今年に入り、丸尾末広原作による伝説のカルト漫画『少女椿』や、古屋兎丸原作の『ライチ☆光クラブ』など、いわゆるガロ系作家と呼ばれる漫画原作の実写映画が続々と公開され話題を呼んでいる。“ガロ”出身のみうらじゅん曰く「世の中の漫画は『ガロ系』と『それ以外』の2つに大きく分けられます」と言うほど、個性の強い“ガロ系”作品が、なぜいまの時代に実写化されているのか? ガロ系漫画と映画の親和性を検証してみたい。 日本初の青年漫画雑誌“月刊漫画ガロ” “ガロ”とは、1964年から2002年頃まで青林堂が刊行していた、日本のサブカルチャーやアンダーグラウンドを代表とする伝説的漫画雑誌“月刊漫画ガロ”のこと。そこに掲載されていた一般的な雑誌で扱わないような独自の作家性を持つ漫画家たちの作風が、俗に“ガロ系”と呼ばれている。 貸本漫画の出版などで知られていた編集者の長井勝一が、白土三平の『カムイ伝』の連載をする