるかにかかっている。さらに、ジョー・バイデン大統領が大統領選を離脱したことによって選挙結果に不透明さが増している。 日本経済は「外的ショック」に過剰反応する しかし、わかっていることはこうだ。日本経済は非常にもろく、外的ショックに過剰反応し、時には2011年3月の大災
“クラウド活用”という言葉が、仕事術の1つとして注目されたのは昔の話だ。今や誰もが、まるで水道の蛇口をひねるようにクラウド上のサービスを情報の泉として活用している。 しかし、あまりに当たり前であるがゆえにそのサービスに依存しすぎていると、思わぬ落とし穴にはまってしまう。とくにサービス運用にAIが積極活用されている近年、一度落とし穴にはまると、なかなか抜け出すことができない厄介な事態となりかねない。 今回取り上げる事例は、身近な人物に起きた、身近なクラウドストレージサービスにおけるアクシデントだ。サービスを提供するプラットフォーマーの幹部に直接訴えたうえでも、解決までに実に2カ月もの時間を要した。 細かくこのケースを追っていくと、問題の“根っこ”と言えるテーマがいくつか浮かび上がってきた。その背景にあるリスクはさまざまなクラウド型サービスに内在しているもので、同様のアクシデントはいつ誰にでも
6月5日22時49分、チェコ共和国の首都プラハの東約120kmに位置する産業都市パルドゥビツェ付近で、民間の列車運行会社レギオジェットのプラハ発チョップ(ウクライナ)行き夜行列車RJ1021便と、コンテナ列車が正面衝突する事故が発生した。 13両編成の夜行列車には約300人が乗車していたが、機関車の直後に連結されていた客車はくの字形に変形するほど激しく損傷し、乗客4人が死亡、30人以上が負傷した。ただ正面衝突にもかかわらず、双方の運転士は命に別状はなかった。 2両目「だけ」押しつぶされる チェコ鉄道安全当局の最初の調査結果では、夜行列車が赤信号を通過したことが明らかにされ、異常に気付いた運転士が急停止させたが、対向してきた貨物列車のブレーキが間に合わず衝突したことが、現場付近に設置された監視カメラの映像でも確認されている。 パルドゥビツェ駅周辺は、路盤を基礎から作り変える抜本的な改修工事を
ジョー・バイデンが7月21日にアメリカ大統領選からの撤退を表明したことで、アメリカ最高司令官をめぐる選挙は劇的な展開を見せている。この混沌とした選挙の行方はまだ定かではない。しかし現時点では、ドナルド・トランプ前大統領が政権に返り咲くという見通しを深刻に受け止めなければならない。 ターゲットを「中国」に絞って攻撃 共和党大会は、孤立主義、保護主義、キリスト教ナショナリスト運動、いわゆる1930年代の新ファシズムを彷彿とさせるMAGA(Make America Great Again=アメリカを再び偉大に)運動による同党の支配を確固たるものにした。オハイオ州選出の新米上院議員J・D・バンスを副大統領候補に選んだことで、その計画は決定的となった。バンスはこの運動のイデオロギーを深く支持している。 トランプ大統領の政権復帰は、日本にとって、そして戦後秩序の砦としてアメリカへの依存度を高めている他
京成高砂―印旛日本医大間を結ぶ北総鉄道は京成電鉄が株式の56%を保有し、ほかに千葉県、都市再生機構(UR)、沿線6市などが出資する第三セクター鉄道である。千葉ニュータウンと都心を結ぶ通勤・通学の足として1972年に設立され、2010年からは成田スカイアクセス線の開業により、都心と成田空港をつなぐ空港アクセス線の主要部分も担っている。 同社の会長を務める室谷正裕氏は生粋の鉄道マンではない。もともとは1979年旧運輸省(現国土交通省)に入省し、航空行政や運輸安全委員会の事務局長などさまざまな交通分野に関わってきた。2014年の退官後は日本民営鉄道協会の常務理事に就任し、このまま優雅なOB人生を送ると思っていた。 波乱の社長就任 転機が訪れたのは2017年のことだ。京成電鉄から声がかかり、同社の鉄道本部長に就任した。35年の官僚人生で鉄道局の経験は1度だけ。決して鉄道の専門家ではないし、技術に明
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