【横浜高はこうしてドクターKを打ち砕いた】 ――小倉清一郎氏(横浜高コーチ)特別寄稿 松井裕樹君はプロ注目の好投手だが、桐光学園の野呂雅之監督とも仲がいい。だからあえて、ウイークポイントを言わせてもらう。 25日の神奈川大会準々決勝で横浜高は、松井君に対してスタメンにあえて左打者を5人並べた。セオリーではないが、松井君のスライダーは右打者の懐に食い込んでくるため、右の方が打つのは難しいからだ。ところがこの試合、スライダーの落差は、いい時の半分になっていた。昨年は宇川一光君(東農大1年)という上級生捕手が、ひたすらワンバウンドのスライダーを止めてくれていた。今年は1年生捕手のため、松井君は知らず知らずのうちに置きにいっていたように見えた。 <配球、セットにあるパターン> 配球にも偏りがあった。スライダーの3球連続は90%ない。つまり、スライダーが2球続いたら次はないということ。直球