「本書は熊本地震に被災した一人の自閉症スペクトラム当事者が書いた発災からの私的な記録である」と書き出された本が出た。著者は、高校で特別支援教育の支援員をしている阿蘇市の井芹大悟さん(43)。題名は「震災を乗り越えて~熊本地震直後からの日常生活とその工夫~」。被災者の生活や難局で助け合う姿を克明に描いた貴重な証言録になっている。 井芹さんが友人に無事を伝えるために書いた日記の「前編」と、自らの災害ボランティア活動を通して広がった支援の輪を紹介した「後編」で構成。前編は「夜の1時半頃、緊急地震速報のキュイーンという警報音に叩(たた)き起こされました。来るぞ! と身構えていると、ユッサユッサと家全体が基礎部分から揺れている」と、昨年4月16日の本震時の緊迫した記述から始まる。 電気、水、通信機能が断たれた家族の生活を守るため、井芹さんは鉄骨造りの車庫に自宅避難所を開設した。その後の日常が次の
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